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 ◇セ・リーグ 広島2─6中日(2026年5月22日 バンテリンドーム)

 広島・名原典彦外野手(25)が22日の中日戦で「8番・右翼」で初出場初先発。7回の適時三塁打を含め2安打1打点と上々のデビューを飾った。21日に支配下登録されたばかりで、早くも巡ってきたチャンスで輝いた。試合には敗れたもののチームの巻き返しに楽しみな若ゴイが現れた。

 名原が、初先発で存在感を示した。5回1死一塁で迎えた第2打席に、柳のカーブを中前へはじき返して初安打を記録すると、0―4の7回2死一塁では右中間へ適時三塁打。チームに初得点をもたらし、ガッツポーズも飛び出した。

 「必死にやっていたので、あまり覚えていないですけど、まずは安打を打てて良かった。もう必死に、気合と根性でという感じでした」

 ユニホームが間に合わず、背番号121のままで初出場を迎えた。先発を伝えられたのは、試合開始3時間前のミーティングだった。新井監督からは「気合と根性や」と熱い言葉で送り出された。プレーボールがかかる前は緊張した面持ちだったが、いざグラウンドに立つと「緊張とかも感じないぐらい必死だった」とスイッチが入ったといい、がむしゃらさ全開だった。支配下登録された21日の会見で「駆け回る姿を見てもらいたい」と語った通り、2安打1打点の活躍。いきなり有言実行してみせた。

 崖っ縁の中、はい上がってきた。育成3年目の昨年4月上旬には左膝の裂傷で12針縫う大ケガを負い、2カ月以上戦列を離れた。シーズン終盤は2軍の遠征からも外れ、気持ちが切れそうになったこともあったが「家族の励ましに支えられた」と感謝する。

 育成再契約を結び、ラストチャンスと位置付けた4年目。武器とする守備、走塁だけでなく、「打撃もレベルアップしないと出番も限られてくる」と昨オフから肉体改造に励んできた。ウエートトレーニングを中心に、1回の食事の量も従来より増やして体重6キロの増量に成功。87キロとなった肉体を生かし、この夜はバットで成長を示した。「とにかく気持ちだけは負けないようにという感じだったが(この日の結果は)今後の打席にもつながると思う」

 若ゴイの鮮烈なデビューに新井監督も目を細めた。「大したもんだね。本当にいいものを見せてもらった。最近の若い子には足りないハングリー精神を持っている。がっついてアピールしてほしい」

 敗戦の中で、明るい材料が見つかった。名原が、逆襲に向けて新たな風を吹き込む。 (長谷川 凡記)

 ◇名原 典彦(なばら・のりひこ)2000年(平12)6月24日生まれ、広島県出身の25歳。瀬戸内では3年春に甲子園出場。青森大を経て22年の育成ドラフト1位で広島入団。3年目の25年オフに戦力外通告の後、育成再契約。今季5月21日に支配下登録された。1メートル82、82キロ。右投げ右打ち。