日本代表FW後藤啓介(シントトロイデン)は北中米ワールドカップに向けた今回の活動中、現役時代に世界屈指のFKキッカーだった中村俊輔コーチに指導を仰ぎ、直接FKのトレーニングに取り組んでいる。

 後藤によると「そもそもの蹴り方が俊さんを真似して蹴っている。そこを教えてもらっている」とのこと。昨年9月にはU-21日本代表の一員として出場したAFC U23アジア杯予選アフガニスタン戦でもゴールを決めており、「一つ武器としてあるので、それをどう磨いていくか」という思いで練習に励んでいるという。

 そんな後藤だが、W杯の原体験もFKにあった。

「(2010年の)南アフリカの時のヤットさん(遠藤保仁)を見て育っているし、ああいうので流れを引き寄せることもできる。本田(圭佑)さんの無回転もそうだし、何回も何回もビデオが擦り切れるくらい見ていた」

 オフの時間も数多くの試合を見ていることで知られる後藤だが、当時5歳だった“FK2連発”も脳裏に焼き付いているようだ。かつてはボランチとして育った立場。そうした数々のレジェンドたちのプレーから創造性を学んできた。

「中村俊輔さん、(中村)憲剛さん、ヤットさんとか、(パスの)出し手の選手はプレー集になっているビデオを買って、もう何百回も見ていました」。その記憶は“パスの受け手”であるFWとなった今も身を助けている。

「FWをやり始めてからはずっと活きていて、自分が欲しいタイミングで動いていれば代表レベルはボールが来るし、活きていると思う」。俊輔コーチを筆頭に数々のレジェンドが集まった今回のW杯日本代表。その影響は身近な憧れだった中堅・ベテラン世代だけでなく、代表キャリアを歩み始めたばかりの若手選手にも及んでいるようだ。

(取材・文 竹内達也)