北朝鮮応援に3千万円、自国選手には10万円 韓国開催AWCLが残した“逆差別”論争「ホームなのに疎外感」

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北朝鮮の女子サッカークラブチーム「ネゴヒャン女子蹴球団」が、韓国・水原(スウォン)で開催された女子ACLで優勝した。しかし、試合終了後に残ったのは、単なる勝敗以上の妙な余韻だった。

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韓国で開催された大会であったにもかかわらず、現場の雰囲気は違和感を覚えるほど“北朝鮮チーム中心”に動き、その過程で韓国のチームに対する「逆差別論争」も浮上している。

日本王者を破ったネゴヒャン

ネゴヒャンは5月23日、水原総合運動場で行われたAFC女子チャンピオンズリーグ(AWCL)決勝で、日本の日テレ・東京ヴェルディベレーザを1-0で破り優勝した。前半に生まれた主将キム・キョンヨンのゴールがそのまま決勝点となり、ネゴヒャンは大会初優勝とともにアジア最強の座に就いた。

ネゴヒャン女子蹴球団(写真提供=OSEN)

試合内容だけに注目すれば、完成度の高い一戦であった。ネゴヒャンは激しいプレスと組織的な守備を武器に日本王者を揺さぶり、効率的な試合運びで勝利を掴み取った。

試合後、選手たちは北朝鮮の国旗を掲げてグラウンドを回り、優勝セレモニーを行った。一部の選手は観客席に向かって手を振り、喜びを分かち合った。

ネゴヒャンのキム・キョンヨン(左)とベレーザの朝生珠実(写真提供=OSEN)
北朝鮮国旗を手にグラウンドを一周するネゴヒャンの選手たち(写真提供=OSEN)
冷え切った南北関係と「共同応援」の違和感

しかし、スタジアムを包んでいた雰囲気は、単なるサッカーの試合以上の意味を含んでいた。

市民団体を中心に構成された応援団は、試合を通してネゴヒャンへの応援を続けた。ネゴヒャンが攻撃に転じるたびに大きな歓声と拍手が沸き起こり、スタジアムの空気も自然と北朝鮮チーム中心に流れていった。

先に行われた水原FCウィメンとネゴヒャンの準決勝でも同様の光景が見られたが、決勝ではそれがさらに鮮明になった。

名目上は「南北共同応援」であったが、実際の現場は特定のチームに対する一方的な応援に近かったという反応も少なくなかった。

AWCL決勝、ネゴヒャンを応援するファン(写真提供=OSEN)

北朝鮮のスポーツ選手が韓国で開催される国際大会の舞台に立ったのは、2018年に仁川(インチョン)で行われた国際卓球連盟(ITTF)ワールドツアー・グランドファイナル以来だった。

それから約8年が経過した現在、北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が韓国を「最も敵対的な国家」と規定し、「同族から永遠に排除する」とまで言い、新憲法では韓国との同族関係や“祖国統一”の概念が削除されるなど、南北関係は冷え切っている。

ネゴヒャン女子蹴球団(写真提供=OSEN)

そんななか、今回のネゴヒャン訪韓に際して韓国では200余りの民間団体が参加し、「南北の和合と交流の雰囲気作り」を名目に「南北共同応援団」が結成された。

実際、今大会は「女子サッカー」そのものよりも「北朝鮮チームの来韓」というトピックに大きな関心が集まる傾向があった。

韓国政府の統一部は「水原FCウィメンとネゴヒャンを共に応援する」という趣旨で共同応援団の運営を支援し、その過程で南北協力基金から3億ウォン(日本円=約3169万円)の支援も決定された。

開催国チーム「逆差別」の波紋、疎外された韓国の選手たち

しかし、肝心の開催国チームだった水原FCウィメンの選手たちは、割り切れない思いを隠せない様子だった。

宿泊先の問題からスタジアムの雰囲気まで様々な状況が重なった。水原は当初、ネゴヒャンと同じ宿泊先に滞在する予定だったが、ネゴヒャン側の要請で別の宿泊先に移ることを余儀なくされた。

内部からは「ホームなのに、まったくホームチームという感じがしなかった」という反応まで出ていたという。

AWCL準決勝、ネゴヒャンのキム・ソンオク(左)とハイタッチをする水原のチ・ソヨン(写真提供=OSEN)

特に、自国の選手たちが相対的に疎外されているかのような場面が続き、逆差別論争も激化した。

論争が大きくなると、統一部の関係者が直接水原の選手たちのもとを訪れ、激励に乗り出した。

サッカー界の関係者は「十分な配慮ができず申し訳ない、という意味合いだったようだ」と説明した。統一部側から渡された激励金は、約100万ウォン(約10万円)であったとされる。

それさえも公式な場ではなく、水原FC財団の理事長と選手が顔を合わせる場に一時的に同席して手渡された。

サッカー界の関係者は「きちんとした形式を整えた席でもなかった。選手たちはむしろ驚いていた」と説明した。

残念だったのは、単なる金額の問題ではなく、水原の選手たちに対する姿勢そのものだった。

ネゴヒャン女子蹴球団(写真提供=OSEN)

今回の水原でのAWCL決勝は、ネゴヒャンの優勝という結果とは別に、スポーツと政治、南北関係、応援文化、そしてホームチームへの待遇論争までが複雑に絡み合い、少なくない波紋を残すこととなった。

(記事提供=OSEN)