「腹を壊した」AIで診断書を捏造して複数の飲食店に賠償を要求、恐喝罪で男に有罪判決―中国
2026年6月15日、中国メディア・環球網によると、人工知能(AI)で病歴を偽造し「腹を壊した」とうそをついて複数の飲食店に損害賠償を請求した男が恐喝罪で有罪判決を受けた。
記事によると、男は昨年11月に上海市楊浦区の焼き肉店でスマートフォンのAIツールを使って「急性胃腸炎」の虚偽の通院記録や医療費領収書、さらにはリアルな嘔吐物の画像まで偽造し、2000元(約4万7000円)の医療費をだまし取り、その後も1カ月の間に同様の手口で四つの飲食店に対して賠償を請求していた。
男はその後逮捕・起訴され、上海市楊浦区人民法院が審理の上で恐喝罪が成立すると認定し、今月11日に刑事拘留4カ月(執行猶予4カ月)、および罰金2000元の判決を下した。
記事は、このようなAIを用いた悪質な賠償請求は跡を絶たず、ECプラットフォームに対してハンバーガーの中に髪の毛が入っているとする偽の写真を送りつけてから強制返金させたり、AI生成ソフトのウォーターマークが残った不良品画像を送りつけて返金を要求したりする手口が多発していると指摘。中小の事業者が識別や立証能力の不足から泣き寝入りを強いられているとした。
その上で、あるプラットフォームの悪質賠償請求対策責任者が、数億件の実際の注文や評価データを基に学習させた「AIリスク管理モデル」を稼働させ、AIで偽造された証明書類や使い回しの画像を自動識別して高リスクアカウントをマーク・ブロックするシステムを導入したと明かしたことを紹介した。
また、別のプラットフォームでも事業者がワンクリックで異議申し立てできる機能を追加し、システムがAIによる偽画像だと判定すれば返品・返金の判定結果に直接反映される仕組みを構築したと伝えた。
記事は、中国政法大学の専門家の話として、AIを使って虚偽の画像を生成し賠償を請求する行為は1回の金額が小さくても常習すれば多額となり、被害額が一定基準に達すれば詐欺罪が成立し、脅迫を伴う場合は恐喝罪の疑いが生じると解説した。
さらに、AIツールによって偽造コストが下がり、違法行為のハードルが極めて低くなっているため、警察や市場監督管理などの部門と事業者が管理体系を整え、偽造賠償請求に対する処罰制度を強化する必要があると伝えた。(編集・翻訳/川尻)
