朝倉海が炸裂した戦慄の鉄槌に米震撼 参戦2連敗→バンタム転向で“崖っぷち”の日本人が挙げたUFC初勝利の価値「これがUFCと契約した理由だ」

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スモザーマンを秒殺で打ち破り、待望のUFC初勝利を飾った朝倉(C)Getty Images

 日本人ファイターは、戦慄のフィニッシュワークで快哉を叫んだ。

 現地時間5月30日、世界最高峰の総合格闘技団体「UFC」のマカオ大会がマカオ・ギャラクシー・アリーナで行なわれ、元RIZINバンタム級王者の朝倉海がキャメロン・スモザーマン(米国)と対戦。フライ級からバンタム級に転向した初戦で、1回1分50秒でKOという特大のインパクトを残す内容で、UFC初勝利を飾った。

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 待ちに待った瞬間はついにやってきた。開始早々に繰り出したカーフキックと軽いジャブで、相手との距離感は掴んだ朝倉は、すかさず強烈な右フックで相手をグラつかせると、ケージに追い込んでから左フックでダウンを奪取。ここで一気に畳みかけ、鉄槌を落としたところでレフェリーが試合を止めた。

 スモザーマンが目を見開いたままフラッシュダウン(瞬間的な失神)をする電光石火の猛攻で勝利を掴み取った朝倉。試合後のフラッシュインタビューでは「この試合で自分がどれだけ強いかを証明したかった。それを見せることができて良かった」と目に涙を浮かべながら吐露。その言葉には、相当な覚悟が滲んだ。

 2024年6月に「必ずチャンピオンになってきます」と語り、保持していたRIZINバンタム級王者ベルトを返上して向かったUFCの檜舞台。しかし、その壁は厚かった。同年12月に迎えたデビュー戦は、元世界王者アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)とのタイトルマッチという好待遇だったが、2回一本負け。そして、昨年8月のティム・エリオット(米国)戦では、2回にギロチンチョークを極められ、無念のタップアウト……。日本で異彩を放ったカリスマの姿は、そこになかった。

 3連敗は契約解除の対象となりえる危険水域。ゆえに階級を変えた今戦は、文字通りの崖っぷち。負けは、ある意味で「クビ」と同様だった。

 もうオクダゴンで悔いは生まない。だからこそ、朝倉は序盤からはアグレッシブに攻め抜いた。間髪を入れずに、矢継ぎ早に追撃を放っていくがむしゃらな姿は、UFCデビューからの過去2戦にはなかったものだった。

 そんな変貌を見せた32歳には、MMAの本場である米国のメディアも高い評価を下している。専門サイト『MMA Junkie』のダニー・セグーラ記者は「カイ・アサクラのスピードとパワーは桁外れだよ。今夜は素晴らしいKO勝利だった。これこそがUFCが彼と契約した理由だ」と絶賛。さらに専門サイト『MMA Fighting』も「アサクラが帰ってきた。容赦なく攻め続けた彼の勝利は、そのキャリアにとって大きな転機となるはずだ」と期待を寄せた。

 過酷な舞台で勝利に飢えていた元王者が挙げたUFCでの1勝。もがいてきた朝倉にとって、その価値は計り知れない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]