女性客「酒を飲み、翌朝まで記憶なく体が...」10人の女性に性的暴行・わいせつ行為等の罪に問われる“里庄町ゲストハウス”経営の男(51)検察が指摘する「計画的かつ狡猾な手口」とは【ゲストハウス連続性的暴行事件 第2回/全4回】
宿泊客など10人の女性が被害に
自身が経営する岡山県里庄町のゲストハウスで、宿泊客など女性9人に睡眠作用などのある薬物を飲ませて、性的暴行を加えるなどしたほか、女性客1人を盗撮した罪などに問われている男の裁判が、岡山地裁で行われています。(第2回/全3回)
【写真を見る】送検時にサムズアップする男/男が経営していたゲストハウス【里庄町】
準強制性交等、準強制わいせつ、準強制わいせつ未遂、岡山県迷惑行為防止条例違反の4つの罪に問われているのは、里庄町のゲストハウス経営の男(51)です。
送検時に男はテレビカメラを見つけると、テレビカメラに向かって親指を立てていました【画像①】。
岡山県里庄町 オーナーの男は女性泊客をターゲットに
人口約1.1万の町、岡山県南西部にある里庄町【画像②】でゲストハウスを経営していた男。
起訴状などによりますと、男は、2018年から2022年の間に、自身が経営するゲストハウスの宿泊客など女性あわせて9人に、睡眠作用などがある薬物をカクテルなどに混ぜて摂取させ、抵抗できない状態にし、性的暴行やわいせつな行為などをしたほか、女性客1人を盗撮したとされています。
今年6月3日の裁判で男は、
「当時は『黒い影』から脅迫され、命令されていた」
「犯行当時は記憶がない」
「犯行時は心神喪失状態だった」
と、2024年2月の初公判から一貫して“無罪”を主張していて、責任能力の有無が争点となっています。
【第1回】「きっかけは約20年前 そして知人女性に...」から続く
宿泊客に薬物飲ませ 性的暴行の疑いで1回目の逮捕
男は2019年4月1日、岡山県里庄町でゲストハウス【画像③】の経営を開始しました。
そしてゲストハウスを開始した3年5か月後の2022年9月、ゲストハウスに宿泊した女性Aに薬物を飲ませ、性的暴行をした疑いで男は逮捕されました。
警察によりますと、男は2019年8月、ゲストハウスに1人で宿泊していた女性Aに欲情し、睡眠作用のある薬物を飲ませて抵抗できない状態にして、宿泊施設の和室まで運び、性的暴行を加えたとされています。
それだけでなく、男は、持っていた携帯電話でその様子を撮影し、データを自らのハードディスクに保存したといいます。
女性Aは、明け方に目が覚めた時、酒を摂取した後の記憶がなく、どのようにして部屋まで来て寝たのかなど分からない状況でしたが、薬理作用によって、被害に遭ったことに気づかないまま、ゲストハウス【画像④】を去ったということです。
逮捕後の警察の調べに対し男は、「やったかやってないかについては黙秘します」と供述していました。
別の女性客の体内から「睡眠薬の成分」も 準強制性交等などの罪で起訴
また警察によりますと、2022年3月、体調不良を起こした別の宿泊客の女性の体内から睡眠薬の成分が検出され、警察では、男が酒などに薬物を混入させ女性に摂取させた疑いが強いとみて捜査を進めていました。
その後、男のスマートフォンやパソコン、ハードディスクなどを押収したところ、男が宿泊客を無断で撮影した複数の動画や画像が見つかり、男の容疑を特定したということです。
警察のその後の調べで男は、6人の女性に対して「準強制性交等の罪」、3人の女性に対して「準強制わいせつの罪」、1人の女性に対して「準強制わいせつ未遂」、1人の女性に対して「岡山県迷惑行為防止条例違反」の罪で起訴されました。
「計画的かつ狡猾」な手口
起訴状などによりますと、男の手口は「計画的かつ狡猾である」といいます。
2020年5月、男は、睡眠作用のある薬物を酒に混入した場合、“青色”に変色することを把握していて、一人旅をしていた女性Bに変色したことがばれないようにするため、“深緑色の抹茶カクテル”を提供しました。
薬物が混入されているとは知らず、そのカクテルを飲んだ女性Bは、急激な眠気に襲われ、宿泊施設の和室まで自ら歩いて移動し、睡眠状態になりました。
男は、薬物作用により、抵抗できない状態の女性Bの着衣を脱がせるなど、わいせつな行為をしたと見られています。
さらに、男は持っていた携帯電話で撮影し、自らのハードディスクに保存したといいます。
女性Bは、寝ている間に体を誰かに触られているなどの感覚がありましたが、夢の中の出来事だったと考え、被害に遭ったことに気づかないまま、ゲストハウス【画像⑤】をチェックアウトしたといいます。
睡眠作用などがある薬物について専門家は・・・
使われた睡眠作用などがある薬について、専門家たちは、
(法医学及び薬毒物の中毒学を専門とする教授)
「これらの薬を摂取した場合、薬を服用する前のことまでは覚えているが、薬を服用した後、一定期間の記憶がなくなる症状(薬剤性一過性前向健忘)が見られる」
「アルコールでも一過性前向健忘が起こり得るが、自己の飲酒量を把握している方なら、まず飲み過ぎたという認識があるはずである」
(臨床法中毒学を専門とする教授)
「薬物の場合はごく少量で作用するので、飲み過ぎたという認識がないのに、一過性前向健忘の症状があれば、薬物使用が強く疑われ、アルコールはこの薬の効果を増強する」
などと指摘しています。
女性客「酒を飲み、翌朝まで記憶がなく、体がだるかった」
2020年10月には、一人旅をしていた20代の女性Cに対して男は、ゲストハウス【画像⑤】の食堂で、睡眠作用のある薬物を混入した酒を飲ませ、抵抗できない状態にし、わいせつな行為にとどまらず、性的暴行を加えたとされています。
男は、睡眠状態になった女性Cを食堂から宿泊施設の和室まで運び、持っていた携帯電話で撮影し、データを自らのハードディスクに保存。
女性Cは、酒を飲んだ後の記憶がなくなっていて、どのようにして部屋に戻って就寝したかなどがわからない状態だったといいます。
その後、被害に遭ったことに気づかなかった女性Cから
「夕食を食べ、酒を口にし、翌朝起きるまで記憶がなく体がだるかった」
などと警察に届けがあり、警察は捜査を進めていました。
逮捕後の警察の調べに対して男は、「自分の行為として思い当たることはありません」と容疑を否認していましたが、その後の警察の取り調べで、女性Cに性的暴行を加えたなどと供述していました。
「『黒い影』から脅迫され、犯行に」男の主張とは
否認から自白した心境について男は、
「今の自分がとても苦しくて苦しくてしょうがなかったからです」
「彼氏に対して後ろめたかったことがとても印象的であるため、女性に薬を飲ませて昏睡させ、性交するなどした事実を記憶しています」
などと述べていたといいます。
そして、最初の逮捕から1年5か月後に初公判が行われました。
男は、犯行に及んだ状況について、
「黒い影から『この客は管理センターからの刺客で、今夜お前の寝首を書いて殺す』」
「『殺されたくなければ、薬でも酒でも使って、やってるところをカメラで撮れ』と言われた」などと主張したのです。
【第3回】「心も体も踏みにじられた」に続く
【第1回】「きっかけは約20年前 知人女性に...」

