おしゃれも人生もいまが楽しい 黒田知永子さんの“素敵のヒミツ”

数々の人気ファッション誌の表紙を長年飾り、『素敵なあの人』世代の憧れでありつつ、“チコさん”と親しまれている黒田知永子さん。61歳になったいまも変わらず活躍し、その輝きは増すばかり。モデルの生き方の新たなレールを敷き続けている黒田さんのおしゃれ気分や人生観に迫ります。

マイ定番のひとつが黒を基調にしたデニムスタイル

「デニムはずっと欠かせない存在!」

「プラダのシンプルなタートルネックニットは、リピートしているマイ定番アイテム。自分らしいモノトーンでまとめつつ、今季は個性的なカーヴィーデニムを合わせるのが気分です。30代のときに購入し、最近長い革ベルトにつけ替えたエルメスのバックルで、アクセントをつけました」

好きな秋スタイルといえばワンピース×カーディガン

「秋の重ね着で好きなのが、ワンピースにカーディガンを羽織るスタイル。このカーディガンは、ユナヒカとコラボしたもので、アラン模様と肌触りのよさがお気に入り。スリットからチラッと見せたドーサの裾フリルキャミソールで、大人の甘さをひとふりしました」

キメ過ぎず抜け感のあるスタイルが好き

「おはようございま〜す!」とにこやかにスタジオ入りした黒田さん。この日は、「好きなスタイルのひとつ」と語る、オールブラックの装い。シースルートップスとツヤのあるパンツの異素材ミックスで、メリハリの利いたさすがのおしゃれバランスです!
「服って、毎日必ず着ないといけないものだからこそ、気に入ったものを身につけたいと思っていて。メゾンブランドとカジュアルアイテムを組み合わせて、キメキメじゃない、どこか抜け感のあるコーディネートを心がけています」

体のラインを拾わないワンサイズ上をチョイス

61歳とは思えないスタイルのよさ。私たちが年々感じるような体形の悩みとは無縁ですよね、と問いかけると「そんなことはないですって!」と笑います。
「40代に入って、急に肉づきがよくなったり、たるんだり、老け込んだ気がしたんだけど、いま考えると、あのころはピチピチだった(笑)。ここ数年、試着するときにチェックしているのは、体のラインを拾っていないかどうか。特にフィットするニットなどは、お肉の凸凹が出てないかすごく気にして見て、“これはいただけない!”となったら、ワンサイズ大きいものを選ぶようにしています。たとえば、ジョン スメドレーのニットなどは、シルエットが好みなのもあってメンズのSサイズにしたりも」

年を重ねたからって着ちゃいけないものはない

年齢を気にせず、若々しいコーディネートを無理なく着こなしている印象。コンサバとモードを上手く融合した絶妙なカジュアルスタイルは、読者の憧れの的に。
「カジュアルの加減って難しいですよね。好きなものが似合えばなによりですが、“うわ〜、がんばってる!”って思われないところで止めないといけないし(笑)。街や仕事先で、おしゃれでかっこいい年配の方と出会うと“やっぱりこうでなくっちゃ!”って思います。年を重ねて着にくくなるものはあるけど、着ちゃいけないものはない。私は、“ばかみたいに服が好きなのね”って思われるのもアリだな、と考えています」

とはいえ、「無理はしたくないっていうか、もうできない(笑)」とも語る黒田さん。
「大好きなアラン模様のニットでも、デザインが気に入ってもチクチクしたりゴワゴワしていたら、最近は諦めます。たまにヒール靴も履きますが、我慢はしたくないかな。ただ、楽だからと緩い服ばかり着ると、ときにだらしなく見えてしまうこともあるので、トータルバランスに気を配ったり、きれいめな素材やシルエットを選ぶようにしています」

ポジティブなのがとりえ! 前を向くようにしています

ファッション誌『JJ』で活躍後、24歳で休業し、結婚、出産を経て34歳のときに『VERY』のモデルとして復帰した黒田さん。その後も、途切れることなく『STORY』『eclat』の表紙を長年飾り続け、現在もレジェンドの域に達しながら現役として活躍しています。

