Amazonがプライム会員向けに無料・容量無制限の写真ストレージサービス「Prime Photos」を開始しました。本当に容量が無制限なのであれば、写真を大量に撮影する人はよいバックアップ先を得られることになりますが、保存するファイル数に限界はないのか、JPEG画像だけではなくRAW画像もちゃんと保存できるのか、ムービーファイルが混ざっていても大丈夫か、などの使用上で気になるポイントをHiram Softwareが300GB以上のファイルをアップロードして確認してくれました。

Amazon Prime Photos: Impressions after 300 GB | Hiram Software Blog

https://blog.hiramsoftware.com/blog/amazon-prime-photos-impressions-after-300-gb/

Hiram Softwareは起業時の経営戦略や製品開発などを助けるコンサルティンググループ。Prime Photosの開始を聞いて「どれぐらい使い物になるのかをまずはチェックするものですよね」と、試すことにしたそうです。ブログの筆者が気にしたポイントは以下の5点。

・1:JPEG画像だけではなく、RAW画像もアップロードできるのか?

・2:Cloud Driveはオリジナルの状態で保存しているのか?

・3:写真は何枚まで保存可能なのか?バックアップ先の選択肢の1つとして信頼に足るものか?

・4:自分のスマートフォンと妻のスマートフォンの中身を同一のアカウントに保存することはできるのか?

・5:既存のバックアップシステムとうまく連携する?

手元環境にWindows PCがなく、Mac向けのソフトウェア・アプリが存在しないということで、まずはウェブブラウザを使い、直近の旅で撮影した写真(JPEG画像・RAW画像・ムービーファイル)すべてをアップロード。



この過程で、いくつかのファイルはアップロードに失敗。このとき、エラーメッセージが表示されてアップに失敗したファイル名がどれかはわかるのですが、アップロードするときに選択したフォルダ内に複数のサブフォルダがあったとしてもファイル名のみの表示なので、「どのフォルダに保存していたファイルなのか」がわかりづらいのが難点。筆者は「再アップロード時のために、フルパスを表示して欲しい」と要望しています。



なお、ファイル名重複が起きるとこのような「上書き」か「スキップ」かを選ぶダイアログが表示されます。



◆1:RAW画像もアップロード可能

アップロードしたフォルダ内にはムービーファイルが15本、RAW画像が1500枚、JPEG画像が2500枚ありましたが、RAW画像も問題なくPrime Photosに保存することができました。Hiram Softwareによると、Prime Photosのドキュメントには「RAW画像の保存はできない」ような内容が含まれていたので実際にやってみたとのこと。



◆2:オリジナルファイルと同一のものが保存されている

これはかなり大きなポイントなのですが、Prime Photosに保存されたファイルの名前・ファイルサイズ・ハッシュ値を確認したところ、オリジナルのものと同一だったとのこと。

オンラインに写真を保存しておけるサービスはAmazon S3・Dropbox・Flickr・iCloud・iPhotoなどいろいろありますが、いずれもファイルはオリジナルとは微妙に異なります。ファイルサイズを削っていたり、メタデータを追加・削除していたり、個人情報保護だったりと、その理由は様々。写真をみんなに見てもらうために公開している時にはメタデータが追加・削除されていたりしても困ることはないのですが、ファイルの保存を目的としている場合、勝手に変更されるのは困るもので、その点においてはPrime Photosは他のサービスに比べて優れていると言えます。

◆3:保存枚数は「無制限」

Hiram Softwareも無限にある写真をアップロードしたわけではないので「底なし」とは言えないものの、少なくとも350GB分のファイルをアップロードしても枚数制限には引っかからなかったそうなので、今のところ「枚数も無制限」だと言えそうです。

グラフ下の文字を見ると「84,883 Photos 339.6GB Free」とあって、340GBの写真を無料で保存できています。



ただし、AJAXを利用してブラウザ経由でアップロードするという都合上、30分するとアップロードがハングアップするという弱点があるため、ブログの筆者はタブを5つ同時に開いて並列アップロードを行い、さらに、Greasemonkeyでスクリプトを書いて、もう1つのタブではcookieをリフレッシュさせ続けたとのこと。

アップロード速度はAmazon S3を使ったときの半分ぐらいなので、「高速」ではあるけれど全ての写真コレクションをバックアップするという目的であれば厳しいかも。前述のハングアップ問題もあって、完全放置するわけにはいかないという面もあり、まだ友達に勧めるレベルには到達していない、と筆者。「完璧なソリューションとは、セット後は忘れても大丈夫なものだ」と、今後の改良に期待するコメントを残しています。

◆4:2台のスマートフォンの中身を同一アカウントにバックアップ可能

ブログの筆者が本人と奥さんのスマートフォンにそれぞれアプリをインストールして、同一のアカウントに向けてデータをアップロードしたところ、問題なく保存に成功し、お互いの写真を見ることもできたとのこと。

◆5:他のデバイスとの同期ができないのでダウンロードに関して問題あり

「アップロードするだけ」の一方向であればバックアップとして内容を保存していくことに問題はないのですが、アップ&ダウンがセットになる「同期」はできないので、マスターファイルをバックアップしておく先にするのは、まだ時期尚早なようです。

ちなみに、「Amazon Cloud Driveに登録すると5GBの無料ストレージがもらえて、Amazonプライム会員なら容量無制限のPrime Photosが使えるようになった」ということなので、プライム会員をやめた場合、無料ストレージは5GB分に戻ります。その場合、プライム会員の登録を解除しても容量オーバー部分は削除されるわけではなく、「プライム会員になって無制限のストレージを手に入れよう」というメッセージがひたすら出てくるだけだとのこと。



現状でも相当使えるサービスのようですが、日本での提供はあるのでしょうか……。