実力を見せた連覇。若きチャンピオン高橋巧・村上斉。<ビーチバレー>
「昨年、この大会で優勝したことで今の会社に就職できた」とビーチバレージャパン連覇の意義を、村上は語る。高橋も「僕も同じく連覇できて、職員として採用してもらった大学に恩返しができた」と話す。昨年の優勝は就職口だけでなく、彼らにとっては大きな自信となり、今年6月のアジア大会日本代表決定戦の優勝にも繋がった。それゆえ、代表決定戦後はこの大会の連覇へ照準を合わせてきた。
準決勝の相手は同じく日本代表の上場雄也・長谷川徳海組(フリー)。シリーズAでは大洗大会、グランフロント大阪大会に続き3回目の対戦。過去2回とも準決勝であたりフルセットのすえ敗れ、高橋・村上組にとっては大きな壁となっていた。さらに「上場さんたちはワールドツアーを転戦している。そのチームとどう戦えるかが僕らの基準となる」(村上)と大きな意味のある対戦だった。
その準決勝、高橋のディフェンスを中心に組み立て、上場・長谷川組の高さに対抗した。過去の敗因だったミスを減らしていくことで、完全に試合を把握できない状況でもサイドアウトを切り我慢。派手なガッツポーズが何度も飛び出し観客をも味方につけると、因縁の相手を今回はストレートで下した。
勢いを持ったまま決勝戦へ。しかし2日間で5試合目となる疲労は動きを鈍らせた。さらに連覇の重圧も。「第1セットは僕が硬かった」と言う村上の攻撃が通用せず、あっさりセットを落としてしまう。
第2セットは開き直った。高橋が強力なジャンプサーブと回転を重視したサーブで緩急をつけると、清水・畑辺の攻撃リズムが狂いミスを連発。清水は「第1セットは作戦がうまくいった。そこまではよかったが…」と話す。しかし高橋・村上も主導権を握ったわけではなく「命からがら」セットを取った。
最終セットは、体力的な厳しさも加わり攻撃力が低下してきた高橋・村上組とリズムを取り戻せない清水・畑辺組の我慢比べに。唯一安定していた高橋のレシーブが得点に繋がるようになるとセット中盤から一気に突きはなした。負けた清水は「追いつくところまではできたが追い越せなかった。それは(彼らに)力があるということ」と覇者を称えた。
村上は「今シーズン、競ってマッチポイントを握りながら負けた試合があった。決勝戦の途中で、これで優勝できれば力があるということだと思いながらプレーしていた」と話す。事実、経験豊富な土屋宝士・西村晃一組(WINDS)、日本代表の上場・長谷川組に勝ったことは実力がある証だ。他国のチームに対し高さのない彼らは「いかにサイドアウトを切るか、我慢できるか」(高橋)とアジア大会での戦い方を考えている。その点においても道筋が見えた。若き日本チャンピオンがひと月後に迫った仁川アジア大会に旋風を起こすのかもしれない。
(取材・文=小崎仁久)
主な結果は次の通り。
□女子準決勝
西堀・溝江2(21-9/21-17)0幅口・村上
浦田・永田2(21-18/21-15)0松村・松山
□女子決勝
西堀・溝江2(21-12、21-10)0浦田・永田
□男子準決勝
上場・長谷川0(17-21/18-21)2村上・高橋(巧)
仲矢・畑0(21-19/21-18)2清水・畑辺
□男子決勝
村上・高橋(巧)2(15-21/21-18/15-7)1清水・畑辺
▼ 2回目の頂点に立った、村上斉/高橋巧ペア


▼ 優勝を果たした、村上斉


▼ 準優勝の清水啓輔


▼ 3位に終わった長谷川徳海(右)

過去二度勝っていた高橋・村上組に準決勝で敗れた

過去二度勝っていた高橋・村上組に準決勝で敗れた
▼ 3位に入った、上場雄也・長谷川徳海ペア


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