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熊本市議会の2月定例会はきょう(3月22日)、来年度の一般会計当初予算案などを可決して閉会しました。

こうした予算で、来年度の暮らしや経済などはどう変わるのか。その一部をご紹介します。

【子育て】

<こども誰でも通園制度(仮称)関連経費>(2023年度補正・予算額2060万円)=新規予算

保護者の就労状況に関わらず、子どもを一定時間、保育所に預けられるようにする取り組みを試験的に始めます。

保育所に子どもを通わせるには、保護者が働いていることなどが条件ですが、働いているかどうかに関わらず子育てで孤立している親が多いのが現状です。そのため不安や悩みを軽くできるように、生後6か月から2歳の子どもなら誰でも、月に一定時間の利用枠で保育所などを利用できるようにします。

熊本市では、8園程度の私立保育園などに人件費などを補助。9月にも試験的に子どもの預け入れを始めます。

【部活動】

<部活動指導員配置事業>(予算額1404万円)=予算拡充

教員の負担軽減と指導体制の充実を図るため、部活動の指導員を8人から11人に増やします。

2019年度に5人の部活動指導員を配置して、2022年度には活動時間を週11時間から15時間に増やしたことで、教員の負担も減ったことから増員を図ります。

部活動指導員は、会計年度任用職員として雇用。報酬や交通費などが支払われ、生徒への技術指導や、試合への引率などに取り組みます。

【こども食堂】

(予算額31万円)=新規予算

「こども食堂」の開設を後押しします。

無料や安い価格で子どもたちに食事を提供する「こども食堂」は、熊本市では民間団体が運営しています。

しかし今年1月時点で「こども食堂」があるのは92の小学校区のうち49校区にとどまっていて、「開設に向けた支援をして」「こども食堂を運営する人が意見交換ができる場を作って」という声も熊本市に寄せられています。

そのため、開設していない校区での設置を地域団体に呼び掛けたり、「こども食堂ワークショップ」を開いたりして、開設場所を増やす方針です。

【歯の健康】

<節目年齢歯科検診>(予算額1780万円)=予算拡充

20歳と30歳になった市民が、歯科検診を受けられるようになります。

これまで熊本市は、40歳▽50歳▽60歳▽70歳・・・の節目を迎えた市民に歯科検診をしています。

ただ、20代や30代は、妊婦の歯科検診を除けば、公的な歯科検診を受ける機会がありません。

熊本市が去年、20代と30代の市の職員を対象に調査したところ、その86.4%に「歯肉に炎症がある」との結果が出ました。

放っておくと歯茎が弱くなり、虫歯などのリスクがあるため、熊本市は「若いうちから口や歯の健康管理を意識してほしい」として、原則として400円の自己負担で歯科検診を受けられるようにします(市民税非課税世帯は無料)。

対象は20歳と30歳を合わせた約1万4500人で、対象者には6月か7月にも郵便で知らせます。

【がん患者支援】

<アピアランスケア推進事業>(予算額569万円)=新規予算

がんと闘っている人に、医療用ウィッグなどの購入費用を助成します。

熊本市では2019年に約5000人のがん患者がいますが、抗がん剤や切除手術の影響で外見が変わることで、社会参加の意欲などが低下するケースが多くあります。

そこで、医療用ウィッグや人工乳房などの購入額の半額(上限額あり)を補助することで、心理的・経済的な負担を減らして、就労や社会参加を後押しします。

【ヤングケアラー支援】

<(仮称)若者・ヤングケアラー支援センター運営経費>(予算額1280万円)=新規予算

家事や家族の世話などに追われる子どもたち「ヤングケアラー」を積極的に支援します。

今は匿名での相談が多いため、具体的な問題の解決に繋がりにくいのが現状です。そのため、専門的支援のノウハウを持つ民間事業者に相談業務を委託して、訪問支援を強化することで必要な支援に繋げます。

また、ヤングケアラーなどが気軽に立ち寄れて、安心して自分の時間を過ごせる場所を10月にも作ります。

【企業誘致】

<半導体関連企業誘致強化事業>(予算額1億4500万円)=予算拡充

TSMCと関係が深い台湾企業を熊本に誘致するために取り組みを強化します。

台湾にはTSMCに商品やサービスを供給する企業などが多くあり、熊本市はこれまでも見本市などで台湾企業に広くPRしてきました。

熊本でTSMCの稼働が始まったことから、さらにターゲットを絞って誘致を進めようと、TSMCと取引がある企業の情報収集を進めて、熊本市の産業用地でのニーズの調査などを進めます。

【観光客誘致】

<ナイトタイムエコノミー推進事業>(予算額4350万円)=新規予算

観光客が夜の熊本の観光も楽しめる取り組みを進めます。

「日本では夜に楽しめる観光が少ない」との外国人観光客の声が多く、熊本市も同様の問題を抱えています。

そこで、飲食店を巡るガイド付きツアーや、演劇とナイトツアーを組み合わせるなど、新たな「夜の魅力」を発信するためのプロモーション活動を進めます。

また熊本城周辺でプロジェクションマッピングなどに取り組むことも計画しています。

【公共交通】

<多両編成車両導入経費>(予算額8億9056万円)=予算拡充

熊本市電(路面電車)に新しい車両を導入します。

ラッシュ時に乗客が市電に乗れない問題などを改善するため、2024年度には今の定員の1.5倍の乗客が乗れる車両の運行を始めます。

さらにこの車両を2025年度に増やすため、2編成分の車体の製作にも取り組みます。

【道路整備】“10分・20分構想”

<道路整備事業>(予算額187億6446万円) ※新規予算でも予算拡充でもありません

渋滞の解消や物流の確保などのため、道路の整備を加速します。

熊本市中心部から高速道路まで10分、また熊本空港まで20分で結ぶ「10分・20分構想」を進めるため、住民アンケートなどを行い、概略ルート案などの検討を進めます。

また、熊本西環状道路では、池上インターチェンジまでの延伸工事を2027年度にも完了させます。

さらにTSMCの進出などによる交通対策なども取り組みます。

【まちづくり】

<中心市街地面的整備検討支援経費>(予算額396万円)=新規予算

熊本市の中心市街地でビルなどの建て替えを促します。

中心市街地には、古くて耐震性の低い建物が多くありますが、隣り合った建物を一緒に建て替えるケースは少ないのが現状です。

そのため、一緒に建て替えた場合のメリットなどを学んで、建て替えに向けた第一歩にしてもらおうと、手を挙げた商店街などに熊本市がコンサルタントを派遣します。

元々、熊本市は建て替えを促す「まちなか再生プロジェクト」を進めていて、この制度を使えば、容積率もアップすることから、一緒に建て替えることで土地の所有者にとって有利なだけではなく、環境面などの改善も進むと期待しています。