学生の窓口編集部

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12月15日放送、「所さんのニッポンの出番!」(TBS)では、日本の国民食カニカマが世界を席巻している件。

カニカマは魚のすり身で作ったカニ風味のかまぼこだが、国別生産量をみると日本を抑えてフランスで多く作られている。現地のスーパーではカニカマが並び、徳用サイズもある。一般家庭では、「海老とカニカマのホワイトチーズソテー」、「カニカマととろりネギのココナッツミルク和え」などが調理される。

カニカマはすり身を0.6mmの細さに裁断し、裁断したすり身を丸めて原型をつくり、リコピン由来の着色料をフィルムで巻きつけてねじる。従来の機械は規則的な動きですりつぶすためすり残しが生じて雑味となっていた。だが、食品加工機器の製造業ヤナギヤのカニカマ製造装置はボールカッターを採用しており、宙を舞うように複雑に混ざるため、すり残しがない。


1979年頃のかまぼこ業界には、ある問題があった。すり身を作る機械がドイツ製でソーセージの機械を代用していたが、それが納得できないでいたヤナギヤの柳屋社長。同じ年のエンジニアである開発部の西岡さんは機械のアイデアを出し、社長はあえて難癖をつけたがすべての質問に答えた。社長はその西岡さんのたった一人のアイデアにすべてを賭けることにした。

西岡さんの機械のアイデアには莫大な投資が必要であり、お金を貸してくれる銀行の目も冷ややかだった。また球体のカッターはどこにも存在しない部品だったため部品の調達にも苦労した。1982年、ボールカッター1号機が完成し、取引先へ手渡された。ヤナギヤの機械で作ればうまいとの評判があっという間に立ち、ヤナギヤの機械は海を超えた。柳屋社長は2〜3年前にロシアに行った所、30年前のカニカマの機械が使われていて驚いたという。

ヤナギヤは世界の70%のシェアを誇り、スペインやEU25カ国総代理店契約を結んでいる。狂牛病問題がきっかけとなり、急激に水産加工品への需要が伸びた。カニカマの消費量もこれに合わせて急増。ヨーロッパ諸国への機械装置の輸出も盛んとなったのだった。ヤナギヤは今では国内・海外合わせて200ラインを超えるカニカマ製造機の納入実績をあげている。

世界で愛されるカニカマには、苦労を乗り越えた社長と従業員の作り上げた製造機器が関わっているのだった。それを使って世界を席巻し、世界中の人々に愛されるカニカマを作り続けている。