Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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3月、新名神高速で大型トラックが車の列に突っ込み6人が亡くなった事故。この事故で、静岡・袋井市に住む3人の子どもを含む5人家族が犠牲となりました。なぜ悲惨な事故が起きたのか…捜査が進められていますが、専門家は事故が起きやすい条件が重なっていたと指摘します。

3月20日、3連休初日の未明三重・亀山市の新名神高速・下りの野登トンネルで大型トラックが渋滞の列に追突し、幼い子どもを含む6人の命が奪われた事故。

(記者)
「車は完全に焼け焦げていて原型をとどめていません」

高速道路上には大破した2台の車。黒く焼け焦げ、つぶれてしまった様子からすさまじい事故の衝撃がうかがえます。

事故から2週間以上が経った4月6日、警察は、DNA鑑定などの結果が出たとして、6人の身元を発表しました。

トラックに追突された乗用車に乗っていたのは、いずれも袋井市に住む、会社員の松本幸司さん(45)、妻で会社員の恵梨子さん(42)、長女の莉桜さん(11)、長男の壮眞さんさん(8)、次女の彩那さん(5)家族5人で関西方面に観光に行く途中でした。

また、また、松本さんの車の前の乗用車に乗っていた埼玉・草加市の団体職員、高峰啓三さん(56)は、関西方面にいる家族のもとに帰る途中で事故に巻き込まれ犠牲となりました。

先週4月3日・金曜日には…。

(カメラマン)
「今、容疑者の女が出てきました」

大型トラックを運転していた水谷水都代容疑者を立ち会わせて、事故の車両検証が行われました。勤務先の社長は…。

(水谷容疑者の勤務先 社長)
「各関係者にはご迷惑をかけていますし、当然なくなられた方には申し訳ないではすまないですけど、できることから対応していきたい。(水谷容疑者は)普段、事故もなくトラックも最近遠くに走るということで割と新しいトラックを渡して…」

関係者などによりますと、水谷容疑者はトラック好きで、この会社でも4年以上勤務。これまで目立った事故はなかったということです。

水谷容疑者が運転する大型トラックは、最初に松本さん家族5人が乗った乗用車に追突しそのはずみで、前にいた高峰さんが乗る乗用車に追突。6人はいずれも、頭を強く打つなどして亡くなったということです。当時、現場を1キロほど進んだ先では…。

(記者)
「コーンが置かれていて車線が規制されています」

工事のため車線規制が行われていた影響で、ンネル出口付近は渋滞していたということです。これまでの供述で水谷容疑者は…。

(水谷水都代 容疑者)
『前をしっかり見ていなかった』

また、現場には、運転していたトラックのブレーキ痕が残っていて、水谷容疑者は「ブレーキを踏んだものの間に合わなかった」という趣旨の供述もしているということです。

なぜ、これほど大きな事故が起きてしまったのか。事故現場の状況について、交通事故鑑定アナリストの伊藤久雄さんは。

(交通事故鑑定アナリスト 伊藤 久雄さん)
「今回の事故に関しては、いろいろな要素が重なって最悪な事態になってしまった。ぶつかってしまった時に、前側にも大型車両が存在していたということが1つありますので、そこの間の部分に入ってしまったというのが要因になっているかと思います」

大型車両に挟まれていたうえ、事故が起きた場所が「トンネルの出入り口」だったこと。さらに、当時「渋滞」が起きていたこと
など、事故の起きやすい状況が重なっていたと指摘します。

(交通事故鑑定アナリスト 伊藤 久雄さん)
「車両の減速が起きるポイント、あとは、そのドライバーさんの認知が遅れるポイントに事故の場所は集中しているので、今回もトンネルの出口付近ということで、視界環境の変化の場所が1つです。あとは工事における渋滞ですので、通常渋滞が発生しないポイントですけれども、臨時的な工事に伴って渋滞が起きていた場所ですね。通常の、あまり渋滞が発生しないようなところでも渋滞が発生したりとか…という視点があるかと思います」

なぜ事故が起きてしまったのか…事故の全容解明に向けて捜査が進んでいます。

(スタジオ解説)
(澤井 志帆 キャスター)
6人が亡くなった今回の事故。袋井市の松本さん一家は楽しい旅行に向かう途中でした。本当に心が苦しくなる事故だと感じています。藤井さんはどう感じられましたか?

(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
お父さんが45歳でね、お母さん42歳で、一番上のお姉さんが11歳ということで、家族としてもね、これからみんなで楽しく過ごしていこうという時に、こういう事故が起きて、松本さんご一家としてはもう被害者、それ以外、何ものでもないのでね、避けることできなかったんじゃないかなと思いますね。

(澤井 志帆 キャスター)
そうですよね。では改めて事故の状況を整理していきます。水谷容疑者が運転するトラックが渋滞の最後尾にいた袋井市の松本さん一家5人が乗る車に追突。その弾みでさらにその前にいた車に衝突しました。当時、工事に伴う車線規制が行われていて、制限速度が50キロに規制され、さらに渋滞していたという状況です。警察は水谷容疑者が制限速度を超えて走行していたとみて調べを進める一方で、水谷容疑者は、事故の後警察の調べに対し、「そんなにスピードは出していなかった」「休憩しながら走っていた」などと話しています。事故は防げなかったのでしょうか?津川さんはどう思いますか。

(津川 祥吾 アンカー)
これ、もちろんトラックドライバーの視点からすれば防ぐことができましたし、必ず防がなければならない事故だと思います。ただ、先ほど専門家もドライバーの認知の話をされていました。もう一つ加えると、人間の認知って…動体視力優位といいまして、動いているものは認知しやすいんだけど、止まっているものはちょっと見落とすという傾向があって、渋滞の最後尾に追突をするというのは確かに起こりやすいんですね。だから人間のミスというのは、これはゼロにはなかなかできないので、そのためには、今、トラックとか普通の車もそうですが、衝突被害軽減ブレーキというものを付けなければならないことに、トラックなどは義務になっているんですね。今回のトラックのケースで、それが付いていたのか、機能していたのかどうか、その辺もちょっと気になるところですよね。

(澤井 志帆 キャスター)
もし、それが付いていた場合、ここまでの事故にはならなかったと考えられますか?

