バンス氏、エプスタイン問題に関しては「陰謀論者」 番組内で自ら告白

(CNN)米国のバンス副大統領は今週、至る所に姿を見せている。FOXニュース、CNN、NBCなどの各局に出演し、2028年大統領選に向けた準備として新刊の回顧録の宣伝に余念がない。
そうした中でも、ABCの「ザ・ビュー」への出演は特別なものだった。
この昼間のトーク番組の出演者はトランプ政権の批判者たちで占められているため、バンス氏にとっては敵地だ。
またトランプ大統領の連邦通信委員会(FCC)が、複数の面でABCとその親会社ディズニーに圧力をかけていることから、政治的にも緊張感のある場となった。圧力の中には「ザ・ビュー」に対する調査の開始も含まれる。
FCCによる調査は、16日午前のバンス氏の出演中には話題に上らなかった。しかし、それ以外にも物議を醸す問題が数多く取り上げられた。具体例を以下に示す。
・バンス氏は自身について「エプスタイン問題に関しては率直に言って一種の陰謀論者だ」と明言。性犯罪で起訴され、勾留中に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏の情報を巡り、政府が「完全な透明性」を提供することを望んでいると語った。
・バンス氏は、トランプ氏の「インフレが大好きだ」という最近の発言を正当化しようとし、「彼(トランプ氏)が言いたかったのは、戦争が終わればインフレ率が低下する、その事実に好感を抱いているということだ」と説明した。これに対しジョイ・ベハー氏は、「あなたは彼の通訳? それとも副大統領? いい加減にして」と問いかけた。
・ウーピー・ゴールドバーグ氏が政権の少数派に対する扱いについて追及すると、バンス氏は「我々の政治連合は誰でも歓迎する」と主張した。
全体として、バンス氏は政権の実績を擁護し、共同司会者たちからのいくつかの批判を受け流した。時には緊張感のある場面もあったが、対立する意見を持つ人々の間で交わされた会話としては概(おおむ)ね礼節が保たれており、トランプ時代の米国のテレビでは極めて珍しい内容だった。
バンス氏は「生活費高騰の問題」について言及し、「まだやるべきことはたくさんある」としながらも、「進展はしていると思う」と述べ、共和党でおなじみの主張を繰り返した。
エプスタイン氏の話題では、マギー・ハーバーマン氏とジョナサン・スワン氏が近日刊行予定の著書「Regime Change」で伝えた内容を認めた。それはホワイトハウス首席補佐官のスージー・ワイルズ氏が非公式の場でバンス氏を陰謀論者と表現していたというものだ。
バンス氏はワイルズ氏のことは好きだと示唆しつつ、エプスタイン氏の件に関してワイルズ氏が自分を陰謀論者だと考えているのは「間違いない」と述べた。
「なぜなら、明らかな性的捕食者だったこの人物が、極めて裕福な多くの権力者たちと付き合っていたというのはとんでもない話だと思うからだ。これは本当に気がかりだった。もちろん、実際に何があったのかは分からない。その場にいない限り、何があったか正確に分かる人はいないだろう。それでも本当に気がかりだったので、この問題では完全な透明性を求めた」(バンス氏)
共同司会者たちがトランプ氏とエプスタイン氏の過去の関係を指摘すると、バンス氏は再三反論。両氏が友人関係にあったのは「1980年代のことだった」と示唆したがこれは誤りで、実際にはその親密な関係は90年代を通じて記録されている。
米連邦捜査局(FBI)の文書によると、2000年代半ばに警察がエプスタイン氏の捜査を開始した際、トランプ氏はパームビーチ警察署に電話をかけ、「彼を止めてくれて本当にありがたい。彼のやっていることは、誰もが知っていた」と述べたという。
バンス氏はこの電話について、「トランプ氏は彼(エプスタイン氏)を警察に密告し、それが最終的にジェフリー・エプスタイン失脚のきっかけとなった」と説明した。しかし実際には、その時点で捜査はすでに進行中だった。
もう一つの注目すべきやり取りでは、ゴールドバーグ氏がトランプ政権の有色人種に対する扱いについて、関連する博物館展示の撤去などに言及しながら「一体、黒人が何をしたというのか」と質問した。
共同司会者のサニー・ホスティン氏も、「黒人の歴史が公共の場から消されつつある。黒人有権者の選挙区は解体され、黒人の指導者たちは我々の仲間から排除されている。こうした構想の中で、有色人種の米国人はどこに位置づけられるのか」と問いかけた。
バンス氏は直接的な回答は避けたものの、現政権は連合に属するすべての人々を歓迎しており、「あらゆる歴史を祝福している」と主張した。
バンス氏による新刊本「Communion」の宣伝活動は効果を上げているようだ。16日の発売日、同書はアマゾンの随時更新される新刊ベストセラーランキングで一気に第1位に躍り出た。第2位は前出の「Regime Change」で、こちらは来週発売予定だ。
