オンラインゲームにおけるチート行為はゲームバランスを崩壊させてユーザー離れを引き起こす原因となることから、ゲーム開発企業はチート行為を行ったユーザーにゲームプレイ禁止措置を施したり、チート行為をAIを用いて検出したりと、さまざまなチート対策を行っています。そんな中、あらゆるFPSゲームでオートエイムを可能にし、PCだけでなくPlayStationやXboxなどの家庭用ゲーム機にも対応したチートツールが開発されました。

Cheat-maker brags of computer-vision auto-aim that works on “any game” | Ars Technica

https://arstechnica.com/gaming/2021/07/cheat-maker-brags-of-computer-vision-auto-aim-that-works-on-any-game/

開発されたチートツールが実際に動作する様子は、以下のツイートに添付されたムービーから確認できます。





以下はプレイヤーがスコープをのぞいている場面。うっすらと赤い枠が中央付近に描かれているのが見えます。この赤枠は敵の検出エリアとのこと。



敵プレイヤーが赤枠内に入ると、敵を囲うように青い枠が出現し……



次の瞬間には撃ち倒されてしまいました。この青枠は、検出した敵を示す機能のようです。



チートツールの設定画面をいじると……



敵プレイヤー検出エリア(赤枠)のサイズを変更することも可能です。



さらに、銃撃する部位を頭部・胴体・脚部の3つから選択する設定項目も用意されているようです。



このチートツールが話題を呼んでいるのは、検出困難と考えられる仕組みが採用されているため。テクノロジー関連メディアのArs Technicaによると、今回開発されたチートツールはPCや家庭用ゲーム機で動作しているゲームの映像をキャプチャーボードを介して別マシンに転送し、転送された映像をAIを用いて解析することでキャラクターの位置を認識して、照準を合わせるために必要なマウス&キーボードの操作を割り出した上で「Cronus Zen」や「Titan Two」などの各種コンバーターを介してキャラクターを操作しているとのこと。Ars Technicaは「この手法に用いられている個々の技術は、悪用を目的としたものではありません。しかし、それぞれを組み合わせることで、ゲームソフトに変更を加えたり特定のハードウェアに依存する必要のないチートツールが開発されました。これは、まるで3Dプリンターで銃を作成するようなことです」と述べています。

今回開発されたチートツールの開発者は、Ars Technicaに対して「私たちのチートツールは、ゲームファイルに変更を加えることはありません」と述べ、チートツールの検出が困難であることをアピールしています。これに対して、人気FPSゲーム「VALORANT」のチート対策チームを率いるフィリップ・コスキナス氏はプロゲーマーがマウスの動きを修正するツールを用いていたことを検出した実例を挙げて、ソフトウェアによる自動検知と人間によるチェックを併用することで多くのチートを検出できると反論しています。

世界一プレイされているゲームはチート行為にどうやって対抗しているのか? - GIGAZINE



また、チートツールの開発者も「ゲームがうまいプレイヤーは、キャラクターを素早く操作します。私たちのツールはそれよりも素早くキャラクターを操作できます。私たちは、キャラクターを非常に素早く操作できるプレイヤーが、チートツールを使っていると誤解された事例を知っています」と述べ、操作速度の速さを基にチートツールが検出される可能性を認めています。

Ars Technicaは「外部のマシンを用いて映像認識を行うという手法は、チーターと対策チームの終わりなき戦いの最前線です。人工知能関連技術の開発が進むにつれて、チートツールの検出は困難になると考えられます」と締めくくっています。