焼鳥屋激戦区がなぜ生まれるのか 大正10年創業の老舗の名ランチは至極の焼鳥丼

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近年、高級化した感のある「焼鳥」。もっと手軽に楽しめないものか……。そこで辿り着いたのが「ランチ」です。今回は、東京・京橋の焼鳥屋『伊勢廣京橋本店』の絶対に外せない絶品焼鳥丼をご紹介。なぜ、人形町を筆頭に、茅場町・八丁堀・京橋に焼鳥屋が多いのかも、取材した店主たちに聞きました。

確かな素材と仕事を詰め込んだ老舗の丼『伊勢廣京橋本店』@京橋

丼に向き合うと、凛とした佇まいに圧倒された。これが大正10年に創業した老舗が昼に出す焼鳥丼だ。

5本丼2800円

『伊勢廣京橋本店』5本丼 2800円 レバーは黄色みを帯びなめらかな口当たり。つなぎは使わず各部位を練り込んだ団子。今では定番のササミとわさびの組み合わせは初代が考案。皮身は各部位の皮を使い首肉とモモ肉に挟んで炙る。モモ肉は間にねぎとししとうを挟んで絶妙な食感

使う鶏肉は今は亡き2代目が口癖のように言っていた“氏より育ち”を守って銘柄を指定せず、与える餌と生育日数の基準を満たしたものだけ。タレは一級品の醤油と味醂で作る継ぎ足しで、塩は特別なフレーク状の結晶を持つ海塩だ。

炙りたての身に挑んでみれば味わいはおだやかそのもの。

「タレや塩は味をつけるものではなく鶏の旨みを引き出すもの」という3代目の言葉が腑に落ちる。素材も職人の技も一切の妥協を許さず、この味は引き継がれていた。

『伊勢廣京橋本店』職人頭 大内健さん

職人頭:大内健さん「お得なお昼のフルコース(6000円)もご用意しています」

『伊勢廣京橋本店』

[店名]『伊勢廣京橋本店』

[住所]東京都中央区京橋1-4-9

[電話]03-3281-5864

[営業時間]11時半〜14時(13時50分LO)、17時〜21時(20時半LO)※土は〜20時半(20時LO)

[休日]日・祝

[交通]地下鉄銀座線京橋駅7番出口から徒歩3分

なぜ界隈の焼鳥屋はランチが多いのか?

人形町を筆頭に、茅場町・八丁堀・京橋と、なぜだかここらには焼鳥屋が数多く軒を連ねている。上記『伊勢廣』がある通りなんて老舗が3軒も並んでいて、焼鳥ストリートなんて言われるほどだ。でもなぜこの場所に?

そんな疑問を取材した各店にぶつけてみた。

「中央区やその近辺も含めると、業務用に鶏肉を扱っている問屋さんが多いんですよ」(『ももふく』・玲さん)。

はたまたこんな意見も。

「大型ビルや商業施設だと炭を使うのがNGって物件が多い。でもこの界隈は小さなビルばかりでしょう。それで焼鳥屋さんが出店しやすいんだと思う」(『江戸路』・山田さん)。

さらに深掘りしてみると、「昔はこのエリアはうなぎ屋とフグ料理屋も多かった。それぞれが夏と冬の閑散期に焼鳥を出していたため根付いたのかも」(『伊勢廣』・星野さん)

そして取材して気づいたのが、昼も夜も手頃な価格帯の店が多いってことも特徴のひとつかも。焼鳥なら日本橋エリアへGO!

撮影/西崎進也、取材/菜々山いく子

『おとなの週末』2025年8月号

※月刊情報誌『おとなの週末』2025年8月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく「東京の焼き鳥 新店ながら確かな実力の4軒」では味、技、世界観の完成度がズバ抜けていて、こりゃ参ったなと思うほどの実力店をレポートしています。

【画像】老舗の至極の焼鳥丼に圧倒される!端正な焼鳥が5本ドドンとのる(6枚)