始まりは女子高生のカワイイ、TRYBOTSのペンギン型ロボが水族館で本物と遊泳。開発は夢の途中
開発チーム TRYBOTS の面々は、昨夏開催の海洋研究開発機構(JAMSTEC)の水中ロボットコンベンションのフリー部門で優勝。受験によって一端活動を停止するも、今後も研究開発を進め、できるだけリアルなペンギンに近づけることを目的に活動を継続していくそうです。
もるペン!開発の代表メンバーで、「言い出しっぺ」でもある近藤那央さんは、年間パスポートを持つほどのすみだ水族館好き。動物ってすごい! と思った彼女は、卒業研究のテーマをペンギンロボットの製作に決定。構造設計担当の齋藤七海さんとともに、二人の女子高生が翼を上下に羽ばたかせて泳ぐペンギンロボットの製作に取りかかりました。
製作にあたる中で近藤さんは、ペンギンをもっとよく知る必要性を感じ、自ら企画書を持ち込んですみだ水族館の飼育員に直接交渉。今回、本物のマゼランペンギンと一緒にもるペン! をテスト遊泳するチャンスを得ました。すみだ水族館側もこうした取り組みを通じて、よりペンギンのことを知りたいと考え、近藤さんの取り組みに賛同したと話しています。
ロボットの構造設計には3DCADを使い、機構設計の室谷英明さん、無線関連担当の仁科卓海さん、フリッパー製作竹内和雅さんといった高校の仲間たちをメンバーに引き入れた TRYBOTS。レーザーカッターで切り出したポリアセタールを差し込んで組み上げる形でボディを作り、もっとも重要な羽ばたき機構にはDCモーターから歯車で左右の円運動を作るというもの。羽ばたき機構は壊れにくく、将来的により大きな出力を出すために、できるだけシンプルに設計したそうです。
ペンギンの羽根の部分にあたるフリッパーには、しなやかさを出すために金属板とポリプロピレンを採用。頭部はサーボモーターで首を左右に動かせ、この動きで旋回する仕組みを取り入れています。
なお、現時点でもるペン!は潜水できません。例えるなら、羽ばたきで進むラジコン船のような状態。近藤さんはリアルなペンギンを目指すとしており、もちろん潜水も視野に入れています。「ペンギンを観察していると、かなり浮力があるまま潜水し、水中で素早く移動します。体の形の研究をもっと進めたいです」と話しています。
ちなみに、開発費として学校側から出たのは3万円。多くの部品を100円ショップにあるもので代用し、防水にはタッパーやフリーザーバックを利用するなど、開発総額は5万円程度。
すみだ水族館で行われた今回のテスト遊泳では、羽ばたきを推進力として、もるペン!が進んでいく姿が確認できました。しかし、頭部に搭載したサーボモーターの故障や本物のペンギンたちが遊泳する水流によって、想定したように旋回できず、現時点では道半ばといった状況。ただし飼育員は、羽ばたきの様子がペンギンらしいと感心していました。
もるペン!は今後、メンバーそれぞれが専門性を高め試作機の完成度高めていくとともに、将来的には小型化して玩具として販売したり、水族館でワークショップを開催したりといったビジネス展開も検討しているとのこと。
現在は遠隔操作型のロボットとなっていますが、コンパニオンロボットのように人工知能を搭載し、ペンギンとロボットが一緒になって泳いだり、宇宙船内のサービスロボットとして活躍したり、そんな夢を見ているそうです。女子高生の「ペンギン、カワイイ!」から始まったプロジェクトは、Facebookページで活動をオープンにしながら今後も開発を進めていきます。
