インタビュー:辻詩音「“ほしいもの”をもらっても、気持ちが無いと満足できない」
――普段、映画は観られますか?
辻:観ます。大好きです!――好きなジャンルとか、俳優さんや監督さんはいらっしゃいますか?
辻:洋画・邦画、関係無く観ます。ラブストーリーとかよりも、『17歳のカルテ』とか人間の心の動きとかを描写する映画が好きだったので、初めて主題歌を書くことになった映画が人間ドラマだったから、すごく嬉しかったですね。――「わたし出すわ」は映画内では語られない部分を想像させられるような、観る人によって解釈が異なる作品だと感じたのですが、それって歌詞にも通じる部分があるのかなと。歌詞は、誰もが同じような情景を思い浮かべるように具体性をもって書くのか、それとも聴く人ごとにイメージが広がるような、どう受け止めてもらっても構わないと思って書くのか、どちらが近いですか?
辻:後者ですね。今まで出した曲も、自分はそういうつもりじゃなくても「ラブソングですよね」と思ってる子もいたり。でも、それはそれで正しくて。私も曲を聴く時は、自分の感情で歌詞に入っちゃったりするので、その人がどういう時にどういう風に書いたかは、聴く側にはあんまり関係無いかなと思っていて。今回は特に、なるべくみんなが普遍的に思う言葉をシンプルに、って考えました。――映画の内容にちなんで「あなたの代わりに『わたし出すわ』キャンペーン」を行ったのですが、もし摩耶のように大金をあげるなら、誰にどんなことをしてあげたいですか?
辻:えぇー!人にあげるんですよね? でも、やっぱり摩耶と一緒で「何かやりたい」ってなって、今までお世話になった人とか「ありがとう」って気持ちを返したい人にあげます。嫌いな人には絶対にあげないです(笑)。――ちなみに、自分で使うとしたら何かあるんですか?
辻:自分で使うとしたら、CDとかを全部大人買いしたいし…。でも、そんなんじゃ足りないですよねー。自分のスタジオを作ったりしたいですね。――とことん音楽につぎ込む感じで?
辻:そうです!――前作の「M/elody」は16歳の頃に書かれた曲と紹介されていましたが、「ほしいもの」と2曲目の「コインロッカーボーイ」はいつ頃に作られた曲なんですか?
辻:「ほしいもの」は、映画のお話を頂いてから今年の3月とかだったんですけど、「コインロッカーボーイ」はデビューが決まった直後ぐらいに書いていて、ライブでは何回かやっていた曲だったんです。両親が村上龍さんの「コインロッカーベイビーズ」って本が好きで、あらすじだけは知っていたんですね。そこからインスパイアされて作っていったんですけど、小説を読んだのはレコーディング直前でしたね。――なぜ「コインロッカーベイビーズ」を題材に歌詞を書こうと思ったんですか?
辻:デビューが決まって「ここから違う世界に飛び出して行くぞ!」ってギラギラした感じもあったし。その時10代で、コインロッカーで生まれた子がという本のあらすじからして、すごく衝撃的だったんですね。でも、私はすごく前向きに捉えていて、どんな環境で生まれても夢を叶えようとする気持ちとか確率はみんな一緒なんだってことを言いたくて。恵まれない環境からでも飛び出していけるってことを歌いたかったんですよね。――「コインロッカーボーイ」は、その当時作った音の雰囲気と、それほど変えてはいないですか?
辻:そうですね、基本的にバンドでやってライブ映えするような曲調で。歌詞が結構シビアな分、曲は前に進む感じにしたかったので。――「ほしいもの」のようなアコースティックギターと、「コインロッカーボーイ」のようなロックなエレキギターと、どっちが得意ですか?
辻:あぁー!どっちでしょー?エレキの曲も全部アコギから作り出すんですけど、それでどっちが合うかな?という感じなんですけど、最近はすごくライブを想定するようになっているので。もしアルバムを作る時とかも、もうすごい幅が広くて、どんなジャンルでも入ってるようなアルバムにしたいので。特に「これは、じゃあエレキ」とか、あまり意識しないようにしていますね。どっちも結構、自然に出てきます。