転職時に「200万」の“サインオンボーナス”をもらい「年収900万円」にアップ!しかし妻は“児童手当”と“保育料”を心配しています。年収が上がったことで損することはあるのでしょうか?
サインオンボーナスは年収に含まれる?
サインオンボーナスは、入社時や転職時に会社から支払われる一時金です。名称は会社によって異なりますが、入社後に給与や賞与として支払われる場合は、通常の給料や賞与と同じく課税対象となり、給与所得として扱われるのが一般的です。
一方で、入社前に契約金や支度金のような形で受け取る場合は、雑所得として扱われるケースがある点に注意が必要です。
給与とは別に支払われるサインオンボーナスも、会社から受け取る報酬である以上、給与や賞与と同じように扱われるのが一般的です。つまり、給与明細や源泉徴収票に載る形で支払われた場合、その年の給与収入に含まれます。
例えば、通常の年収が700万円の人が、転職時に200万円のサインオンボーナスを受け取ると、その年の給与収入は900万円程度になります。ただし、税金や保育料の計算では、900万円がそのまま基準になるわけではなく、給与所得控除などを差し引いた所得や住民税額をもとに判断されます。
また、賞与には所得税や社会保険料もかかります。社会保険料は、税引き前の賞与額から1000円未満を切り捨てた「標準賞与額」をもとに計算されます。そのため、サインオンボーナスとして提示された金額を、そのまま全額受け取れるわけではありません。受取額は、税金や社会保険料を差し引いた後の金額になる点にも注意しましょう。
児童手当は年収が上がっても基本的に変わらない
妻に「児童手当に影響しない?」と言われた場合、まず確認したいのは制度改正です。2024年10月分から児童手当は拡充され、所得制限が撤廃されました。そのため、サインオンボーナスで一時的に年収が大きく上がっても、それを理由に児童手当が止まる心配は基本的にありません。
以前は、所得が一定額を超えると児童手当が減額されたり、支給されなかったりする仕組みがありました。そのため、「年収が上がると児童手当が支給されなくなるのでは」と不安に感じる方もいるでしょう。しかし、現在は所得制限が撤廃されているため、高所得の世帯でも児童手当の対象になります。
ただし、子どもの年齢や人数、申請状況によって支給額は変わります。特に、制度改正により高校生年代まで対象が広がったため、これまで受給していなかった家庭では、新たに申請が必要になる場合があります。年収だけを気にするのではなく、自治体からの案内を確認し、申請漏れがないようにしましょう。
保育料は翌年度以降に上がる可能性がある
一方で、保育料は児童手当とは扱いが異なる点に注意が必要です。サインオンボーナスによって住民税が上がると、保育料に影響する可能性があります。
認可保育園や認定こども園、小規模保育などの保育料は、自治体が定める基準に基づき、世帯の市区町村民税所得割額をもとに算定されるのが一般的です。そのため、住民税が上がると保育料の階層も上がる可能性があります。また、4月から8月分は前年度、9月から翌年3月分は当年度の住民税を使って算定する仕組みが一般的です。
2026年にサインオンボーナスを受け取った場合、保育料がすぐに上がるとはかぎりません。その年の所得は翌年度の住民税に反映されるため、保育料が上がるとすれば、一般的には2027年9月以降になります。ただし、自治体によって扱いが異なる場合があるため、詳しくは住んでいる自治体の保育料表を確認しましょう。
なお、すべての家庭で保育料が上がるとはかぎりません。保育料は住民税額に応じて段階的に決まるため、すでに上限階層にいる場合は、住民税が上がっても金額が変わらないことがあります。また、3歳から5歳児クラスは幼児教育・保育の無償化の対象になるため、影響が出やすいのは主に0歳から2歳児クラスです。
ただし近年は、自治体独自で0歳から2歳児クラスの保育料無償化や、負担軽減策を拡充しているケースもあります。目黒区では、令和7年9月から年齢や課税状況にかかわらず、第1子から保育料が無償化されています。そのため、住民税が上がった場合に実際の負担が増えるかどうかは、お住まいの自治体で最新の制度を確認することが大切です。
一時的に年収が上がったら、保育料と住民税を確認しよう
サインオンボーナスをもらった年だけ年収が大きく上がっても、現在の児童手当は所得制限が撤廃されているため、基本的に児童手当が減額されたり、受け取れなくなったりする心配はしすぎなくてよいでしょう。
ただし、保育料は住民税をもとに決まるため注意が必要です。サインオンボーナスが給与や賞与として扱われると、翌年度の住民税が上がり、保育料の階層も上がる可能性があります。源泉徴収票と自治体の保育料表を確認し、家計への影響を早めに把握しておきましょう。
出典
国税庁 No.2523 賞与に対する源泉徴収
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
目黒区 区市町村民税所得割額(保育料階層)の確認方法
こども家庭庁 幼児教育・保育の無償化
目黒区 (令和7年9月から)第1子の保育料無償化など子育て世帯の負担軽減策を拡充します
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
