NHK・Eテレで放送された『いじめノックアウトスペシャル』に出演したAKB48のメンバーが、過去のいじめ体験を明かした。いじめの“四層構造”のうち傍観者の存在が大きな鍵を握ると解説されると、高橋朱里が「いじめている自覚は無かった」と傍観者の立場にいたことを証言する場面もあった。また佐々木優佳里はいじめを受けた体験を、涙ながらに告白している。メインMCの高橋みなみもそうしたAKB48メンバーや出演した若者たちの体験を聞きながら「大人は根本的に変わらないかも」、「大切な人との出会いは必ずあるから諦めないでほしい」と本音を語った。

NHKによるいじめを考えるキャンペーン『いじめ、なにソレ?というほうへ。〜100万人の行動宣言で“空気”を変えよう〜』を取り上げた『いじめをノックアウトスペシャル』が9月7日に放送された。

“100万人の行動宣言”は「いじめに何かをしてみる10日間」として、いじめゼロに向けた行動宣言を子どもから大人まで広く募集する取り組みだ。教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹氏も、このNHKの取り組みについて「行動に移すとは、これはすごい!」と賛同している。

番組からいじめについて質問された尾木ママは、森田洋司氏による“いじめの四層構造”を基に「いじめが起きる瞬間は被害者、加害者、観衆、傍観者が存在する」と切り出した。英国やオランダでは中学生になると“傍観者”から“いじめを止める”側に意識が変わる者が増えるのに対して、日本では中学生を過ぎても傍観者が増え続ける傾向にあるという。「これは同調圧力によるもので、1人になるのが怖いから起きる。女子がみんなでトイレに行ったりする心理も同じ」と解説した。

尾木ママはその同調圧力によって、逆に傍観者を減らすことができるというのだ。「だから“100万人の行動宣言”で傍観者が減れば、いじめがなくなる原動力となる」と今回のキャンペーンに期待していた。

そうした考え方を受けて、スタジオではAKB48の“たかみな”こと高橋みなみが結成した“いじめノックアウト隊”の大森美優、佐々木優佳里、高橋朱里、名取稚菜の4人と中高生を中心とした若者たちが交流した。

その中で、AKB48の高橋朱里が傍観者だった自分について赤裸々に語った。中学校1年生の終わり頃だ。「悪い方向にノリがよくなっちゃう時期があって、いじめという自覚はたぶんなかったと思う」、「楽しんじゃうって言い方はよくないけど、止めるという考えがなかった」という状況だったのだ。

なお、彼女は放送後に『高橋朱里 Google+』で「私の言葉足らずで、いじめをしてましたと伝わってしまい、幻滅された方もいたようです。すみませんでした」と伝えているように、番組での発言は傍観者という立場にいたことを話したのであり、彼女が直接いじめをしていたということでは無い。

たかみなは他からもいじめの体験が語られると、「後で振り返った時に、彼や彼女の傷つけた心をもう癒すことはできない。『何でやっちゃったんだろう?』と思うのが一番悲しいことだし、もう戻れない」と話している。

その言葉を聞いて涙ながらにいじめられた体験を明かしたのは、AKB48の佐々木優佳里だった。彼女は「小学生の時に机に“死ね”とか書かれていた」、「中学生の時にも教科書の入っているボックスに悪口を書かれた紙が入っていた」と泣きながら話すと、「やられたほうはずっと心に残っていて、忘れることはできない」と訴えた。

たかみなは佐々木の告白を受けて、「今はこうしてAKBに入って一歩を踏み出している。それが優佳里の強いところ。でも一歩を踏み出せない子もいる」と続けた。そして「放っておくことは誰にでもできる。見てるのは簡単だし、口を出すこともできる。でも行動に移すことが一番難しい。それを100万人がやったら何かが変わる」とキャンペーンの意義を訴えた。