ウィルコムPHSと携帯各社のMNPは10月1日開始。SMSのやりとりも可能に
MNP制度について
番号ポータビリティ(NP)のモバイル版は、頭に「M」をつけて「MNP」と呼ばれます。電話番号を変更することなく携帯電話会社を変更できる制度です。その仕組み上、他社の契約者を減らして自社の契約者を増やせるので、MNPにはキャッシュバックなどの特典が付いているのが通例です。
2013年から携帯会社も070利用
昨年11月、これまでPHS会社のみ使えた「070」で始まる電話番号が一部、携帯電話会社でも使えるようになりました。それまで携帯電話の番号は「090」「080」で始まるものでしたが、電話番号の数が足りなったためです。
しかし昨年11月の時点では、携帯電話会社とPHS会社の間で相互のやりとりはできず、あくまでも携帯電話会社が070番号を使えるようになったのみ。この施策と併行して総務省は、携帯・PHSの相互に電話番号がやりとりできるようMNP制度の準備を進め、1月に省令を改正。2014年10月1日から、PHS、つまりウィルコムともMNPが利用できるようになります。
ウィルコムのピンチ? チャンス?
ウィルコムの契約者が他社に移行しやすい状況ともいえますが、反対にウィルコムにプラスに働く可能性も充分にあります。スマートフォンが普及後期を迎えており、携帯会社も積極的にフィーチャーフォンを販売していません。
こうした現状において、携帯電話会社はサポートを充実させスマートフォンからの脱落者を出さない施策に取り組む一方で、スマートフォンからこぼれた層の受け皿を充分に用意しているとは言いにくい状態にあるためです。
携帯会社がスマートフォンのサポート体制を強化する背景には、それだけサポートしなければならない利用者がいる、という裏返しでもあります。
フィーチャーフォンからスマートフォンへ乗り換えたものの、毎月の請求額が高くなったことへの不満を抱えている利用者や、スマートフォンを使いこなせない、もしくは一度は使ってみたものの使う必要がないことがわかったユーザーだっている、ということです。また、スマートフォンへの移行を嫌い、古くなった折りたたみ型携帯電話を大事に使い続けている利用者もいるでしょう。
このような利用者が、電話番号を変更することなく、比較的安価に通話できてわかりやすい料金設計のウィルコムに流れる可能性があります。かつては、若い世代を中心に「コム」の相性で親しまれてきたウィルコムのPHSですが、コミュニケーションはLINEなどの登場で大きく様変わりし、若い世代の多くはスマートフォンへと羽ばたいていきました。
現在のウィルコムは、シンプルな通話端末として、幅広い利用者を抱えており、データはスマホ、通話はウィルコムといった使い方も珍しいものではありません。10月まではまだ間があるため、その前に携帯会社側も対策を練りそうなところではありますが、ユーザーにとっては自分の利用スタイルを見直す良いきっかけになりそうです。
なお、10月1日には、携帯電話会社とウィルコムとの間でSMSのやりともできるようになる予定。
