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 2023年放送のドラマ「セクシー田中さん」(日本テレビ系)で起きた原作改変をめぐる問題。原作者が命を断つまでに至ったこの事件は世間に衝撃を与えた。その波紋は一般視聴者だけではなく、ドラマ業界や出版業界の作り手側にも大きく広がった。

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 騒動から1年半が経ち、徐々に変化が起きているという。ドラマ業界内で何が起きているのか。内部事情を業界関係者に聞いた。

■民放ドラマでの“原作もの”が急激に減少

「以前と比べ、漫画や小説の原作ものドラマが減ってきたように感じられます。配信や深夜帯ではまだ原作ものが優勢ですが、多くの目に触れる地上波民放のゴールデンタイムは潮流が変わりました。

 制作会社や局からの企画募集でも、かつては『ドラマ化されそうな原作を紹介してほしい』『原作ものを念頭に企画書を作ってほしい』という文句が当たり前でしたが、ぱたりと消えた。原作ものを扱う際は慎重にという雰囲気が徹底されているようです」(業界関係者、以下同)

 実際に地上波民放のゴールデンタイム枠では、原作ものドラマが減少。2023年秋は約4割近くを占めていたが、2026年7月期はわずか2本のみ。その穴を埋めるように、オリジナル作品が急速に増加している。

 そのため、これまでとは違う制作体制が作られつつあるという。

■原作→ドラマ化ではなく、ドラマ化ありきの体制に

「オリジナル作品の増加と同時に、プロデューサー主導でチーム制により脚本を執筆するドラマが増えています。『3000万』(NHK)や『VIVANT』(TBS系)のような体制ですね。

 また、ドラマ化を前提とした原作作りも動き始めています。WEBTOONや小説で、テレビ局や制作会社がはじめから関与するかたちです。WEBコミックの製作にテレビ局の名前が入っているケースも見受けられるようになりました。つまり、『完成した作品をドラマ化する』のではなく、『ドラマ化ありきで原作を作る』という流れが出てきているんです」

原作者や読者には良い傾向だが「懸念点」も

 この変化を脚本家はどう受け止めているのか。

「野木亜紀子氏(52)や吉田恵里香氏(38)らのように原作ものを通じて評価を確立し、人気脚本家となった人もいますが、オリジナルを書きたい監督や脚本家には良い流れです。今泉力哉氏(45)の監督・脚本でコアな人気を博した『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系)のように、斬新なアイデアが採用されやすくなった。

 ただし、課題もあります。チーム制の脚本は個々の筆力の鍛錬や実力の発揮に向いていないため、今後の業界の未来に疑問が残ります」

 一方、原作もの自体はどうなっているのか。

「テレビドラマの原作に採用されるのは、時間をかけて丁寧に作ることができる有名作か、やむを得ない改変でも制作に委ねてくれる作品かに二極化しています。

 ほか主戦場となるのはニッチな層を狙った深夜ドラマやサブスク、ショートドラマ。そこでは新人脚本家が担当することが多い。結果として、“原作改変”と言われるような大胆なオリジナリティーある展開が生まれにくくなった。

 作家性を発揮しようとしても、ディレクターやプロデューサーの段階で調整が入ります。これは大幅な改変を好まない原作者や読者にとっていい流れになっているとも言えます」

 しかし、その裏で新たな問題が生まれているという。

「原作ものが少なくなったことで出版社側には焦りも見えます。出版社側からのプッシュや出資で企画が進むことも増えています」

 本が売れないこの時代、原作ものの減少は出版社にとって痛手となるか。

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