by jdegenhardt

ガラパゴス諸島のエスパニョラ島に生息する固有種のエスパニョラゾウガメ(Chelonoidis hoodensis)は、かつて絶滅の危機に瀕していましたが、「ディエゴ」という1匹のオスが交尾しまくって800匹もの子孫を残して危機は回避されました。めでたく種を絶滅から救ったディエゴは「種カメ」としての役目を終え、数十年ぶりに生まれた島であるエスパニョラ島に帰還したと報じられています。

Diego, The Magnificent Hero of The Galapagos, Has Finally Returned Home

https://www.sciencealert.com/diego-a-stud-of-a-giant-tortoise-is-finally-back-home



エスパニョラゾウガメの繁殖プログラムは、ガラパゴス諸島におけるリクガメの繁殖プログラムの一環としてスタートしました。プログラムが始まった当初、野生の個体数はメス12匹、オス2匹しかいなかったため、プログラムを実行するために飼育下にいる繁殖に適したエスパニョラゾウガメを探し、種カメとしてサンタ・クルス島のガラパゴス国立公園まで連れてくる必要がありました。

当時、カリフォルニア州のサンディエゴ動物園で飼育されていたディエゴは、ガラパゴス諸島のリクガメであることは知られていたものの、正確な種までは知られていませんでした。そこでディエゴのDNA検査を行ったところ、ディエゴがエスパニョラゾウガメであることが確認されたため、種カメとしての役目を期待されて1977年にディエゴはサンタ・クルス島まで移送されました。

体重約80kg、高さ1.5m、首や足を伸ばすと全長90cmもの大きさになるディエゴは、サンタ・クルス島で種カメとして驚異的な働きを見せ、メスとの交尾を繰り返して実に800匹もの子孫を残すことに成功。プログラム終了までに生まれた個体数は2000匹にも及びますが、その40%近くがディエゴの働きによって生まれたそうです。

2020年1月10日、数多くの子孫が生まれたことや外来種の撲滅、エサとなるサボテン栽培の成功などを受けて、ガラパゴス国立公園当局は「繁殖プログラムの終了」を決定。これにより、すでに100歳を超えていたディエゴは数十年にわたった種カメとしての役目を終えることとなりました。

交尾しまくって1匹で種の絶滅を食い止めた絶倫カメ「ディエゴ」が現役引退へ - GIGAZINE



そして2020年6月15日、エクアドルの環境大臣であるPaulo Proaño Andrade氏が、繁殖プログラムに貢献したディエゴを含む15匹のエスパニョラゾウガメがエスパニョラ島に帰還したことを報告。「あなたの島は両手を広げて歓迎します」と、Andrade氏は述べています。



ディエゴたちがエスパニョラ島の生態系に影響を及ぼさないよう、島に上陸する前には一定の検疫機関を設けられ、植物の種子などを持ち込まないように配慮されたとのこと。そして6月15日、ディエゴたちは数十年ぶりにエスパニョラ島に戻ることができました。

なお、ディエゴはプログラム開始時点で30年以上にわたってサンディエゴ動物園で飼育されていましたが、元々はエスパニョラ島で生まれた個体だとのこと。ディエゴは1920年より前にエスパニョラ島で生まれ、1928年〜1933年ごろに捕まえられてアメリカへと送られたそうで、ディエゴは実に1世紀ぶりにエスパニョラ島へ帰還したことになります。



by Anita Gould