コート奥のチーム。草野歩・藤井桜子ペアがツアー初戦を制した

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 2014JVAビーチバレーボールシリーズA・南あわじ大会は29日、慶野松原海水浴場(兵庫県南あわじ市)にて男女決勝などが行われた。男子は西村晃一・土屋宝士組(WINDS)がアジア大会日本代表である上場雄也・長谷川徳海組(フリー)をフルセットの末、下し優勝。女子決勝は日本代表チーム同士、草野歩(ミキハウス)・藤井桜子(日体大)組と幅口絵里香・村上めぐみ組(オーイング)の対戦となったが、草野・藤井組がストレートで下した。

 ビーチバレーボールシリーズAは、今シーズンから日本バレーボール協会(JVA)が直接主催する国内のトップツアー。昨年まで9年続いたプロツアーとは様相が変わり「東京五輪での金メダル獲得を目指し、選手の強化を第一の目的」に掲げる大会となった。今年度は全5大会。南あわじ大会はその開幕戦である。

 女子決勝にはその「強化」の名にふさわしく、9月に韓国・仁川で行われるアジア大会の日本代表チームがともに上がってきた。

 初対戦となった両チームだが、JVA強化指定選手である草野・藤井組が第1セットから地力を見せた。今季成長著しい幅口・村上組が、村上のサーブや速いトス回しなどで相手をかく乱しようとするが、草野が冷静に対応。若い藤井に常に指示を出し、ツーアタックで切り返すなど、幅口・村上の攻撃を封じ込めた。「藤井が最後までがんばった」(草野)と、藤井も草野の要求によく応え、アタックではよく腕が振れ、サーブでも効果的なポイントを取った。草野・藤井は第2セットも主導権を譲らずストレートで代表対決を制した。

 負けた村上は「あれが普通の試合だと思っている。相手に乱された時のパス・トスの精度が重要で、小さい私たちは転んでボールを上げるのが当たり前。それを点につなげなくてはいけない」と話し、幅口も「練習の中ではわかっていたことが試合で明確になった。アジアはもっとすごい」とアジア大会への指針を再確認した。

 男子決勝の両チームの対戦は、前週のオープン大会に続き2週連続。結果も2週連続で西村・土屋組が制した。

 日本代表組は上場のトスと長谷川の強打のタイミングが合わず、序盤はミスから失点があったものの、上場のジャンプサーブなどで挽回。西村・土屋組はリードされて終盤を迎えたが、19−19と連続得点で追いつき、相手の長谷川のミスショット、土屋のブロックポイントで第1セットを奪取した。第2セットは土屋のミスもあり一方的にセットを失ったが第3セットはベテラン西村の真骨頂。「戦術通り」(西村)と、サーブを長谷川へ集めていたところで、急に上場に狙いを変更。不意を突かれた上場は切り替えが遅れ、ミスから失点。試合の主導権を西村・土屋組に渡してしまった。

 西村は「作戦がはまった。長谷川はクロスによく打てていたから、気持ち良く打たせて泳がせて、上場を走らせることを考えていた。土屋には、勝てるから信じてくれと言っていた。新しい大会の1回目だったのでどうしても勝ちたかった」と話す。

 このビーチバレーボールシリーズAには男女各24チームが参加した(リザーブを除く)。チームあたり最大7試合を戦い、最終日は準々決勝から決勝まで1日3試合を行う。昨年までに比べ参加チーム数、試合数は増えた。大会の競技性は強くなった反面、興行性は弱まった。観客席はわずかにイスが並んでいるだけで入場料は無料。上位入賞者には強化奨励金は出るが、それは賞金ではない。

 以前より多くの選手が「たくさんのお客さんの中でプレイすることで盛り上がる」と口々に言ってきた。関係者以外ほとんど観戦者のいなかった南あわじ大会の観客席を見るにつけ、競技性を高めることだけが強化、ましてや競技の普及に繋がるのか、はなはだ疑問である。
(取材・文=小崎仁久)

主な結果は次の通り
□女子準決勝
幅口・村上 2(21-19/21-13)0 田中・浦田(聖)
草野・藤井 2(21-17/25-23)0 浦田(景)・永田

□女子決勝
草野・藤井 2(21-15/21-17)0 幅口・村上

□男子準決勝
西村・土屋 2(21-15/21-19)0 仲矢・畑
上場・長谷川 2(21-14/23-21)0 畑辺・清水

□男子決勝
上場・長谷川 1(20-22/21-11/11-15)2 西村・土屋

▼ 女子準決勝。草野・藤井ペア(写真手前)が決勝に駒を進めた



▼ 準優勝の幅口絵里香・村上めぐみペア



▼ (写真奥)優勝を飾った、西村晃一



▼ 優勝を手にした、土屋宝士



▼ 準優勝の上場雄也(右)/長谷川徳海(左)ペア