麻しん(はしか)患者が感染可能期間に東京ドーム利用、都が公表:周囲への影響と注意したい症状は?
「最近また麻しん(はしか)のニュースを見かけて不安」という人も多いのではないでしょうか。2026年5月22日、都内で麻しん患者の発生を確認したと東京都は発表しました。患者さんは感染の可能性がある時期に東京ドームを利用していたことも明らかになっています。感染力が強いことで知られる麻しんについて、症状や注意点を含め吉野先生に伺いました。
監修医師:
吉野 友祐(医師)
広島大学医学部卒業。現在は帝京大学医学部附属病院感染症内科所属。専門は内科・感染症。日本感染症学会感染症専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医。帝京大学医学部微生物学講座教授。
東京都が発表した内容とは?
編集部
東京都が発表した内容を教えてください。
吉野先生
東京都は2026年5月22日、都内で麻しん患者の発生が確認されたと発表しました。患者は20代女性で、2026年5月11日に発症し、発熱や発疹、コプリック斑(口腔内粘膜に発生する白い斑点)などの症状がみられたということです。女性には海外渡航歴があり、ワクチン接種歴は1回とされています。また、2026年5月13日17時~21時30分頃まで東京ドームを利用していたことがわかりました。都は、同じ時間帯に施設を利用した人に対し、発熱や発疹、せき、鼻水、目の充血などの症状が出た場合は、事前に医療機関へ連絡したうえで受診するよう呼びかけています。
テーマになった疾患とは?
編集部
今回のテーマに関連する麻しん(はしか)について教えてください。
吉野先生
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって起こる感染力の強い急性ウイルス感染症です。感染力はインフルエンザの約10倍ともいわれています。手洗いやマスクだけでは予防が難しく、ワクチン接種が有効とされています。初期には38~39℃の発熱やせき、鼻水、結膜炎など風邪に似た症状が表れ、口の中にコプリック斑が見られることがあります。その後、40℃前後の高熱とともに赤い発疹が全身へ広がります。肺炎や脳炎など重い合併症を引き起こすこともあり、回復後もしばらく免疫力が低下することが知られています。
発熱や発疹など気になる症状がある場合は早めに医療機関へ相談し、感染拡大を防ぐ行動を心がけましょう。
内容への受け止めは?
編集部
都が発表した内容への受け止めを教えてください。
吉野先生
今回の都の公表は、特定の施設を問題視するものではなく、感染の可能性がある時間帯に同じ場所を利用した人に対して、体調変化に注意してもらうための重要な情報提供と受け止めています。麻しんは空気感染を起こし、発疹が出る前から周囲に感染させる可能性があるため、本人が麻しんと気づかない段階で感染が広がることがあります。2026年5月13日17時~21時30分頃に東京ドームを利用された人は、発熱、発しん、せき、鼻水、目の充血などの症状に注意してください。もしこれらの症状が出た場合には、直接医療機関を受診するのではなく、必ず事前に電話で「麻しんの可能性があること」と「当該時間帯に東京ドームを利用したこと」を伝え、受診方法について指示を受けることが大切です。また、受診時には公共交通機関の利用も避けるべきです。
予防で最も重要なのは、麻しん含有ワクチンの接種歴を確認することです。特に接種歴が1回のみ、または不明な人は、母子健康手帳などで確認し、必要に応じて医療機関や自治体に相談してもらいたいと思います。
編集部まとめ
麻しんは現在も国内で感染報告が続いており、特に人が多く集まる場所では注意が必要です。発熱や発しんなど気になる症状がある場合は無理に外出せず、早めに医療機関へ相談することが大切です。予防において大切なのは、手洗いやマスクだけではなく、ワクチン接種歴の確認です。ワクチンを2回接種しているかを確認し、不明な場合や接種が不十分な場合は、状況に応じてかかりつけ医や自治体に相談しましょう。
