「衆議院選挙、自民党から川松真一朗です。よろしくお願いいたします!」

【画像】川松議員の公選法違反疑惑を捉えた“2枚の写真”

「週刊文春」が入手した動画には、候補者名が書かれたタスキを肩から掛け、大声で通行人に投票を呼びかける男性が映っている。だが、よく見ると、タスキ姿の男性は候補者とはまったくの別人で……。


法学部出身の川松真一朗氏 ©時事通信社

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国政に初挑戦した“高市チルドレン”

「サナエ旋風」が吹き荒れ、自民党が圧勝した2月8日投開票の衆院選。東京都議を経て国政に初挑戦した川松真一朗氏(45)も“高市チルドレン”の一員である。

「墨田区出身の川松氏は、日本大学時代にラグビー部主将を務め、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。野球や相撲などスポーツ中継やニュース番組を担当しました」(都政担当記者)

 テレ朝退社後、2013年の都議選で当選を果たす。25年には国政進出への決意を固めたという。

「墨田区を含む東京14区からの出馬を検討したが、同区は高市早苗首相と関係が深い松島みどり首相補佐官の地盤。党内で選挙区調整が難航した」(政治部記者)

 結局、川松氏は今年の衆院選で、東京23区(町田市)から出馬した。

「自民党公認が内定していた元都議の吉原修氏が選挙区を譲った。吉原氏は川松氏が初当選した時の都議会自民党の幹事長。後進に道を譲った形です」(同前)

 縁のなかった町田市での選挙に臨んだ川松氏だったが、2位に大差を付けて当選。選挙後は旧安倍派と行動を共にする場面も。

「3月中旬、萩生田光一幹事長代行や西村康稔選対委員長が中心となり、新橋の焼き肉店で旧安倍派議員らの会合が開かれた。川松氏も場を盛り上げた」(同前)

 だが今回、衆院選での川松陣営の、ある問題が「週刊文春」に寄せられた。都政関係者が明かす。

週刊文春が入手した「衝撃の写真」

「有権者が撮影した写真や動画を見返していると、目を疑う光景を発見しました。2月4日、町田駅の近くで陣営の若いスタッフが、川松氏の名前の書かれたタスキを着けて選挙運動をしていたのです。時間にして10分超。これは公選法違反ではないか」

 冒頭の場面こそ、その瞬間なのだ。この日は今井絵理子参院議員が川松氏の応援に訪れていた。

「その後、総支部に鈴木俊一幹事長が激励に来ました。スタッフがタスキを着用する“事件”は、その間の15時頃に起こった」(同前)

 公職選挙法に詳しい、日本大学法学部の安(やす)野(の)修右(のぶすけ)准教授が解説する。

「公選法ではタスキを使用するのは候補者本人に限られています。違反した場合、『2年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金』という罰則規定がある。タスキを着けた運動員だけでなく、指示した候補者も処罰対象となる可能性があります」

 さらに、動画には川松氏が陣営スタッフからタスキを受け取る“タスキリレー”の一部始終も映っている。

「タスキは選挙の基本的な道具で、候補者が常に管理し、着用しているべきもの。『スタッフが勝手にやった』と主張することもできるかもしれませんが、受け取る場面で候補者は違和感を持つべきです」(同前)

本人を電話で直撃すると…

 では、川松氏はどう答えるのか。電話で直撃した。

――衆院選中、川松さんの氏名が書かれたタスキを別人が着用していた?

「記憶にないです」

――写真や動画もあります。

「書面でお願いできますか。いま答えられるのは『何のことか全く分かりません』ということだけです」

――川松さんから陣営に指示をしたのか?

「もちろんない。僕自身、コンプラには厳しいので」

 事務所に問い合わせると、概ね次のように回答した。

「候補者がトイレ休憩の際、タスキを預かり、肩から掛けて候補者を待っていただけです。貴誌のご懸念は当たらないと思われます。今後は誤解のないようスタッフには周知徹底させます」

 だが、動画にはスタッフが投票を呼び掛ける姿も映っている。「ご懸念は当たらない」で済む話ではない。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年4月16日号)