Googleが「コードイエロー」の発令を余儀なくされた2019年の緊急事態とは?

検索エンジンやブラウザ、広告出稿サービスなどさまざまなインターネットに関するサービスを展開しているGoogleは、「検索エンジン市場を違法に独占している」として、アメリカ司法省から訴えられています。そんな中、Googleは2019年2月に「検索エンジンにおけるユーザーのクエリが遅くなった」ことを理由に「コードイエロー」を宣言していたことが明らかになりました。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-10-31/google-s-2019-code-yellow-blurred-line-between-search-ads

Ex-Google Search chief worried his team was too involved with ads
https://searchengineland.com/ex-google-search-head-worried-his-team-was-too-involved-with-ads-434050
Googleには、「広告チームと検索チームはお互いに不干渉」とする鉄則があり、検索チームのエンジニアは、広告チームの「広告収入の最大化を優先する」という意見に流されることなく、検索エンジンのさらなる開発を進めることが可能です。
しかし、Googleでは2019年2月に突如ユーザーのクエリが遅くなる問題が発生。そこでGoogleは「コードイエロー」と呼ばれる緊急事態を宣言し、原因究明や修正に取り組みました。
Googleの検索チームやChromeブラウザチームのエンジニアによる調査の結果、広告チームを検索チームを隔てていた不干渉の壁が形骸化し、収益目標を達成するために意図的にクエリを遅くしていたことが発覚しました。アメリカ司法省は「クエリが遅くなればなるほどGoogleが検索エンジンに広告を掲載する機会が増加するため、結果として収益の増加につながります」と指摘しています。

ユーザー体験を損ねかねない、収益増加だけを目的とした一連のシステムに対して、2019年当時Google検索チームの責任者だったベン・ゴメス氏は「クエリの成長を目指すことは良いことだと思いますし、より多くのユーザーを獲得することも重要です。しかし、検索チームは製品や会社の利益のためとはいえ、広告に過度に関与しているのではないかと思います」と指摘しています。
さらに検索チームに対してゴメス氏は「企業の成長のことしか考えていないのではないかと不安に思っています」との厳しい意見を投げかけています。ゴメス氏によると、検索チームのほとんどの人員は、Googleの収益を増加させるためのプロジェクトに投入されており、研究や調査に十分な投資を行っていなかったとのこと。
またゴメス氏は「スペルミスしたキーワードの修正をオフにしたり、ランキングの改善を行わなかったりといった、ユーザーにとってネガティブな方法を取ると、クエリを簡単に増やすことができます。しかし、これらの方法はGoogleが絶対に取ってはいけない手法です」と述べています。

原因が究明されたことでGoogleによる「コードイエロー」は2019年3月中旬に終了されました。その後Googleは「コードイエロー」を受けて、ユーザークエリを票としてではなく、クエリのグループだけを測定するための新たな指標を作成しています。ゴメス氏は「クエリを指標として測定する従来の方法は、パフォーマンス指標を測定するための方法として適切ではありませんでした」と振り返っています。
