サンシャイン水族館(東京都豊島区)で「夜のサンシャイン水族館 もっと性いっぱい展」が始まっている。昨年開催され話題を呼んだ「性いっぱい展」の第2弾とあって、今回の期待度もMAXだ。開催直前に行われたプレスデーで体験してきたので、さっそく見どころをご紹介したい。

イベント開催中は館内照明や水槽がピンク色に変化。ムーディーで大人な雰囲気となっている(写真は海月空感の「クラゲスクリーン」)


○触覚や嗅覚も刺激する体感型イベント

さまざまな角度から生き物の“性”にスポットを当てる今回の展示イベント。水槽の前では通常の解説とは別に、性に関するイラスト付きパネルや貴重な交尾の瞬間を収めた動画を見ることができるので、展示されている生き物の“性”生活をより深く理解できる。運が良ければ、パネルや動画で紹介されているシーンを目の前の水槽で実際に目撃できるかもしれない。

水槽の前に設置されるイラスト付きパネル。イベント対象魚の水槽はライトが通常色となっている(「海月空感」は除く)


来るべき時に備えて巣作りに励むイエローヘッドジョーフィッシュ(オス)。産卵時のみ巣にメスを招き入れ、卵を産み終えると巣から追い出すというコンプライアンス違反の魚だが、実は器の大きい熱心な育メンだ


頭部にオス、臀部にメスの生殖器を持つ雌雄同体のタツナミガイ。彼らは特殊な方法で交尾を行うことが可能というが果たして


入場時に配られる「愛のトキメキプロップス」も、本イベントを楽しむための重要なアイテムとなる。ちょっと卑猥な形をしているが、これを使ってトラフザメの“アソコ”の硬さがチェックできるというから驚きだ。

入場時に配られる「性いっぱい袋とじ」(左)と「愛のトキメキプロップス」 (右)。「性いっぱい袋とじ」には“見た目が◯◯な生き物”のきわどいグラビアを掲載。心して開封してほしい


使い方は簡単で、入場してすぐのところにある「ツンツンの壁」の穴に「愛のトキメキプロップス」の先端部分を入れてツンツンすればOK。ほかにも、ペダルを踏むことで生き物が存在や性をアピールする際に発する匂いが嗅げる「クンクンの壁」を用意。いずれも日常では経験できない貴重なものだけに、来場時は必ず体感していただきたい。

トラフザメが描かれた「ツンツンの壁」。ドキドキしながら穴に「愛のトキメキプロップス」を挿入しよう


○屋外エリアに展示されるシロナガスクジラの巨大な◯◯◯

屋外エリア「マリンガーデン」では「模型展示」に注目したい。ここでは、シロナガスクジラのペニスの原寸大レプリカが堂々と陳列されている。大きい個体では全長30mにもなる世界最大の生物・シロナガスクジラ。そのペニスの大きさも動物界トップに君臨し、根元まで含めるとその長さは5m近くに達するというから随分と立派なものをお持ちだ。

模型展示のほか、カリフォルニアアシカやコツメカワウソ、ソードテールなどに出会える「マリンガーデン」


展示されるレプリカは約3.5mの大迫力。ここまでくるとちょっとした丸太のようにも見える


その横に並ぶのは、ラッコとセイウチの陰茎骨(いんけいこつ)だ。陰茎骨とは哺乳類の男性器の中にある骨のことだが、人間やシロナガスクジラなど、一部には持たないオスもいる。ちなみに、展示されているシロナガスクジラとセイウチの模型は、本イベントのためにサンシャイン水族館のスタッフがこだわりぬいて作り上げた力作なのだとか。その努力をぜひとも感じてほしい。

ラッコとセイウチの陰茎骨を見比べる機会もそうはないだろう


イベント中は、今夏にオープンしたばかりの新エリア「海月空感」がピンクに染まり、館内には通常とは違うBGMが流れるなど、幻想的な空間に変貌しているサンシャイン水族館。恋人と待ち合わせて一緒に出かけてみると、いつもとは違った刺激があって面白いだろう。家族連れやお一人様はもちろん、学術的に興味があるという好学の士にもオススメできるイベントだ。

国内最大級となる横幅約14mのミズクラゲの水槽「クラゲパノラマ」


海の中を散歩しているような気分が味わえる「クラゲトンネル」


見た目が◯◯に似ている生物を集めた特別水槽






左からメバル、ゾウギンザメ、ミズクラゲ






左からアカクラゲ、ディスカス、二ホンアマガエル


■開催概要

会期:2020年11月5日まで

時間:18:30〜22:00(最終入場21:00)のナイトタイム

入場料:一般(大人)2,400円、こども(小・中学生)1,200円 、幼児(4才以上)700円

※年パス会員は半額

安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。twitter:@andYSYK。 この著者の記事一覧はこちら