6月に発表された「都営バスの24時間運行」。まずは渋谷−六本木間で、12月からスタートとなりましたが、バスを使っていない人でも気になるニュースだったのではないのでしょうか。

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しかし、24時間運行でなくとも、実はバスはかなり便利なのです。そこで、普段バスを利用していない方に、バス活用術をご紹介します。

■地下鉄よりも速く着けるバスもある!歩かず涼しいバスの使い方

「電車は時間に正確で、バスは時間が読めない」「同じルートなら、絶対に電車や地下鉄のほうが速い」と思っている人も多いのではないでしょうか。「そんなふうに考えていた時期が、私にもありました」とはよく言いますが、まさにその通りでして、いやはや、思い込みとは怖いものです。

「渋谷−新橋」間を例に取ってみると、路線検索で調べると東京メトロ銀座線で14分前後。一方、都バスの同じルート「渋谷−新橋駅前」だと乗車時間は約25分です。この数字だけ見ると「なんだ、やっぱり地下鉄のほうがずっと速い」と思いがちですが、いろいろとそれ以外にかかる時間があるのです。

実際に渋谷駅をご利用の方は思い出してください。地下鉄とは言いつつも、銀座線のホームが地上3階にあることを。そして、銀座線の新橋駅ホームは地下2階にあります。そして、銀座線渋谷駅発の平日日中の運行間隔は約3分に1本のペース。他線からの乗り換えが加わると、さらに移動時間が加算されます。もっとも遠い、東急東横線・副都心線ホームと銀座線ホームとの高低差は約40m。移動時間にして約10分にもなるのです。

一方、バス停は、基本的に地上にあるため、階層を移動する時間は不要。また、改札を通る必要もないため、改札口からホームまでのルート走破も不要。つまり乗車時間以外の移動時間を含む、実際の移動時間で考えると「乗車時間」の約10分の差はあまり差がないのです。

季節要因を絡めると、駅構内の移動中やホームでの電車待ち中は汗を拭き拭き過ごす時間ですが、バスでの移動ならば、その時間も空調の効いた環境で過ごせますよ。実際に乗ってもらうと「それほど実質の時間は、地下鉄と変わらないのに、涼しくて疲れない」すてきな夏の移動が体感いただけるかと。

渋谷駅を例に挙げましたが、ほかのターミナル駅でも、駅入り口からホームまでの移動時間は3分くらいかかりますから、その時間を勘案して、バスと電車の移動時間を比較するといいですよ。運行本数は、さすがに地下鉄にはかなわないものの「都01系統」「都06系統」のそれぞれで日中は8分おきに新橋行きのバスが運行していますから、地下鉄にしようかバスにしようか迷っている間に、次のバスが来る程度の頻度の路線もあります。

◎バス初心者へのおすすめポイント:その1
路線によっては「駅への移動+駅構内の移動+地下鉄・電車乗車時間」よりも「バス停への移動+バスでの乗車時間」のほうが短くなるケースも。
しかも、歩く時間が減らせて疲れないうえに、空調の効いた空間に長くいられる!

■地下鉄並みの値段のバスも&90分以内に往復すると割引

続いて料金面へ目を向けましょう。

「バスは距離に応じて運賃が変わる」という呪縛にとらわれている方も多いのですが、山手線内の路線バスは、都営バス以外の私鉄バスを含めほとんど均一料金。1停留所だけの乗車でも終点まで乗っても、200円程度なのです。

また、自治体が運営するコミュニティバスは100円〜150円。都営バスでも系統名に「学」の文字が付いた「学バス系統」は170円で乗車できます。

地下鉄の初乗り運賃が東京メトロは160円、都営地下鉄で170円ですから、同じくらいの料金で乗れるバスもあるのです。

また、近年はICカードでの乗車に対応しているところがほとんどで(コミュニティバスの一部では未対応の路線もあり)、Suica・Pasmo等を持っていれば、揺れる車内で両替する手間も要りません。

しかも「バス利用特典サービス(バス特)」という、回数券に似たサービスもあります。これはICカードで乗車する毎に、利用運賃に応じたポイントが累積され、一定ポイントが貯まると、乗車時に割引になるサービス。「バス特」に参加しているのは都営バス他、関東近郊のバス会社のほとんど。「同じ会社のバスばかり乗らないよ」という人でも、ポイントが貯められるようになっています。還元率や付与チケットの一覧はこちらの横浜市交通局のサイトから(還元率等は各社共通です)。

都営バスですと、さらに「乗継割引」があります。これはICカードでの、1回目の乗車から90分以内に乗り継ぎをすると、2回目の運賃から100円割引になります。これは乗り継ぎでなくとも、同じ路線でも対象になるのです。つまり「バスで打合せに行って、最初の乗車から90分以内に帰りのバスに乗れば100円引き。往復300円で済む」わけです。休日にバスに乗ってご飯を食べたり、ぷらっと散歩に行ったりするときにも使える小技です。

◎バス初心者へのおすすめポイント:その2
都心のバスはほぼ定額料金で、1乗車100円〜200円ほど。ICカードで乗車すると、1000円分の乗車で100円割引に。都営バスならば、2回目の乗車が100円引きになる「乗継割引」も。

■路線図アプリとGoogle Mapsのバス停検索で知らないバス路線も検索できる

バス初心者がバスに乗るときに、最大のハードルとなるのが「路線がわからない」という問題です。

Webで調べられるとはいえ、外出時前にそんなことを調べられる余裕があるときは、年間に何度もないのが実情。出先で簡単にバスの行き先や時刻表を調べられるようにならないと、移動時間の時間短縮には繋がりません。

そんな悩みを解消してくれるスマホアプリが「東京都内乗合バス・ルートあんない」です。

「地図から探す」「履歴」「ワード」と3つの方法でバス停やバス路線を検索でき、初めての場所ならば出発地を「地図から探す」で検索すれば、近所のバス停が見つかり、目的地まで向かうバス路線の有無がわかります。時刻表はアプリ画面のリンクをたどると公式サイトへ移動でき、最新情報がチェック可能。

また、バス停の正式名前を知っていれば、Google Mapsで「(バス停名)+(バス)」と検索すると、バス停の位置と、そのバス停から発車する路線の時刻表を表示してくれます。

ただし、1文字でも正式名称と異なると、うまく表示してくれないため注意しましょう。「一丁目」を「1丁目」とを間違えて入力するだけでもNGなのです。

このアプリの検索と、Google Mapsの検索を活用できると、「地下鉄だけで移動すると乗り換えが発生するけど、バスならば乗り換え無しで行ける」ルートを見つけられます。

例を挙げると、先の「渋谷−新橋」間の途中にあたる、「渋谷−六本木」「渋谷−神谷町」「渋谷−虎ノ門」などです。

◎バス初心者へのおすすめポイント:その3
スマホのバス案内アプリを使えば、バス停の位置を知らなくても、地図上でチェック可能。Google Mapsで「バス停名+バス」と検索すれば、位置だけでなく次のバスの発車時刻がすぐわかる!

以上の3つのポイントを活用して、今年の夏は、快適な移動時間を過ごしてみると、夏バテの心配も減らせますよ! 24時間運行の始まる前に、バスTipsをお試しあれ。

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