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リズムに合わせて太鼓を叩く人気の音ゲー「太鼓の達人」をめぐり、客が無断でヤスリがけをしていたとして、ゲームセンターがXで注意喚起をおこなった。

投稿は拡散され、「なぜヤスリかけるんだよ…」「ヤスリがけってどんな効果があるんだ?」と困惑の声が広がっている。

そもそも、なぜプレーヤーは太鼓にヤスリをかけるのか。知らない人にとっては、にわかに理解しがたい行為だろう。よくプレーしているゲーマーに話を聞いた。

ゲームセンターが「警察に通報」と警告

ゲームセンター「GAME GET-Bee VAL小山店」は4月29日、Xで「【重要なお知らせ】」として、次のように投稿した。

「当店の太鼓の達人に対し無断でヤスリがけを行う行為が確認されました。このような行為は固く禁止しております。今後同様の行為を発見した場合は、直ちに警察に通報いたします。また、本件について名乗り出ない場合、器物損壊・営業妨害として証拠に基づき厳正に対処いたします」

●「意味がわからない」困惑の声も

この投稿には、ヤスリがけという行為自体に驚く声が相次いだ。

太鼓の達人」をよく知る層と、そうでない層との間で、反応の温度差もみられる。

「意味がわからない」と純粋に困惑する人がいる一方、「ガチ勢の一部にそういう調整をする人がいるという噂は前から聞く」といった反応も寄せられていた。

●「叩きやすさ」を求めて? ゲーマーが語る実態

太鼓の達人」を長年プレーするゲーマーのKさんは、弁護士ドットコムニュースの取材に、次のように説明する。

太鼓の達人」では、太鼓の面と縁の2カ所をバチで叩くことによって、ゲームを進めていく。広い面を叩くと「どん」と鳴る。縁(ふち)の部分を叩くと「かっ」と鳴る。

Kさんによると、「太鼓の白い面にヤスリがけをする。ヤスリがけをして面を薄くすることで、バチの打撃への反応が向上しやすくなる」という。

また、「白い面の下が木になっていて、白い面を薄くすれば、その木の反発を強く感じられる」とのこと。

ゲーマーの中には、自前の「マイバチ」を持参する人も少なくなく、操作性や反応速度を重視していることがうかがえる。

Kさんはこれまで、高得点を狙うために、ヤスリがけをしているゲーマーを見たことはないというが、以前からヤスリがけをするゲーマーの存在は知られていたようだ。

●法的にはどう評価される?

では、ゲームセンターの「太鼓の達人」に無断でヤスリをかける行為は、どんな法的問題があるのだろうか。

まず、太鼓の白い面を削る行為については、刑法上はなかなか評価が難しい。

物を物理的に壊さなくても効用を害すれば、器物損壊罪が成立する可能性があるが、影響が軽微な場合は否定されることもある。削られ方次第といえるだろう。

また、業務妨害罪も、白い面がかなり削られてしまい、早期に交換しなければならないなど、業務に支障が出るほどのものでなければ、成立は難しいと考えられる。

一方、民事面では、店舗は施設管理権に基づき、迷惑客を出入禁止にできる。

それでも入店してきた客には退去を命じることができ、応じなければ不退去罪が成立する可能性もある(刑法130条後段)。

さらに太鼓の面の交換費用などの実損が立証できれば、不法行為(民法709条)に基づき損害賠償を請求することも可能と考えられる。