実はジャンボと同期生 ランドローバー・レンジローバーとボーイング747 生産終了を記念 前編
そのカテゴリーで革新的な変化をもたらした
巨大な旅客機、ボーイング747は半世紀以上も続いた製造を2022年12月に終えた。世界中でジャンボジェットとして親しまれてきた機体だ。旅のお供として特別な思い出がある、という読者もいらっしゃるだろう。
【画像】実は初代が同期 ジャンボジェットとレンジローバー 最新版のジープ・ワゴニアも 全126枚
COVID-19の流行に伴い、座席数の多い747の退役を決めた航空会社は少なくなかった。英国のブリティッシュ・エアウェイズもその1社だ。最後の生産となったのは、巨大な貨物機となる747-8F。この写真のジャンボジェットと、似た機体だった。

ボーイング747-400Fと、ホワイトの初代ランドローバー・レンジローバー、ブラックの5代目ランドローバー・レンジローバー
そこで筆者は、グレートブリテン島の中部に位置するイースト・ミッドランズ空港へ向かった。2台のランドローバー・レンジローバーとともに。
なぜ初代の、通称クラシック・レンジも一緒なのか。それはジャンボジェットと同じく、1970年に活躍をスタートさせたから。
ジャンボジェットとクラシック・レンジは、どちらもそのカテゴリーで革新的な変化をもたらした点で共通している。座席数の多い747が登場したことで大量輸送が可能になり、海外旅行はずっと身近な存在になった。
レンジローバーは、オフローダーの能力に乗用車のようなオンロード性能や快適性を組み合わせた、初めてのモデルとはいえない。しかし、その両立を高次元で実現させ、最も大きな成功を掴んだモデルといっていい。
現代までモデルチェンジを重ねモダナイズされつつ、最新版でもすぐに見分けられる特長を受け継いでいる。高級オフローダーの代名詞とさえいえる。
驚くような数字が並んだジャンボジェット
ジャンボジェットとクラシック・レンジがなければ、21世紀の空の旅も、高速道路の景色も、違ったものになっていたかもしれない。2つを比較するのに、少し無理はあるかもしれないが。
アメリカのボーイング・エバレット工場を12月にラインオフした最後の747-8Fを含めて、747の製造数は合計1572機。2022年末で446機が運用されている。特に貨物機としては、現役で世界の空港間を飛び回っている。

ホワイトの初代ランドローバー・レンジローバーとブラックの5代目
今から53年前、1970年に就航を始めたジャンボジェットは、本当に驚くような数字を並べた機体だった。全長70.6m、翼を含む全幅が59.6m、地上から尾翼までの高さは19.3mもあった。
あまりにも巨大だったため、開発テストパイロットを務めたジャック・ワデル氏は、走行可能な台車に架装されたモックアップのコックピットで感覚を掴んだという。飛行機の着陸や、空港内での移動、タキシングに慣れるために。
333tという最大離陸重量を叶えるため、必要なパワーを機体に与えるという問題は、4基のジェットエンジンが解決した。近年はロールス・ロイスとゼネラル・エレクトリックがエンジン製造を請け負っているが、当初はプラット&ホイットニーだった。
JT9D-3型というターボファン・ユニットが開発され、長い主翼に吊り下げられた。総合での推力はボーイング737の6倍にも及んだ。
サルーンの快適性にオフロード性能を融合
ボーイングでチーフエンジニアを務めていたのは、ジョー・サッター氏。彼のチームは、商用航空の分野に飛躍的な変革をもたらした。1度に400名以上の乗客を運べるだけでなく、約970km/hの巡航速度と9800kmの航続距離を実現していた。
ちなみに、ボーイング737の初期型は席数が115名、巡航速度は約930km/h、航続距離は約3000kmだ。移動時間が短縮されただけでなく、1名当たりのコストを大幅に削減することが可能だった。

ランドローバー・レンジローバー(初代/1970〜1996年/英国仕様)
そんなジャンボジェットの開発が始まる前から、グレートブリテン島ではランドローバー・ブランドの魅力を拡大するモデルの計画が練られていた。とはいえ、レンジローバーの生みの親でさえ、自動車市場へ与える影響の大きさまでは予見していなかった。
「サルーンの快適性やオンロード性能と、ランドローバーのオフロード性能を融合させるというアイデアでした。その頃は、まだ誰も取り組んでいない内容でした」。とローバーのスペン・キング氏が後に振り返っている。
当初生み出された「ロードローバー」は、惜しくも量産化には至らなかった。しかしローバーがブリティッシュ・レイランド傘下に収まると、1960年代後半に開発計画が復活する。当時のアメリカでは、ジープ・ワゴニアが人気を獲得していた。
現在まで受け継がれている、レンジローバーらしいフォルムを描き出したのは、デザイナーのデビッド・ベイチュ氏。別に開発が進められていたモデルの、平面的な面構成から派生したものだった。
この続きは後編にて。
