ヨドバシカメラ(WikimediaCommonsより、Syced撮影)

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大手家電量販店「ヨドバシカメラ」の新型コロナウイルスへの対応をめぐり、同社の従業員を名乗るツイッターアカウントが、内情を晒(さら)す動きが相次いでいる。

多くは労働環境の是正を求める声で、「感染者の公表を隠していた」との憶測も拡散している。一方、広報は取材に対し、一部の情報を否定した。

「社員悲鳴 ヨドバシカメラ時短せず」

「もう限界です...」「社員や販売員は恐怖の中働いてます」「コロナ感染の方が出たってお話。事実です」――。緊急事態宣言の発令以降、ヨドバシカメラの従業員や関係者を名乗る複数のツイッターユーザーから、こうした声が続出している。

接客業で感染リスクが高いにもかかわらず十分な対策を講じていないとの批判や、横浜店(神奈川県横浜市)で発生した従業員の感染を意図的に隠していたのではないか――との憶測だ。

ツイッターのまとめサイト「togetter」では、

「社員悲鳴 ヨドバシカメラ時短せず マスク着用も禁止指示か コロナ感染の情報も」(4月8日作成)
「ヨドバシカメラ横浜店 コロナ感染者発覚からその後の対応に疑問の声」(10日作成)

とのまとめが作られ、あわせて約28万ページビュー(10日現在)を集めている。

内情を明かす複数のアカウントに、入館証などヨドバシカメラに従事することがわかる資料を提出してもらった上で詳細を聞いた。

社長来店でマスク外す?

東京都内の店舗で働く20代の社員は、「3密」がそろう環境での接客に恐怖を覚え、せめて営業時間を短縮してほしいと訴える。

「従業員の接触ももちろんそうですが、マスク着用を義務づけられていないお客様方との接触、外部から来る方との密閉空間での密接な接客、特に一階以外は換気が悪くて窓もないので。そして大型店舗なので密集します。2メートルの距離は接客業ではとれません。とれて30センチです」

これまではどんな理由でもマスク着用は禁止だったという。40代のメーカー販売員は「インフルエンザが流行している時期でも絶対に認められませんでした」と話し、新型コロナウイルスの感染拡大でようやく許可されたと漏らす。しかし、経営幹部が巡回に来る際(社内用語で「7番」)は、店長やマネージャーから外すよう指示があるという。

また、同社は4月9日、横浜店のメーカー販売員が7日にPCR検査で陽性が出たと発表したが、8日頃から感染者が出たとの報告がツイッターで広がっていたため、隠蔽しようとしていたのではないかとの憶測も出ている。同店は9日夜から臨時休業している。

マスクルールや隠蔽のうわさは否定

ヨドバシカメラの広報担当者は10日11時、J-CASTニュースの取材に、緊急事態宣言後、感染リスクの観点などから店舗の体制を変えて人員を減らしたという。

現時点で営業時間の短縮や臨時休業などの予定(※)はなく、接客時に距離をとり、手の消毒や手洗い・うがいを徹底するよう従業員に伝えたとする。

※取材後、同社は公式サイトで全店舗の営業時間短縮を発表。17時の再取材に対し、広報は「東京都や神奈川県の休業要請を受けて休業も検討中」と話した。

マスクについては事実と異なり、「だいぶ前から社員の自主性に任せて、必要な方は付けると確認しております。なぜそう言われているのかわかりませんが、このように伝えています」と困惑。

「7番」という社内用語は「社内の個別の案件ですので、お答えは控えさせていただきます」とし、重役の巡回時のルールは「基本的にはあり得ないと思います。初めて聞いたので、社内で確認したい」と答えた。

横浜店での感染発覚の経緯は「感染者がいるとの情報をさまざまな形で昨日把握し、派遣元のメーカーに事実確認をしました」と説明。「事実確認に時間を要してしまいました」としつつ、ネット上の憶測は明確に否定した。