「歯磨きはうつ病改善に効果アリ」最新研究で学ぶ正しい歯と心の磨き方
【前編を読む】歯磨きがヘタな人は老ける、病む、鬱になる……口が汚い人はどんどん孤立して最悪孤独死します
5分の歯磨きが生き方を変える
口の中の小さな不調は、ときに気分や人づきあいまで静かに蝕んでいく。実は歯磨きそのものが、鬱病改善に効果があることも近年の研究で明らかになった。ライオン株式会社研究技術センターの宮島亜佐美氏が解説する。
「歯磨きをする前と後で、心拍変動周波数解析(LF/HF値)という数値を計測し、交感神経の活動がどう変化するかを測定しました。このLF/HF値が高いと交感神経優位の緊張した状態、逆に数値が低いと副交感神経優位のリラックスした状態を示します。被験者に5分間歯を磨いてもらったところ、この数値が下がることが確認された。ここから、歯磨きをすることにより自律神経が整い、心身のリフレッシュにつながる可能性が示唆されました」
なぜ歯磨きをすることが、リラックスにつながるのか。この研究に携わった杏林大学医学部名誉教授の古賀良彦氏が解説する。
「別の日本人研究者による研究で、実験用のネズミに木片をポリポリと歯でかじらせると、なにもかじらせていないときに比べて、ストレスに対して強くなっていることがわかっています。これは、口の中への刺激があると、気持ちが整ってリラックスできるということを示しています。
そもそも、人間の口の触覚を司る部分は、五感の中でも多くの領域を占めています。口の中を刺激することが、脳そのものを刺激することにもなり、脳の認知、判断、そして行動にまで影響していくのです」
適切な歯磨きの仕方
では、どんな歯磨きをすればいいのか。ポイントは、歯ブラシを軽めに持ち、毛先を優しく動かすこと。歯と歯ぐきの境目には、45度の角度で当て、歯ぐきをマッサージするように1〜2本ずつ細かく磨いていく。歯並びの悪いところは、ブラシの角度を変えながら、毛先を境目に差し込むように当てて磨こう。
また、歯ブラシでは届かない歯と歯の間は、デンタルフロスや歯間ブラシできれいに磨き上げる。そして、朝晩はもちろん、昼にも歯磨きをすることが大切だ。
「昼食後にブラッシングをすると、午前中の生活で生じたストレスが緩和され、午後の仕事や家事のパフォーマンスも向上します」(古賀氏)
丁寧な歯磨きを心がけることで、心と体の調子を守り、老いを遠ざけられるのだ。
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「週刊現代」2026年4月27日号より
