【韓国】「予見された人災」ソウル高架崩落に地域住民の憤り ずさんな安全管理、警告届かず

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5月26日午後2時32分。轟音とともに、58年の歳月を耐え抜いてきたソウル・西小門(ソソムン)高架道路が崩落した。来月初めの撤去完了を目前にして起きた惨事だった。

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崩れ落ちた高架道路の鉄骨が無残に露出し、救急隊や警察が慌ただしく行き交う現場は、一瞬にして修羅場と化した。

しかし、惨劇の現場で耳にした住民たちの声には、驚きよりも「来るべき時が来た」という諦めと怒りが色濃くにじんでいた。住民たちは一様に「予見できた事故だった」と口を揃えた。

事故現場の目の前にある食堂で働く60代の女性Aさんは、遅い昼食を食べている最中に慌てて外に飛び出した。救急車のサイレンが鳴り止まぬ現場を見つめながら、彼女はこう打ち明けた。

「毎晩のように行われていた撤去工事で騒音と埃がひどく、苦情が絶えなかった。線路の上にある高架を撤去するという高度な作業にもかかわらず、現場の安全管理がずさんで、いつも不安を感じていた」

不安を抱いていたのはAさんだけではない。近隣の別の食堂で働く30代の店員Bさんは、わずか2日前に現場の管理所長を直接訪ねて抗議したという。

「ここはいつ事故が起きてもおかしくない場所だった。撤去という大規模な工事をしながら、地元住民には何の説明もなく、説明会を南大門(ナムデムン)で開いたという呆れた話まで聞いた」

彼の言葉からは、現場を軽視したお役所仕事に対する根深い不信感が感じられた。

ソウル・西小門高架道路事故現場(写真=時事ジャーナル)

住民たちが最も懸念していたのは、振動と不十分な現場規制だった。

中林洞(チュンニムドン)の住民である40代の女性Cさんは、「数年間にわたって工事が放置されているような状態で、現場にはせいぜいカラーコーンが数個置かれているだけだった」と指摘した。

列車が踏切を通過するたびに遮断機が上下するだけ。毎日行き交う列車が発する激しい振動が、老朽化した高架道路に悪影響を及ぼすことは、専門家でなくても住民の目には明らかだったという。

住民の懸念は、ついに惨劇となって現実のものとなった。

当局によると、事故当時、現場には計13人がおり、そのうち7人は無事に避難した。避難が遅れた6人のうち、60代の現場管理所長、60代の監理団長、50代の外部専門家の3人が死亡。残りの3人のうち1人が重傷、2人が軽傷を負った。

現場には62人の人員と16台の機材が緊急投入され、ユン・ホジュン行政安全部長官は、利用可能なあらゆる人員と機材を動員して人命救助に当たるよう指示した。

事故の影響は都心の交通網の麻痺へとつながった。

高架の残骸が線路を覆ったことで、韓国鉄道公社(KORAIL)のソウル駅〜新村(シンチョン)駅区間の列車運行が全面中断された。西大門(ソデムン)区も安全案内メールを通じ、西大門駅から警察庁前までの区間の道路を規制し、迂回を呼びかけるなど、事態の収習に追われた。

1966年に建設された西小門高架道路は、地下鉄2号線の忠正路(チュンジョンノ)駅と市庁(シチョン)駅を結ぶ全長335メートルの主要幹線道路で、1日4万台以上の車両が通行していた。

しかし、2019年の精密安全診断でD等級(安全性不足)の判定を受けたのに続き、2021年には床版の脱落、2024年には梁(はり)のコンクリート剥離など、腐食と損傷が相次いだ。

ソウル市は単純な補修では安全管理に限界があると判断し、昨年9月20日から全面撤去に踏み切ったが、結局、最終段階で惨劇を防ぐことはできなかった。

「普段は知らんぷりをしているくせに、いざ事故が起きると政治家たちが慌てて駆けつけてくる。これほど無責任なことがあるか。今回の件は選挙の票にも影響せざるを得ないだろう」

飴細工のように曲がった58年前の鉄骨が線路を覆う修羅場に、救急車のサイレンだけが虚しく響き渡った。

数カ月前から崩落の危険を訴えてきた住民たちの切実な警告は、立ち込める土煙の中、崩れ落ちたコンクリートの山の下に虚しく埋もれていった。

(記事提供=時事ジャーナル)