2027年から「iDeCo」と「企業型DC」の拠出限度額が大幅に引き上げられるって本当!? 「マッチング拠出の制限がなくなる」と聞きましたが、結局どちらを使うのがよいのでしょうか? 併用ルールと選び方のポイントを解説
2026年4月から「企業型DC」における“マッチング拠出”の上限が撤廃に
2025年度の税制改正によって、2026年4月1日から企業型DCにおけるマッチング拠出の制限が撤廃されました。従来、加入者掛金は事業主掛金の範囲内までという制限があり、企業の拠出額を超えることができませんでした。改正により、事業主掛金の範囲内での制限がなくなるのです。
ただし、拠出限度額(法定上限)自体は引き続き存在するため、無制限に拠出できるようになるわけではありません。制度改正の目的は、老後の資産形成を促進するためです。企業型DCの加入者にとっては、拠出額を柔軟に増やせる仕組みに変更されると見てよいでしょう。
iDeCoの拠出限度額が引き上げられ、企業型DCとの合算上限が月額6万2000円に
前述した2025年度の税制改正には、iDeCoの拠出限度額についても大幅に引き上げられることが盛り込まれています。企業年金と共通の拠出限度額は、現行では月額5万5000円とされていますが、これを一本化し、共通拠出限度額を月額6万2000円とすることが決定しました。
この税制改正により、企業年金の有無や制度区分ごとに異なっていた上限が見直され、よりシンプルな体系へ移行する予定です。
現行では、企業年金がある会社員のiDeCoの拠出限度額は原則月額2万円ですが、企業型DCの事業主掛金などとの合算管理により、実際に拠出できる額がこれより少なくなる場合があります。改正後は、企業型DC等との合算管理を前提に、最大で月額6万2000円まで拠出可能となる方向です。
このことから、企業型DCだけでなくiDeCoについても、加入区分や企業年金の状況に応じて拠出余地が広がります。拠出限度額の見直しに関しては、令和8年12月施行予定の見直しにより、実務上は2027年以降の掛金から影響が出ると考えられます。
結局「マッチング拠出」と「iDeCo」どちらを選ぶべき?
制度拡充により、選択肢が広がるマッチング拠出とiDeCoですが、会社の導入状況にもよるため、どちらを選ぶべきかは一概にはいえません。
企業型DC内で完結するため、管理がシンプルかつ手続きが少ない点がマッチング拠出のメリットです。会社側で用意した運用商品のラインナップから選ばなければなりませんが、給与から天引きで自動積立されるため、継続しやすいといえるでしょう。
反対に、iDeCoは金融機関を自由に選択可能で、転職した際も口座をそのまま使用できます。ただし、自分で口座の管理・手続きを行わなくてはなりません。
なお、企業型DCの事業主掛金とiDeCoは併用できますが、マッチング拠出とiDeCoを同時に利用することはできません。そのため、マッチング拠出を利用できる人は、会社の制度内容や運用商品のラインナップ、手数料などを比較したうえで、マッチング拠出とiDeCoのどちらを使うかを選ぶ必要があります。
まとめると、手間を減らしシンプルに運用したい場合はマッチング拠出、商品や運用の自由度を重視するならiDeCoがおすすめといえます。
まとめ
2026年4月からはマッチング拠出の制限が見直され、同年12月施行予定の拠出限度額見直しにより、実務上は2027年以降の掛金から影響が出ると考えられます。今後は企業型DCやiDeCoなどの拠出限度額が月額6万2000円を上限とする体系に見直され、これまでより柔軟な資産形成がしやすくなると考えられます。
どちらを選ぶかは、会社の制度や運用方針、拠出余力によって異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで自分に合った方法を選びましょう。
出典
財務省 令和7年度税制改正の大綱の概要
厚生労働省 2025年の制度改正
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
