かつてインドを植民地支配していたイギリスでは、インド系移民が多いこともあり、カレーが非常に人気のある料理となっています。最近ではイギリスから伝わった日本式のカレーイギリスに再輸入されて人気となっており、特にカツカレーが空前の大ブームになっているとのこと。このカツカレーブームの火付け役になった、1992年にロンドンで創業した日本食レストランの「Wagamama」のカツカレーがどんな味なのかめちゃくちゃ気になったので、実際にロンドンで食べてみました。

wagamama | home

https://www.wagamama.com/

Wagamamaは、1992年4月22日にロンドンのブルームズベリーでオープンした麺料理店からスタートしたチェーンで、日本で生まれたカツカレーイギリスに初めて紹介したといわれています。今回はWagamamaのホルボーン店にやってきました。住所は「ground floor, 123 kingsway basement and, London WC2B 6PA」です。

Wagamamaのホルボーン店に到着。



日本食レストランということで、メニュー表を見ると焼き鳥やラーメンの写真が載っています。また、「donburi」「teppanyaki」などの名前もありました。なお、Wagamamaの創業者は香港出身であり、日本人ではありません。



非常に広く明るい店内で、まるで大学の学生食堂のように長いテーブルがいくつも並んでいます。



メニューの「curry」の欄に「katsu」があったので、「chicken」を注文しました。



注文したメニューの番号とテーブル番号を、テーブルに敷かれた紙のランチョンマットに店員が書き込みます。このランチョンマットに記載されているQRコードをスマートフォンで読み込むことで、注文の代金をクレジットカード決済で支払える仕組みです。



テーブルの上には減塩しょうゆと普通のしょうゆ、イギリス料理ではおなじみのモルトビネガー、カトラリー類が置かれていました。



15分ほど待って運ばれてきたカツカレーがコレ。価格は11.7ポンド(約1900円)で、日本よりも相場は高めといえます。日本の一般的なカツカレーはご飯の上にカツが載っていますが、Wagamamaのカツカレーはなぜかカツの上にご飯が載っているのに衝撃を受けました。Wagamamaの公式レシピサイトでは「唯一無二。カツカレー。このWagamamaの伝説は間違いなく日本のコンフォート・フードです」と説明されていますが、日本でおなじみのカツカレーとはかなり異なる見た目です。



長辺131.5mmのiPhone 12 miniと並べて大きさを比べたところ。



ルーはやや黄色味がかっていて、具は何もはいっていません。ルーの量はご飯とカツに対して明らかに少ない印象。



カツは薄い鶏肉を揚げたもの。現地在住の人に話を聞くと、イギリスにはユダヤ教徒やイスラム教徒が多く、日本ではおなじみの豚肉を使ったカツはNGとなるケースがよくあるため、カツといえば鶏肉になるとのこと。



付け合わせのサラダはこんな感じ。



まずはルーをご飯に絡めて食べてみます。見た目はカレーなのですが辛さはまったく感じられず、カレーとしてはかなり甘口でスパイスの香りはほとんど感じられません。レシピを見るとチキンストック・カレー粉・ターメリック・しょうゆの他にココナッツミルクと砂糖が入っているとのことで、小さな子ども向けのカレールーからさらに刺激を抑えた感じ。ご飯は日本と同じジャポニカ米ですが、食感は少しパサついている印象を受けました。



今度はカツと一緒に食べてみました。カツの中身は脂身が少なく締まった鶏肉で、あっさりしています。衣は揚げたてでサクサク。ただし、やはりご飯とカツに対してあまりにもルーの量が少ないので、食べる時の調整に苦労しました。また、カレールーの味の主張がきわめて弱いので、チキンカツの味がカレーの風味に飲み込まれておらず、日本のカツカレーとはかなり異なる味わい。気になる人は機会があれば、ぜひ食べてそのギャップを確かめてみてください。