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2025年8月31日の記事を編集して再掲載しています。

ごみの山は宝の山だった。

役目が終わった、使い切ったと判断された電気自動車用を含むリチウムバッテリー(以下バッテリー)には、まだまだ回収・再利用が可能な純度の高いレアメタル(リチウム)が大量に残っているそうですよ。

新たな研究結果は、潜在的に安定している豊富なリチウムの供給源が目の前にあるのに、私たちが本気で活用しようとしていないだけかもしれないと指摘しています。

埋め立て地行きのバッテリーが秘める可能性

学術誌Journal of Environmental Managementに発表されたオープンアクセスの研究結果において、オーストラリアのエディスコーワン大学の研究チームは、EVを含む使用済みバッテリーに残っているリチウムを回収すれば、従来の採掘法を代替する持続可能なリチウムの回収が可能になると主張しています。

ちょっとびっくりなんですけど、埋め立て地に送られて廃棄される予定のバッテリーは、まだ容量の80%が残っていて、十分に利用できるのだとか。もう空っぽのはずが、20%しか使っていないってこと? うわー…。

バッテリーのリサイクルは、環境面でのメリットに加えて、社会経済的にも幅広い利益をもたらす可能性があるといいます。

採掘からリサイクルへ、持続可能なシフト

研究論文は、世界規模のサプライチェーンの包括的なレビューを行なって、鉱山からのリチウム採掘とリサイクルの有効性を検証しています。

研究チームが声明で説明しているように、リチウム生産の主流は依然として鉱山からの採掘ですが、環境に与える影響だけをとっても、最終的にこの方法から移行するには十分な理由になるとしています。

一方で、リサイクルは、はるかに高いコストパフォーマンスを提供できる可能性があります。採掘と比較して、リサイクルは二酸化炭素排出量を61%削減し、エネルギーと水の消費量もそれぞれ83%と79%少なくすむそうです。もうリサイクルすればいいじゃん。

リチウムだけではないリサイクルの恩恵

エディスコーワン大学の博士研究員で、論文の主執筆者でもあるAsad Ali氏は、声明で次のようにコメントしています。

バッテリーをリサイクルすれば、99%近く精製されている残存するリチウムだけでなく、ニッケルとコバルトも回収できます。

また、理想的なリサイクル施設は、採掘ほど自然環境に負担をかけないとも述べています。

廃棄物の増加と新しい市場の可能性

研究チームは、使えるのに放置されたままのバッテリーが大量に存在し、今後も増え続けると指摘します。

世界のリチウム電池市場は年間13%のペースで成長すると予測されており、2026年までに約160万トンのリチウムが消費される見込みです。研究チームが拠点を置いているオーストラリアの政府が発表した報告書によると、同国のリチウム電池廃棄物は、2035年までに年間13万7000トンに達するとされています。

同大学の博士研究員で共同執筆者のSadia Afrin氏は、適切なインフラ投資を行なって、使用済みバッテリーに眠っているリチウムを活用すれば、エネルギー分野に収益性の高い新たな市場を創出できる可能性があると語ります。

ただ、リチウムに依存する産業の技術革新と歩調を合わせながら発展していく必要があると付け加えています。

廃棄されている石炭灰に眠る84億ドル相当のレアアースの再利用に向けて準備が進められているなど、資源のリサイクルは現実味を帯びてきている感があります。リサイクルできるものを使わない手はありませんよね。

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