期待が高まった“韓国のメッシ”が落選 バルサにいた元天才少年に突き付けられたW杯メンバー漏れの現実「最後まで無視された」

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韓国代表の10番も背負った経験もあるイ・スンウ。しかし、かつての神童はワールドカップのメンバーからは漏れた(C)Getty Images

 去る5月15日に日本代表の森保一監督は、来月に開幕する北中米ワールドカップ(W杯)に挑むメンバー26人を発表。長友佑都の5度目の選出、そして直前に左ハムストリングを痛めた三笘薫の無念の選外など、さまざまな話題が列島を沸かせた。

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 ただ、W杯のメンバー選考における“ドラマ”が起きたのは、日本だけではない。翌16日に正式発表に至った韓国代表でも、ある選手の落選が論争となった。

 同国のレジェンドでもあるホン・ミョンボ監督が率いる精鋭軍団は、11大会連続12度目の出場となる今大会も多士済々。大黒柱であるソン・フンミンを筆頭に、イ・ガンインやキム・ミンジェ、ファン・ヒチャンなど海外組を中心とした選考に至った。

 しかし、発表直後から一部のメディアやファンから疑問視されたのが、かつてバルセロナのカンテラ(下部組織)に在籍した経験を持つイ・スンウの選外だった。

 かつて“韓国のメッシ”と持て囃されるなど、将来を嘱望されたイ・スンウ。2017年のバルサ退団後は、欧州3か国3チームを渡り歩くも鳴かず飛ばず。2022年に水原FCで母国復帰。1年目からシーズン14ゴールを挙げて復活を印象付けていた。

 28歳となった今季もKリーグでは好調を維持。14試合で3ゴール、1アシストを記録。さらに毎節のベストイレブンにも4回も選出されるなど、国内で声価は急騰。かつてほどのスピードはなくなったものの、緩急を利したドリブルは磨きがかかり、個で状況を打開できるスーパーサブとして代表選出が期待された。

 しかし、結果は落選。ホン・ミョンボ監督は「代表として長く貢献していた部分が重要だった。私が一緒に作り上げてきた組織的な部分を無視できなかった」と説明。短期決戦においてポイントとなるチームケミストリーに重きを置いた選考であるとした。

 そもそも今回の韓国代表における国内組は、7人。そのうち5人がGKとDF。攻撃的MFを含めた前線は海外組が占めている。そうした編成を見るに、イ・スンウは地力不足と見られた感もある。

 だが、Kリーグで異彩を放つ天才に期待を寄せていた国内メディアでは、落選を嘆く声が噴出した。韓国のスポーツメディア『OSEN』は「ホン・ミョンボ監督はサプライズ抜擢の代わりに、確実に計算ができる選手たちに心血を傾けた」と今回のメンバーを分析。その上でイ・スンウの落選を「最も残念。彼はKリーグで最高クラスの選手に仕上がっていた」と強調した。

「ホン・ミョンボの頭に彼の存在は毛頭なかった。指揮官は既存のメンバーによる組織力を優先したのだ。かつて『韓国サッカーの未来』と言われた男は、2列目からの飛び出しとドリブル能力で守備を切り裂くことができる数少ない選手だ。スーパーサブとして試合の流れを一気に変えうる個人技を持つ選手という点で、他の誰ともタイプが異なる。ジョーカーとして彼ほど機能する選手はいないが、最後まで無視された」

 サプライズによる話題性よりも確実な組織づくりを重視した韓国。はたして、その決断は吉と出るか、否か。現地時間6月12日に迎えるチェコ代表とのグループ初戦から目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]