「公営住宅」の家賃が“民間並み”に跳ね上がり絶望!年金暮らしで生活が苦しいのに、同居する家族の収入のせいで負担が激増するって本当?「近傍同種家賃」という理不尽な罠とは?

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公営住宅の家賃が安く、家計の支えになっていた家庭にとって、「収入超過者になると近傍同種家賃に近づく」と聞くと大きな不安を感じるでしょう。   近傍同種家賃とは、その公営住宅と同じような住宅を民間で借りる場合の家賃に近い考え方です。収入が一定基準を超えると、これまでの低い家賃から負担が増えることがあります。   ただし、収入超過者になったからといって、すぐに民間並みの家賃になるとは限りません。まずは制度の仕組みを確認しましょう。

近傍同種家賃はその住宅の本来の賃料に近い考え方

公営住宅の家賃は、所得の低い世帯が住まいを確保できるよう、通常の民間家賃より低く設定されることがあります。
しかし、入居後に収入が増えた場合もずっと低い家賃のままだと、公営住宅を必要としている他の世帯との公平性が問題になります。
そこで出てくるのが、近傍同種家賃です。国土交通省の資料では、近傍同種の住宅の家賃は、その公営住宅と同等の賃貸住宅の利用対価として通常支払うべき賃料として算定されるものとされています。簡単にいえば、その住宅の立地や広さ、建物の状態などを考えた「本来の家賃」に近い金額です。
収入超過者になると、この近傍同種家賃を上限や基準として、家賃負担が増えていくことがあります。つまり、これまでの低い家賃から、その住宅の価値に見合った家賃へ近づける仕組みです。収入の区分に応じて、近傍同種家賃へ1/7、1/4、1/2と段階的に近づいていくこととなります。詳しくは、図1を確認してみましょう。
図1

※出典:国土交通省住宅局 公営住宅制度の概要について
すなわち、すぐに民間並み家賃になるとは限りません。ただし、近傍同種家賃は自治体や住宅ごとに異なります。築年数が古い住宅と新しい住宅、駅に近い住宅と郊外の住宅では金額が違います。自分の住宅の近傍同種家賃がいくらなのかは、自治体の住宅管理窓口で確認する必要があります。

高額所得者になると明渡し請求の対象になることがある

収入超過者と高額所得者は、似ているようで扱いが違います。収入超過者は、家賃が上がり、明渡しに努めることが求められる段階です。一方、高額所得者に該当すると、明渡し請求の対象になる可能性があります。(図2)
図2

※出典:国土交通省 公営住宅制度の概要
国土交通省の概要にあるように、収入超過者には「明渡し努力義務」が発生し、、高額所得者は明渡し請求の対象となることが分かります。それぞれ3年や5年以上の入居者がその対象であるという点も確認しておきましょう。
収入超過者になっただけで直ちに退去というわけではありませんが、高額所得者に該当する状態が続くと、より強い対応を受ける可能性があります。
また、高額所得者の場合、明渡しまでの間は近傍同種家賃に近い、またはそれに基づく高い家賃が求められることがあります。民間並みの家賃か、あるいはそれ以上となることが読み取れます。これまでの家賃との差が大きいと、家計にかなりの負担になります。(図3、図4)
図3

※出典:国土交通省住宅局 公営住宅制度の概要について
図4

※出典:国土交通省住宅局 公営住宅制度の概要について
不安な場合は、自治体に「自分の世帯は収入超過者なのか、高額所得者に近いのか」「今後どのような通知や手続きがあるのか」を確認しましょう。早めに情報を得れば、民間賃貸への住み替え、子どもの独立、収入の見通しなどを落ち着いて考えられます。

まとめ

収入超過者になると、公営住宅の家賃は近傍同種家賃に近づく方向で上がる可能性があります。近傍同種家賃とは、その住宅と同じような住宅を通常借りる場合の家賃に近い考え方で、公営住宅の本来の価値を反映するものです。
ただし、収入超過者になったからといって、すぐに民間並みの家賃になるとは限りません。多くの場合、収入区分や自治体のルールに応じて段階的に家賃が上がります。正確な金額は自治体ごとに異なるため、通知を見て不安になるだけでなく、窓口で確認しましょう。
一方で、高額所得者に該当すると、明渡し請求の対象になる可能性があります。収入超過者と高額所得者の違いを理解し、今後の家賃見込みや住み替えの選択肢を早めに考えることが大切です。収入が増えたことは家計の力にもなります。制度を確認しながら、無理のない住まい方を選びましょう。
 

出典

国土交通省住宅局 公営住宅制度の概要について
国土交通省 公営住宅制度の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー