新たな海のレジャー「魚突き」人気の陰でトラブル多発 船と接触事故も 「自治体のルールがバラバラ」も一因か
魚をもりなどで突いてとる「魚突き」が新たなレジャーとして人気を集める中、漁業関係者とのトラブルが多発している。鳥取県は2026年度から氏名や連絡先を文書で提出するよう求める試みを開始するなど、安全対策のルール作りに着手している。
遊覧船と接触、男性が指を骨折
番組が向かったのは、鳥取県の東に位置する岩美町。
日本海に面したこの町には、県内では数少ない砂浜と岩礁が混じった海岸があり、豊富な海の幸に加え、シュノーケリングなど海のレジャーも楽しめるスポットだ。
この町の沖合で2025年7月、魚突きをしていた男性と遊覧船が接触する事故が起きた。男性が足の指を骨折したこの事故は、なぜ起きたのか。
遊覧船の船長は、当時の状況を次のように話す。
遊覧船の船長:
(現場は)そこを通らないと島巡りには行けないという出入り口だった。魚突きが1人いたのが見えたので、(見失わないよう)ゆっくり走行して、気をつけながら走らせてはいたのだが、その自分が見つけた1人とはまた別の1人が潜っていて(接触した)。
船の航路で魚突きを行っていたため、気づくのが遅れたとみられている。
海に潜り、やり状の道具で魚を突いてとる魚突きは、新たなレジャーとして近年人気になっている。
ただし鳥取県では、先端や持ち手の部分が完全に手から離れるモリや、水中銃の使用は全面的に禁止となっている。
自治体ごとにルールがバラバラ・・・
今回の事故を受け、鳥取県は安全対策のルール作りに着手した。
2026年度から、手に持って魚を突くヤスを使う場合には、氏名や連絡先などを文書で提出するよう求める試みを開始した。
さらに魚突きを楽しむ際の注意点をまとめた動画をネット上で公開し、新たなトラブルの回避に努めている。
鳥取県漁業調整課・太田武行課長補佐:
一番船が行き交うところで魚突きをやられたりとか、危ないのでこういったところでやらないようにと。あとは(潜る際には)目印、フロートと呼ばれるブイや旗を立てたりするが、そういったものを使ってくださいというお願い事項を盛り込んだ。
魚突きの魅力と重要性を広めようと活動する団体の代表は、使える道具が管轄の自治体によってバラバラな状態であることなどが、トラブルの一因だとしている。
一般財団法人GREEN spearfishers・元起大智代表理事:
(自治体によって)ルールは今ちょっとフワフワしたような、あるような、ないような。ちゃんと漁業者と遊漁者が建設的に話をできる場を設けて、お互いに事故が起きないように。持続的に遊漁も漁業も未来に続けていけるようなレギュレーションを決めて、ルールを守りながらレジャーと漁業の共存共栄を目指したい。
各地の海岸でも起きている、魚突きをめぐるトラブル。各自治体のルールを確認するとともに、地元の漁業関係者とコミュニケーションをとることが、魚突きを楽しむ秘訣かもしれない。
(「イット!」5月8日放送より)