(津川 祥吾 アンカー)
今回の事故は、私、詳しくまだ分かっていないので、速度がどのくらい出ていたのかとか…どのくらいのタイミングでブレーキを踏んだのかというところが…まだはっきり分からないので何とも言えませんが、そもそもそういった衝撃を軽減するためのブレーキです。衝突そのものはゼロにできないかもしれないけども、その衝撃を減らすということは、例えば死亡事故にならなかったという可能性はあったかもしれないですよね。

(澤井 志帆 キャスター)
藤井さんは今回の事故で気になった点はありますか?

(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
車を運転する人なら分かると思うんですけれども、普通の一般的な乗用車に比べてトラックというのは車高が高くて運転席が高いんですよね。そうしますと他の車よりも遠くを見ることができるはずなんです。そうなるとトラックの方が先に渋滞を発見することができるはずなのに、どれだけ前を見ていなかったか、この時間というのが一つすごく気になるのと、皆さんよく「渋滞にはまった」という表現をすると思いますが、渋滞にはまると前に行けなくても本当に嫌だなと思うだけじゃなくて、渋滞は追突されるリスクがあるんだということを改めて肝に銘じておいた方がいいと思いますね。

(澤井 志帆 キャスター)
意識を変えていかなければいけないかもしれませんね。これから行楽シーズンです。渋滞に遭遇する場面も多くなると思います。専門家に少しでも事故のリスクを減らす対策を聞きました。交通事故鑑定アナリストの伊藤さんは、高速道路で前の車が止まっていたり、渋滞の最後尾についたりした時には、後続の車に知らせることが大切だと話しています。具体的にはハザードランプをつける。そして段階的にブレーキをかけるなど、前方の状況を後ろを走る車に知らせることが大事だということです。また、渋滞に遭遇したら車間距離を普段よりも長めに取ること。高速道路では、上り坂の始まる地点やカーブなど、車のスピードが落ちる落ちる場所で追突事故が発生しやすいということですので、注意が必要だと話しています。

津川さんは、普段、高速道路で渋滞に巻き込まれそうな時、どんなことを注意されますか?

(津川 祥吾 アンカー)
先ほど藤井さんもおっしゃっていましたが、松本さんの立場。渋滞で止まってしまっている乗用車の立場で、後ろからのトラックを避けることができるか…これは多分かなり難しいと思います。ただ一般的には前が渋滞しているなと思えば、ランプを出して後ろの車がハザードのランプを出すまで出し続けるみたいなことをやります。やっぱりドライバーとしては、そもそも前の車に追突しないという注意を十分にとるということが必要なのかなと思います。

(澤井 志帆 キャスター)
それ、やっぱり車間距離を長めにとるということですか?

(津川 祥吾 アンカー)
それもありますし、渋滞の中と最高尾では事故が起こりやすいという、本当に起こりやすいポイントですからね。そこはすごく注意が必要だと思いますね。

(澤井 志帆 キャスター)
藤井さんはいかがですか。

(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
私も高速道路をよく利用していたんですけれども、一番は高速道路といえども急がない。ドライブの計画を少しゆったりととるということが、スピードをある程度抑えながら進むことができることにつながると思いますし、渋滞を発見しやすくなると思うんですよね。ものすごいスピードで法定速度を超えて走る人も…中にはいらっしゃいますけれども、あなたの車がすごいんであって、あなたがすごいんじゃないっていうことは肝に銘じて走ってもらいたいな。そうすると高速道路もお互いに譲り合いながら、みんながみんなスムーズに前に進めるんじゃないかなと。結果的に早く進もうと一人でどんどんスピードを上げることが大変なリスクになるんだということを全ドライバーに感じてもらいたいなと思います。

(澤井 志帆 キャスター)
私…また、高速道路を走っていて、ちょっと怖いなと感じるのが、周りに大型トラックが多いとき、ちょっと挟まれそうになったときってどうしたらいいんだろうって、ちょっとヒヤッとするんですけど、そういったときありませんか?

(津川 祥吾 アンカー)
大型トラックって…大きいので確かに普通の普通車を運転していると少し怖い感じがするんですけど、大型トラックの方々の話によると、やっぱり、今、藤井さんがおっしゃった通り、車高が少し高いので、悪気なく、ちょっと前の車と(車間を)詰めてしまうということがあるそうなんですね。ですから悪気はないと思うんですけども、大型のトラックの方には、とにかく少し距離を、車間をとるようにしていただきたいというのと、自分がそれが怖いという場合にも、自分自身がその車から少し離れるとか…車線を変えるということはやってもいいのかないうふうに思いますね。

(澤井 志帆 キャスター)
今後、このような事故が起こることのないようにドライバー一人一人が注意することが大切です。