中国に対しても「沖縄も自分のものにしたいのでしょう」と…

写真拡大

 フォークシンガー、松山千春(70)の春の全国ツアー「デビュー50周年記念 松山千春コンサート・ツアー2026春」が、4月10日の東京・多摩市のパルテノン多摩からスタートした。7月1日の北海道・札幌ニトリホールまで、20都市で21公演を繰り広げる。かねてより歯に衣着せぬ物言いがたびたび話題になる千春。昨今の世界情勢に、黙っていられるはずもなく……。10日の公演から現地レポートをお届けする。

 ***

【写真】古希を迎え”じいじ”になっても衰えない松山千春

 デビュー50周年を記念した全国ツアーをスタートした千春。そのステージでは、「あくまでも娘夫婦のこと」としながらも開口一番、「じいじになりました」とファンに報告した。そう、3月23日に愛娘に第一子が生まれたのだ。

中国に対しても「沖縄も自分のものにしたいのでしょう」と…

「生まれたのは男の子で2,780gでした。生まれたと聞いて、すぐに娘のところに行って『お、よくやったな、頑張ったな、これが孫か』って言ったら、いきなり、生まれた子を抱き寄せて『お父さん、ガッツ石松に似てるでしょ』なんて言い出しやがって。『おい、そんなことを言うなよ』『ガッツ石松が気を落とすかもしれないだろ』ってな。でもな、俺の血が娘で途切れることがなく、孫へと繋がったことは、やっぱり嬉しいよな」

 さらに初孫トークは続き、

「この子が大きくなった時に果たして俺のことを何て呼ぶのだろうか?普通だったらじいじだわな。まさか2歳や3歳になって『おい、千春!』『今日のコンサートは大丈夫か?』『俺のことは気にするな』なんて言い出さないだろうけどな。ま、何て呼ばれても構わないのだけど、やはり俺の血を受け継いでくれてありがとうという思いと、この先、あるいは大変なことがあるかもしれないけど、ぜひ自分らしいいい人生を送ってもらいたいということだけだろうな」。

 昨年12月16日に古希を迎え、今年1月25日からはデビュー50周年イヤーに入った。孫も誕生したことで、千春にとっては、まさにトリプル・メモリアルの1年となった格好だ。

トランプ、ネタニヤフは「バカな連中だなあ」

 しかし、ひとたび話が2月28日に勃発した米国とイスラエルによるイラン攻撃に及ぶと千春節が炸裂する。

 かねてより、パーソナリティを務める毎週日曜日21時放送のFM NACK5(STVラジオなど全国15局ネット)「ON THE RADIO」で、中東情勢について「戦争なんかやっちゃいかんよ。こんな時代に」と訴え、トランプ米大統領やイスラエルのネタニヤフ首相に「スネに傷を持った者同士がイランに向かって、バカな連中だなあってつくづく思う」と厳しい見方をしていた。

 孫が誕生したことで、さらに行く末を憂える出来事になったに違いない。それだけにコンサートでも、

「誰だって戦争は嫌でしょう。戦争体験についてお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが、自ら味わった戦争について、何を、どれだけ語ってくれましたか? 戦争中、こんなことをやっていた、あんなことをやっていた…なかなか語り尽くせるものではないと思います。戦争というのは、それほど醜い残酷なものなのです」
 
 高市政権下の日本については、

「日本とアメリカは同盟国だということは誰もが知っています。しかし、一方のイランとも友好国なんですよ。ただ、友好国のイランよりも同盟国のアメリカの方が絆は強いことは理解できます。だからこそ、日本はトランプ大統領に対しては『こんな馬鹿な戦争はやめて下さい』と言えるのではないか。そもそもアメリカが仕掛けなければこんな戦いになってはいなかったのですから。そこをしっかり考えて下さいと言える立場にあるのだと思う」

トランプさん、乗せられて戦争してしまっている

 トランプ大統領に対しての意見はさらに続く。
 
「イランが核を作ってアメリカを標的にする。それが嫌だったんですね。だからイランには核を作れないようにしたい。そういう思いだったんですよね。しかし、あなたはイスラエルに乗せられてネタニヤフ首相に乗せられて戦争してしまっている。ただ、トランプさん、あなたの言うことは毎日毎日変わっていきますよね」

 とした上で、

「我々…日本は同盟国ではありますけど、 同盟国の国民としてあなたを信用できません。俺は、そう言いたいですね。もし俺がアメリカ国民だったら、大統領の座から即刻、 引きずり降ろしたい。ただ俺には権利がないですからね、せめて日本の国民として戦争は二度としない、してはいけないんだと。そういった思いを感じ取ってもらったら。ありがたいですけどね」。

 千春の曲に「La La La」という曲がある。2000年5月にリリースされた31枚目の同タイトルのアルバムに収録された1曲である。今回のコンサートツアーではセットリストに加えている。

〈愛を守るために 何をしようか ひざまづいて祈ること 銃をかついて戦う 背中を向けて逃げること このまま歌を歌う… 〉

「中国は、沖縄も自分のものにしたいのでしょう。もちろん台湾は自分たちのものだと。そうしたら、すぐ近くにある沖縄の島々も自分たちのものにしたいのだと思います。そして、自分たちのものにしたら、太平洋に堂々と出て来られるような……そんな海軍を考えていると思います。一方、ロシアも北方領土を返そうとはしていません。逆に、北海道をロシアにしてしまおうなどと思っているかもしれません。そう考えたら、もし、日本でイランのような状態が勃発したら。 果たして我が国はどのような生き方をするんだろうか。つくづく感じます。多分、自分は北海道がどんな風になろうが、日本全体がどんな風になろうが、歌を歌い続けているんだと思います。銃弾の弾(たま)が飛び交う中で、それこそギターを抱えてな…。ギターを抱えて、銃弾が当たって死んだとしたら、それはそれで仕方がないな、そういう思いでこれからも歌っていきたいと思います」

 千春にとって平和や政治を語るのは、フォークシンガーとしてのこだわりであると同時に、あるべき姿なのだろう。余談として「やっぱり、テレビのニュースだけは見てもらいたいですね。俺は、NHKの『NC9』だけは必ず見るようにしていますけどね」と日常も語っていた。

渡邉裕二(わたなべ・ゆうじ)
芸能ジャーナリスト

デイリー新潮編集部