新聞の大チョンボだーー。

大阪府寝屋川市の中学生が殺害、遺棄された事件で、同市在住の山田浩二容疑者(45歳)が逮捕されたのは8月21日のこと。

この事件を伝えた新聞社の報道内容に致命的な誤報があったのだ。関西のTV局関係者が言う。

「中日、毎日、朝日の各紙が22日から23日にかけて相次いで、『山田容疑者が2003年に愛知でも、20代女性を監禁してケガを負わすという事件を起こしていた』と報じたのですが、これが事実誤認だったのです」

25日になって様相が一変。「山田容疑者について、『03年には愛知県内で別の監禁事件を起こし、逮捕されている』とあるのは誤りで、この事件とは無関係でした。おわびして削除します」(毎日新聞)などと、各紙が一斉に訂正に動いたのだ。

一体、何があったのか? 中日新聞の寺本政司社会部長に聞いてみた。

「当初、山田容疑者が03年にも愛知県で監禁事件を起こしていたとの情報を得たので、出稿しました。ところがその後、03年に逮捕された人物と山田容疑者は別人ではないかとの疑義が生じたため、22日朝刊最終版で記事を取り下げました。確認取材が不十分で、間違った記事を掲載してしまったことについては反省点が多いと考えています」

ただ、この釈明を聞いても、なぜ山田容疑者を愛知の監禁事件の犯人と取り違えたのか、よくわからない。

この疑問に前出のTV局関係者がこう耳打ちする。

「実は山田容疑者と愛知の監禁事件で逮捕された人物は、プロフィールが“酷似”していたんです。さらに犯行の手口まで同じようなものだった。そのため、新聞各紙はうっかり、両方の事件とも山田容疑者が犯人と錯覚してしまったというわけです」

03年の愛知の事件は、被害者の20代OLはコンビニの駐車場で脅かされて手足を粘着テープで縛られた上、車で犯人のマンションに拉致監禁されている。車、粘着テープ、拉致・監禁と、犯行の手口が今回の遺棄事件とうりふたつなのだ。

しかも、犯人のプロフィールもほぼ同一ときてる。これでは新聞社が錯覚したとしてもおかしくない。犯人逮捕の時間が夜遅かったことも響いたようだ。

「山田容疑者が逮捕されたのは21日午後8時22分のこと。朝刊の原稿は遅くとも翌日の午前2時頃までには出稿しないといけない。締め切りまでほんの数時間しかなかったため、事実確認が間に合わず、誤報をそのまま朝刊に載せてしまったのでしょう」(前出・TV局関係者)

とはいえ、容疑者を取り違えるなんてあってはならないこと。愛知在住のジャーナリストもこう苦言を呈する。

「中日新聞の社会部記者は『お恥ずかしいかぎり。やっちゃいました…』とうなだれていました。確かに、ここまで犯人のプロフィールが酷似していることは珍しいですが、二重三重に確認するのが鉄則。新聞社が劣化しているといわれても仕方のない事件です」

ネットの情報は玉石混交といわれる時代だけに、新聞は正確な報道を心がけてほしい。

(取材・文/ボールルーム)