この記事は以下の動画を基に、動画投稿者の承諾を得た上で、AIライターが執筆しております

脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネルで「人工知能時代に必要なのは『数学』、それとも『物語力』?」と題した動画を公開した。著名投資家ピーター・ティール氏の発言をきっかけに議論されている「AI時代は数学よりも言葉(ワード)の時代になる」という言説に対し、茂木氏は「いわゆる文系の人が流布するような『物語』とはかなり違う」と、安易な文系優位論に釘を刺した。

動画の冒頭で茂木氏は、ティール氏が「AI時代には数学的な人よりも、言葉中心の人の方が重要になる」と語ったとされる件に言及。これを受け、日本のSNS上で「理系より文系の時代が来た」といった反応が見られたことについて、「AIがコーディングや証明を行うようになるため、人間には物語をつむぐ能力が求められる」という点には同意を示した。しかし、そこで求められる「ストーリーテリング」の中身について、茂木氏は「世の中でイメージする『夢物語』や『ファンタジー』ではない」と強く主張する。

茂木氏は、現代の優れたストーリーテラーの例としてイーロン・マスク氏を挙げる。マスク氏が語る火星移住やロケット再利用といった構想は、一見壮大な物語に見えるが、その背景には「頭の中で定量的に計算している」裏付けがあると指摘。例えばSpaceXのブースター再利用におけるコストダウンや金属疲労のリスク計算など、物理学や経済合理性に基づいた緻密な設計図(ロードマップ)が先にあり、それを言葉にしているだけだと解説した。単なる言葉遊びや、技術的根拠のない「適当な言葉」で世界が動くわけではないと断じる。

また、歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏についても言及した。ハラリ氏が『サピエンス全史』で説いた「虚構を共有する能力」は人類史の解釈として秀逸だが、AI開発のような技術的な未来予測においては「定量的な厳密さはない」と分析する。これからの文明を動かすストーリーテリングには、ハラリ的な概念操作だけでなく、マスク氏のような「定量的な思考」や「技術への深い理解」が不可欠であると論じた。

最後に茂木氏は、AI時代に必要な能力は「いわゆる日本の文系的な『言葉の力』ではない」と結論づける。曖昧なファンタジーではなく、厳密な精査と構築力に基づいた構想力こそが、これからの世界で覇権を握る鍵になると語り、思考停止した「文系復権論」に警鐘を鳴らした。

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