服着るの忘れた?「ブラジャー丸見え」で街を歩く女性たち。肌見せファッション“年々過激化”のワケ
 みなさんこんにちは、ファッションスタイリスト&ライターの角佑宇子(すみゆうこ)です。加熱する、露出ファッションの流行。今、海外ではそのひとつとして「ブラジャーがまる見え」の着こなしが“ヘルシーで素敵!”と、注目されています。

 日本では批判の声しか上がらないと思いきや、一部では「かっこいい!」という声も。目を疑うような露出でさえも受け入れられるようになった現代ですが、その在り方は本当に正しいのか。スタイリストの観点からこの現象について解説していきます。

◆海外のブラ見せファッションの流行

 露出度の高い着こなしは、注目される。これは、今に始まったことではありません。歴史を辿れば、'60年代のミニスカートルック、'90年代のキャミソール流行……といったように、女性のファッションは、時代に応じて大胆な露出をした服装が流行し、その度に注目を集めては物議を醸してきました。

 しかし、ここ最近のアパレルトレンドはそのブームが非常に長引いており、かつ過激度も増しています。露出度の高いアイテムが単体で流行するのではなく、露出度の高い着こなし方そのものがフォーカスされているのも特徴的ですね。

◆過激な露出は、ランウェイだけにとどまらない

 海外で流行しているブラ見せファッションも同様に、ブラを過激なほどに露出するその着こなし方が注目されています。ハイブランドのコレクションなどでは、こうしたスタイルのモデルたちがランウェイに登場することはそう珍しくありません。

 しかし、日常のファッションではどうでしょう。「服を着忘れたの?」と勘違いされるほど露出した人が街中にまで現れるのは、この数十年の歴史を見ても今だけです。ということは、世界的にも露出レベルが昔よりも確実に際どくなってきているということ。それはいったいなぜなのでしょうか。

◆露出度の高い服は、シンプルにバズりやすい

 これは、端的にいえばSNSの影響が強いと考えています。私たちがSNSで個人活動をするようになったのは、およそ2015年前後から。それまでもSNSはありましたが、2010年代初期まではmixiやフェイスブックなど、テキストベースのコミュニティがメインでしたよね。

 それからインスタグラム、そしてYouTube、TikTokと写真や動画といったビジュアルを軸としたSNSが登場し、活性化していきました。それが、女性たちに“服を脱がせる”結果になってしまったのではないかと推察しています。なぜなら露出度の高い服で写真を撮って投稿すると、異性にも同性にも注目され、バズりやすいからです。

 露出度の高い服を着るということは、スタイルの良さの証。スタイルの美しさは、同性にとって憧れの対象になったり、マウント合戦のネタになったりもしやすいものです。意外かもしれませんが、このことには若い女性だけでなく大人女性も強い興味関心を持っています。年齢を重ね、失われていく若さを残しておきたい。「今が若くて一番美しいから」という理由で、セクシーなランジェリー姿を思い出として写真におさめる方も少なくないのだとか。

 こうして露出ファッションは、個人活動において戦略的アートとして認知され、浸透していきました。それにより、かつてなら「とんでもない!」と、批判されたはずの際どい服でも、抵抗なく着られる人の母数が増えたのではないでしょうか。

 それによって、一部の女性たちは「肌を見せる」ことへの抵抗が以前よりも薄れ、トレンドファッションの露出度合いも少しずつ過激化しているのではないかと考えています。

◆海外とは異なる、日本の露出ファッションの特徴

 海外のスナップフォトでは、メンズライクなジャケットにインナーはブラジャーといったかなりエッジの効いた露出ファッションが目立っていますが、日本ではここまでの露出はさすがにほとんど見かけません(というか海外でも一部なはず……)。