畑芽育、長い俳優人生で今思うこと 「いただいた役を全うするのみ」
若干1歳にして芸能界デビューを果たし、23歳ながら長い芸歴を持つ畑芽育。そんな彼女が、橋本環奈主演ドラマ『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系)に出演している。初めて演じることとなった“医者”という役どころや役作り、橋本との距離が近づいたエピソード、出演ラッシュが続く中での心境、そして俳優としての今の目標を聞いた。
参考:畑芽育が掲げる、“天職”である役者としての大きな目標 「朝ドラと大河で主演をやりたい」
■長い芸歴の中で初めて挑む医師役
――本作では“研修医”の鴻ノ池舞を演じられていますが、医者役を演じるのは今回が初めてですよね。率直に、役に難しさを感じますか?
畑芽育(以下、畑):難しいです。オペシーンもあるので医療リハも重ねないといけないですし、右も左も分からないので新しく学ぶことしかないです。
――『畑芽育のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)では、「採血とか点滴はもうバッチリ」と話していましたね。
畑:もう動きは完璧です! 指導をいただいて、どういった手順でやるのか、何がダメなのか、点滴一つ、採血一つで注意しなければいけないことが何箇所もあることを知りませんでしたし、医師の皆さんへのリスペクトも高まりました。
――1年目の新米医師という立場としては、どのように役作りしていきましたか?
畑:研修医なので、最初からものすごく頼れるような医師というわけではなく、舞がそこにいたらなんとなく空気が明るくなるような、そんなポイントとして存在しているのかなと思っています。それに、医療ミステリーというだけあって、普通では考えられない超常的なミステリーが起きたり、そういった症状の人が運ばれてくるので、舞自身も初めて目にする病気が多く、的確に診断や処置をしたりするというより、毎回こんなこともあるんだと新鮮に驚いて、舞自身が勉強し成長していく物語だと思っています。
――天性の人懐っこさやチャーミングな立ち回りから、舞は本作におけるムードメーカー的なポジションにいるのかなと思います。
畑:そうですね。最初は医療ドラマとしてどういったテンションがいいのかを探りつつ、私の中では冷静な着眼点を持った女の子なのかなと思ってお芝居をしていたんです。でも、木村(ひさし)監督からのリクエストで極端にふざけたムーブをしたり、そういったヒントを得ながら舞ちゃんの役の意味や立ち回りをブラッシュアップしています。
――ふざけたムーブというのは?
畑:擬音を発したり、重苦しい中でも空気の読めない明るさで話を切り込んでいったり……そこがまた舞の変人なところです。鷹央先生への憧れもあり、変だけどそれが舞の魅力です。そういうふざけたムーブも、ドラマにとっていいスパイスになればいいなと思っています。
――鷹央先生は考える時に唇を勢いよく触るクセがありますが、舞にもそういったクセはありますか?
畑:何かと大きい声で「ぬわ!」とリアクションをするところです。これは木村監督が決めたことなんですけど、どの回にも少しずつそれが組み込まれています。
――元々の脚本にはない?
畑:ないです。木村監督のアイデアです。他にも舞ならではのクセがちょこちょこ出てくると思います。
――演じやすさは感じますか?
畑:演じやすいです! テンポ感もいいですし、話も面白い。脚本が大好きな作品なので、やりやすさを感じています。ただ、膨大なセリフ量に加えて、専門的な用語がたくさんある三浦(翔平)さんと(橋本)環奈ちゃんに甘えて、私がやりやすいだけかもと感じることも。お2人は、私なんぞが「大変です……!」と言うのもおこがましいぐらいに、大変だと思います……。
――舞は、鷹央と小鳥遊を恋仲として距離を縮めようとする立ち位置でもあるんですよね。
畑:そうですね。面白がってるように見えて、真剣に2人がくっつけばいいと思っています。舞ちゃんは、“お節介さん”みたいなところがあるし、私自身もそうなので(笑)。“鴻ノ池舞”には私の色がだいぶ乗っている感じです。
■目指すは「橋本環奈との福岡でサシ飲み」
――先ほど、「環奈ちゃん」とおっしゃってましたけど、橋本さんとはそう呼べる関係性になったとラジオでも話していましたよね。何かきっかけはあったんですか?
