8月は0勝2敗、防御率4.50と苦しむ右腕

 開幕から好調なピッチングを見せ、7月16日に9勝目を挙げた日本ハム・大谷翔平投手だが、それ以降1か月以上勝利から見放されている。特に8月に入ってからは、3度の登板で0勝2敗、防御率も4.50と苦しんでおり、特に目立つのが20イニングで15というフォアボールの多さだ。

 順調な成長を見せてきた2年目の大谷が、ここに来て苦しんでいる理由はどこにあるのか。スポーツコメンテーターの飯田哲也氏はこう解説する。

「8月17日の西武戦に登板した大谷も見ましたが、上半身と下半身のバランスが合っていない印象を受けました。球速は出ていますが、ファールを打たせることができていません。ボールの回転、スピンの質が悪く、速球を前にはじき返されてしまっています。

 体のバランスが崩れているのは、間違いなく疲れだと思います。大谷は野手をやりながらの投手起用ですし、この夏場は野手でも毎日出場し続けるのは体力的に厳しいものです。普通の先発投手であれば、中5、6日空いてその間で休むことができますが、大谷の場合そこでも休まずに準備して試合に出ているので、しんどいとは思います。

 栗山監督も、西武戦の前に“今、大谷の状態は良くない”と話していましたが、疲労の蓄積で体のバランスが少し崩れているのではないかと思います」

 17日の西武戦では、初回に中村剛也から3ランを被弾し、その後もコントロールに苦しんで厳しいピッチングが続いていた。飯田氏はその投球についてもこう話す。

「突出した才能であることに疑いの余地はない」

「ただそれでも、西武戦では8つの四球を出すなど苦しんでいましたが、悪いながらに試合を作って7回3失点でまとめたのは、本当に凄いことだと思います。高卒2年目の投手としては、既に突出した才能であることに疑いの余地はありません。この試合でも球数が多く、結局149球を投げました。ここまで投げることに関して議論の余地はありますが、球数が多くなっても7回を投げきるスタミナがある。ここも、高く評価できる部分です。

 日本ハムは負傷者がだいぶ戻ってきているので、大谷が無理にDHなどで出場する必要性は下がってきました。戦力が整ってきているので、大谷は残りのシーズン、ある程度投手に専念してもいいのかなと思います。

 ただ、これは個人的な意見ですが、大谷には今の形、二刀流を継続していって欲しいなと考えています。プロ野球の歴史の中で、誰もやらなかったことをやっている訳で、これだけ特徴的な選手はいません。もちろん本人の意志が一番重要ですが、疲労が溜まったらベンチが上手く休ませながら、続けていって欲しいですね」

 投手・野手の二刀流選手として、常に話題を振りまいてきた大谷。ただ、今季は投手としてチームの勝ち頭であり、既にエースと言っても過言ではない投球を続けている。飯田氏は、投手・大谷について、次のように希望を話した。

「大谷のストレートはスピードがありますが、多彩な変化球も持っています。ちょっと、変化球が多いかなという印象はありますね。配球についてはキャッチャーとの兼ね合いもあるので、一概には言えませんが。ただ、大谷は155キロ以上が常時出るんですから、そう簡単には打たれませんし、もう少しストレートで押していくような、ピッチングスタイルを構築して欲しいと感じています」

飯田哲也プロフィール
スポーツコメンテーター。1968年東京都出身。1987年に捕手としてヤクルトスワローズに入団、主に外野手としてヤクルトの1番バッターを長く務めた。2005年からは2年間楽天イーグルスに在籍。2006年に現役を引退すると、古巣ヤクルトで2013年まで守備・走塁コーチを務めた。
飯田哲也オフィシャルブログ