気持ちが伝わる「メールのお礼」シーン別文例集
文章を書くのが苦手だ。メールの表現に悩み、時間がかかる。マナーに厳しい取引先がいる……。一般的な書き方を知れば、面倒は減る。今回、ニーズ別に、フレーズと文例を集めた。「ビジネス表現の基本」を確認しよう。
■「助かります」は相手を見て使う
お礼の気持ちを伝える最も代表的な言葉が「ありがとうございます」。これを使えば誤解なく誰にでもその気持ちが伝わります。しかし、1本のメールに何度も繰り返し登場すると、ありがたみも半減。2回までにとどめたほうが無難です。「お気遣いいただき、ありがとうございます」「ご足労いただきまして、ありがとうございます」など、何に対するお礼かを具体的に伝えることも重要です。
また、「助かります」は、この10年で、メールでのやりとりが増えるにしたがって広まってきた便利な言葉です。いまでは「目上の人に対しては失礼だ」と感じる人も少数派のようです。言葉は時代に応じて変化します。相手を見てうまく使うといいでしょう。
さて、お礼で意識したいポイントは、できるだけ早く相手に伝えるということ。夜の会食でご馳走になったのであれば、翌日の午前中までにはお礼のメールを送信します。また、顧客を紹介してもらうなど大きな手助けを受けたときは、「メールを送ったから」と思わず、対面で速やかにお礼をすることも忘れないでください。
【基本のフレーズ】
◆〜いただき、ありがとうございます。
――広く使われている定番のフレーズ。より丁寧にする場合は「誠に」を加えてもいい。
◆〜の件では、たいへんお世話になりました。
――これも一般的なフレーズ。この後に具体的な感謝の言葉を続けたい。
◆おかげさまで〜
――成果を報告する際に、前置きとして使える言葉。お礼の意味がより強くなる。
◆お気遣いをいただきまして〜
――ある程度の期間にわたって気にかけてくれた相手に対するお礼を伝えるのにふさわしい。
◆本当に助かりました。
――お礼や感謝を置き換える表現。「別途謝意を書き添えるべき」という人もいるので注意。
◆感謝しております。
――「ありがとうございます」の気持ちをややかしこまって伝えたいときに。
◆感激しております。
――乱用すると白々しい感じになるので、“ここぞ”というときに使いたい。
◆ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
――手紙文なら「感謝の念にたえません」としたいとき、もう少し親しみを込めて。
◆うれしく思います。
――ややかしこまった表現を使いたいときには「うれしく存じます」もいい。
【“逆効果”の恐れがあるフレーズ】
◆厚く御礼申し上げます。
――ビジネス文書では一般的な表現だが、メールでは「慇懃無礼」に思う人もいる。
◆たいへん参考になりました。
――何について参考になったのか、具体的に書いておきたい。それがないと軽薄に見える。
◆○○さんにお願いして正解でした。
――ごく親しい間柄であれば問題ない。だが目上の人にはくだけすぎた表現。
◆ご丁寧にご対応いただき、ありがとうございます。
――皮肉になる恐れもあるので「ご丁寧に」は使わず、シンプルな言い回しにしたほうがいい。
■シーン別「お礼」の例文
ケース1:交流会で知り合った
○○様とお話をすることができ、たいへんうれしく思っております。
ご縁をいただきまして、誠にありがとうございます。
POINT●交流会やパーティーなどでは不特定多数の相手と出会う。この文章の前後では、短い自己紹介と、以前にどんな会話を交わしたのかについて触れたい。
ケース2:会食の後に
あんなに美味しい日本料理をいただいたのは初めてです。
感激しました。
POINT●とくに目上の人には「初めての経験」であることや、「行きたいと思っていたが、高級すぎたり上品すぎたりして行けなかった」ことなどを伝えるのが効果的。
ケース3:営業先を紹介された
おかげさまで、ご紹介いただいた○○様と新規契約に至りました。
このたびは、ひとかたならぬご支援をいただき〜
POINT●単にお礼を述べるだけでなく、手助けしてくれた相手の行為がいかに貴重なものであったかを、具体的に、十分に認識していると伝わるようにしたい。
ケース4:仕事で助けられた
○○様にはいろいろとお骨折りいただき、感謝の言葉もありません。
窮状から脱することができ、本当に助かりました。
POINT●苦労を厭わず時間を割いてくれたことに対するお礼の気持ちを相手にしっかり伝えることで、相手にも「報われた」と思ってもらえるようにしたい。
ケース5:贈り物をもらって
このたびは見事な南国フルーツを頂戴し、ありがとうございました。
早速職場の皆でいただき〜
POINT●「結構なお品をいただき」などがよく使われるが、形式的になりがちなので“お品”を具体的に書いたほうがいい。贈り物が気に入ったことも伝えたい。
ケース6:ありがとうの言い換え
いつも気にかけていただき
感謝しております。
POINT●継続的に世話になっている相手に対しては「ありがとう」ばかりでマンネリ化しがち。何かの折に、改まって感謝の気持ちを伝えるとインパクトがある。
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1974年生まれ。筑波大学人間学類卒業。広告代理店勤務を経て、2004年にアイ・コミュニケーションを設立。13年には一般社団法人日本ビジネスメール協会を立ち上げ、ビジネスメールスキルの標準化に取り組む。『モノの書き方サクッとノート』(永岡書店)など著書多数。
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(プレジデント編集部=構成、文例作成)
