“奇妙すぎる同居生活”内縁の夫が母子生活支援施設に3年間潜伏?母親ら外出時はエアコン付けずトイレも流さず…無理心中装い長女(4)殺害疑いで母親逮捕「同居は驚きだが執着するのがDV加害者」

福岡県内の母子生活支援施設で3月に3歳と4歳の姉妹が死亡した事件で、母親(30)が長女を殺害した疑いで逮捕された。さらに、母親の内縁の夫が同施設に3年前から隠れて住んでいたことが判明し、衝撃が広がっている。
ニュース番組『わたしとニュース』では、この事件をめぐるDV加害者の実態や施設側の支援の難しさについて、イラストエッセイストの犬山紙子氏とともに深掘りした。
■無理心中を装った殺人か…施設に3年間潜伏していた内縁の夫

警察によると、3月10日、福岡県内の母子生活支援施設の居室で、30歳の母親と4歳の長女、3歳の次女が倒れているのを施設職員が発見した。娘2人は搬送先の病院で死亡し、母親も首にけがをしていたが命に別状はなかったという。
これについて福岡県警は会見で次のように述べている。
「無理心中を装った2人のお子さんに対する殺人事件であるという可能性が視野に入っている」
警察は22日、4歳の長女の首を電気コードで絞めつけたり、刃物で切りつけたりして窒息させ殺害したとして、30歳の母親を殺人の疑いで逮捕した。警察の調べに「間違いありません」と容疑を認めていて、逮捕前の任意の調べでは次女の殺害もほのめかしていたという。
また、3月の事件の2日後には、内縁の夫(33)がけがをした母親を保護せず置き去りにしたとして、保護責任者遺棄の疑いで逮捕された。
逮捕された内縁の夫(33)は、この母子生活支援施設の居室に3年前から潜伏して住んでいたとみられている。両容疑者の説明から、内縁の夫は3年間の間に居室を出たのは1度だけで、母親らが不在の際には明かりやエアコンもつけず、トイレも流さずに潜んでいたとみられる。内縁の夫は「保護責任者遺棄にはあたらない」と容疑を否認しているという。
児童虐待をなくすための有志チーム「こどものいのちはこどものもの」で活動する犬山氏は、この事件について次のように語った。
「まず本当にこの子どもたちを救えなかったのかという観点で、保育園などに通っていたと思うが、SOSを社会が見つけられなかったのかについては本当に悔しい点。また、心中を装ったとあるが、心中自体が子どもの権利を無視して勝手に殺すという意味で虐待死なのではないかと私は思っている、どのような理由があっても許されるものではない。さらに、今までいろいろな事件を聞いてきた中でも、内縁の夫が保護施設に潜伏していたというのは初めて聞いてすごく驚いたところだ」
■「母子生活支援施設はDV被害者専門の施設ではない」加害者の執着と被害者保護の難しさ

事件の現場となった母子生活支援施設とはどのような場所なのか。ジェンダー論が専門でDV問題にも詳しい中央学院大学の皆川満寿美准教授によると「母子生活支援施設はDV防止法による被害者保護支援施設の1つ。ただしDV被害者専門の施設ではない。厚労省が作っているガイドブックには当然『DV加害者に知られないように配慮を徹底』とあるので、加害者に関して敏感になっていないわけではない」という。
その上で「3年も加害者と同居していたことに驚いている。執着するのがDV加害者。被害について知っている人はそう思う。ここまで執着してしまうという。経緯についてしっかり検証されるべき」と指摘する。
この施設のあり方について、犬山氏は次のように語る。
「今出ている情報の中ではっきりしたことは言えないが、施設を『携帯の持ち込みはダメ』とガチガチにやるべきなのかどうかはすごく難しいところ。シェルターのような場合は、スマホもダメ、場所も絶対に明かさないところもある。それに対して、こういう場所は、例えば仕事を続けながらなど、もう少し自由度の高いところでニーズがあると思う」
「本当に難しいと思いつつ、DV関係にあったということを聞けば、潜伏していたことに対してもさほど驚きはなくなっている。それはDVの性質として執着されるし、共依存のような関係にもなってしまう。私たちはそこをちゃんと知った上で、どうやって共依存の関係にある被害者を守っていくのか、保護するのか。すごく難しく繊細な問題なので、そこは心理士と密接にやっていく必要があるのではないか」
逮捕された母親は、長女、次女とともに3人で施設に入った直後あたりから逮捕された内縁の夫と復縁したのではないかともされ、2人は主従関係にあったという見方もある。ガイドラインや法律を超えた人間同士の関係の難しさが浮き彫りとなっている。
「マインドコントロール下にあるとなると、側から見て『何でそっちに行くの?』という方向にいくこともあり得る。そこまでちゃんとわかった上での、周りの目線(保護)も必要だと思う」(犬山氏)
(『わたしとニュース』より)