この実績は、出版社からの絶大なる信頼と、たくさんの読者から愛されている証し。モデルの新しいキャリアを開拓し続けるには、相当な努力や覚悟があったに違いありません。
「ハコちゃん(作家・岩下尚史さん)からは、『あんたみたいに脳天気な人が、いろんな雑誌の表紙を飾れるなんて、本当に幸せな女よね。私だって表紙に出たいのに!』ってよく言われます(笑)」

モノマネをまじえ、取材スタッフたちを笑わせながら自嘲する黒田さん。なにを伺っても笑い話にしたり、「自分の力というより、本当にまわりの皆さんのおかげなの」と謙遜したりするなかで、ふと「求められた仕事に関しては流れに逆らわず、モデルとして最低限の準備はし続けていたかなー」とポツリ。「それにね、私、とてもポジティブなの。振り返らず、前を向いてきたのがよかったのかも!」とも。苦しかったことなどは語らない強さ、人間力の高さが魅力として輝き、人々の心をつかんで離さないのかもしれません。

健康に気をつけながら笑って過ごしていきたい

「子育ても終わって“こうあるべき”“こうしなきゃ”というようなしがらみがなくなったいまがいちばん自由なとき。好きな仕事を続けながら、仲よしと“お笑いゴルフ”をしたり、かたい体でヒーヒー言いながらやる“拷問ヨガ”が楽しい。コロナ禍で気軽に外出できなくなってしまったけど、もっとおいしいものを食べに行ったり、大好きな旅行も復活させたい。健康に気をつけつつ、可愛過ぎる愛犬と愛猫と仲よく過ごしながら、笑いに満ちた生活を送れたらいいなと思っています」

日々の楽しみ・夢中なもの

大切な家族としていなくてはならない存在

保護犬のとろろ、保護猫のむぎ&ごまと過ごすようになって11年。「ほんとーに可愛くていいコたち。みんなと仲よく過ごしています」

ハコちゃんとの「女史会」

黒田さんのインスタグラムにたびたび登場する作家の岩下尚史さんは気の置けない友人。「『女史会』と称した食事会や、不定期開催しているオンライン配信のトークショー『チコとハコのボンボニエール』などで楽しんでいます」

なかなか上手にならないけどゴルフ好きになりました!

ときを経て復活したのがゴルフ。「暑いのが大っ嫌いなのに、今年の夏は月4、5回行きました。ジムで運動するのは苦手だけど、自然のなかでラウンドするのは気持ちよくて好き!」

ずっと大切なおしゃれの相棒

思い入れが強いマイヴィンテージ

シャネルのツイードジャケットは、約20年前のもの!「当時、がんばって買った思い入れがある一着。デニムパンツやニットパンツのようなラフなボトムスと合わせています」

ワンサイズ上げてルーズにはくのが気分

写真右のデニムパンツはプラダで、それ以外はユナヒカ×チエコ。「ワンサイズ上げた、ルーズなシルエットがいまの気分」。風合いが楽しめるストレッチなしのものが好みなのだそう。

布バッグでカジュアルダウン

「きれいめスタイルのハズし役として投入しています」。グリーンのべロアバッグはルレアッシュ、黄色バッグはユナヒカ、犬猫刺しゅうバッグはコーラルアンドタスクのもの。


PROFILE/黒田知永子(くろだ・ちえこ)さん

モデル。1961年、東京都生まれ。雑誌『VERY』『STORY』『eclat』で初代カバーモデルを歴任。stand.fm『黒田知永子のChiko plusチャンネル』は“5”のつく日に配信中。Instagram @kuroda_chieko




撮影/西粼博哉[MOUSTACHE]
ヘア&メイク/徳田郁子
文/三宅桃子
(素敵なあの人 2022年12月号)

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※ 『eclat』の「e」は正しくはアクセント符号がついたものです

WEB編集/FASHION BOX