ブルームーンは青いとつぶやいたら笑われるぞ! ブルームーンの本当の意味と勘違いされた理由

流星群や日食、月食など夜空を見上げる天体ショーは、老若男女、いつの時代も人の心をときめかせてくれる。
今日、7月31日は、おおよそ3年ぶりとなるブルームーンと呼ばれる珍しいイベントが起きる。
しかし、「ブルームーン」といっても、「月がいつもより青く見える」などと、知ったかぶりでSNSに投稿するのは控えよう。
確実に笑われること、間違いない。
●ブルームーンは青くない
実はこのブルームーンというのは、月はあまり関係ないのだ。
「スーパームーン」は、地球からみて月が接近し、大きく見えるが、「ブルームーン」での月は普段と変わらないお月さまなのだ。
それでは、いったい何が珍しいのだろうか。
「ブルームーン」は、1か月間に2回満月を迎えることなのだ。
そもそも、満月の周期はおおよそ29.5日。普通は、満月は1か月に1回だ。
しかし、月の周期が暦とは、少しずれがあるため、毎月少しずつずれていく。
そして、ある月に、1か月の間に、2回も満月を迎える現象が発生するというわけだ。
この現象を「ブルームーン」を呼ぶのだ。
したがって、いくら月を見上げても「青く」ないし、「青っぽく」もないのである。
●「ブルームーン」は勘違いの勘違い?
さらに、この「1か月間に満月を2回迎える」というのも勘違いの可能性がある。
もともとは、一部の地域では「1季節(約3か月)の間に4回満月を迎えるので、そのうちの3回目だけをブルームーンと呼んでいた」そうなのだ。
通常、3か月間で迎える満月は3回なのだが、まれに4回満月を迎えることがあった。
大変珍しいために、最後の満月ではなく、そのうちの3回目を「ブルームーン」と呼んでいたというのだ。
それが現在のように「ブルームーンは、1か月間に満月を2回迎える」と思われるようになったのは、米国の天文誌で「ブルームーンは1か月のうちに2回満月を迎えること」と紹介されたことだとする説が、通説の一部となっているそうだが、正確な確証はないようだ。
つまり2015年7月31日のブルームーンは、「青くない」し、「正確にはブルームーンですらない」のだ。
●青くないのに、どうして「ブルームーン」と言うのか
実は、ブルームーンでも、月が青っぽく見える現象がごく稀に起きているらしい。
これは火山の噴火などによるガスやチリの影響で、月が青っぽく見える現象だ。
しかし、予測不可能なうえ、極めて珍しい現象だ。
そこで、とても珍しいことや稀なことを表す英語の慣用句「once in a blue moon」と言うようになったのが語源なのだそうだ。
もともとは、1季節の中で4回満月を迎える、つまり3回目の満月が最後ではないという珍しい現象だから「ブルームーン」と呼んでいた。それがいつの間にか、「1か月間で2回満月を迎える」ことが「ブルームーン」と定着して、現在に至ったということらしい。
さらにSNSが普及した現在では、なぜか「月が青く見える」といった投稿がされることで、「ブルームーン」は青い月が見える誤解を広げているようだ。
このように、かなりややこしい伝説となっているのが「ブルームーン」なのだ。
とはいえ、1か月に2回も満月を見上げて「綺麗だな」と思えるのは、とても気分が和む。
せっかくの機会なので、今宵は、夜空を見上げてみてはいかがだろうか。
布施 繁樹