畑:自然と、ですね。環奈ちゃんが「芽育ちゃん」と呼んでくれるし、自然と話す時間も増えてきました。距離感も縮まって、お誕生日プレゼントをいただいたりとか、頼もしいお姉さんだなと思います。くだらない情報交換をしていて、「最近こういうお菓子を買って」とか「どこどこのお店が美味しいよ」とか、現場ではそういった他愛もない会話が繰り広げられています。
――客観的に見ても、畑さんは橋本さんとフィーリングが合うのかなと感じます。
畑:周りの人にも言われます! 自分で言うのもおこがましいですけど、似てる部分もあるのかなと思います。環奈ちゃんはアウトドアで、私はインドアで違う部分も多いのですが、考え方とか共感することも多くて、環奈ちゃんのお話を聞いてる時は楽しいです。
――ゆくゆくは福岡でサシ飲みをしたいとラジオで話していましたね。
畑:いつか夢を叶えようと奮闘中です。
――連絡先交換はまだですか?
畑:あ、交換しました! 急に聞いてくれたんです。「芽育ちゃん、LINEやってる?」と言ってくれて。ラジオを聴いてくれたのかは分かりませんが、環奈ちゃんからそう言ってくれたのが嬉しかったです。
――もしかしたら、回り回って橋本さんに伝わったのかもしれないですね。三浦翔平さんの印象はいかがですか?
畑:三浦さんは私が小さい時から活躍されている役者さんで、出演されていたラブコメ映画を映画館に観に行ったりしていました。そんな人とお芝居ができるんだと嬉しかったのを覚えています。現場ではふざけてくれるお兄さんなので、楽しいですね。モノマネをしてくださったり、撮影の後半で大変なシーンになってくると、どんどんおじいちゃんみたいになってきちゃったりして、「もう俺はダメだ……」と言って(笑)。現場の盛り上げ役です。これは佐々木希さんにも言えることですが、家に帰ると家族がいて、その中でお父さんやお母さんでいながら、現場では常に明るくいてくださるのが素敵だなと思います。
――『天久鷹央の推理カルテ』のほかにも、畑さんは5月、6月、7月と出演/主演映画が立て続けに公開されますが、俳優としての充実感はありますか?
畑:映画もドラマもこんなスパンで出演させてもらえるのは、ありがたいことだと思っています。なんとなくお休みが欲しいなとか、自分に向き合う時間がほしいなと思ったりすることもありますが、ここまで突っ走ってきたことが事実としてあるので、急にお休みが出来たらどう過ごしていいか分からなくなりそうな気持ちもあります。今は現場に楽しい人たちが集まっていて、現場に行くのが楽しいと思えているのが幸せですね。ちょっと前の自分では想像がつかなかった未来だから不思議な感覚で、まだ追いついていないところはありますけど、若干成長はしてるのではないかなと、ここ最近は思えてきました。
――これまでの長い俳優人生において、その時々で目指す場所や夢というのは変わってきてるのは当然だと思いますが、今、俳優としての目標はありますか?
畑:どんな作品、どんな役柄にでも携われることが幸せなので、特にこれといってこだわりはないですし、いただいた役を全うするのみだと思っています。お芝居は評価の仕方が難しいというか、褒めるとか批評というのは個人の感想でしかなかったり、「お芝居、良かったよ」と言ってもらうことはあるけど、世間的に認めてもらっているかというのは、なかなか実感できないなと思っています。それを確認する一つの形として、例えばドラマや映画の賞、そういった称号的なものが一つあるだけで、自分のことを少し認めてあげられるようになったり、自分に自信がついてくるきっかけになるだろうということは考えます。そういうところはほんのちょっぴりですけど、意識するところではあって、評価されるような役者さんになりたいなとは思っています。(文=渡辺彰浩)

