「車が倒れる!」…記者の恐怖体験「最大瞬間風速30mの爆風メイストーム」倒木が屋根を突き破る!
ブォ〜〜〜〜〜〜〜。
無気味な風音が間断なく響き、横殴りの雨が車の窓を叩く。車内に閉じ込められてすでに30分。激しい風雨が止む様子はない。助手席でおびえる妻が悲鳴をあげた。
「このままじゃ、車が倒れる!」
5月4日、ゴールデンウィークの休みを利用し訪れた八幡平(秋田県と岩手県にまたがる標高約1600mの山地)で、記者は発達した低気圧による「メイストーム(5月の嵐)」と呼ばれる強風に襲われた。最大瞬間風速は30m近く。立っていられず看板が吹っ飛ぶほどの爆風で、妻や80代の義母を乗せたレンタカー(軽自動車)は容易に運転できない。山頂付近のパーキングエリアに駐車し、しばらく様子をみたが猛威は収まらず、激しく横に揺さぶられた車体が倒れるのではないかと気が気でなかった。
「建物の近くに車を寄せたら風が防げるんじゃない」
妻の提案で車を移動し、駐車場に併設されたロッジへ避難。強い風圧のため、いったん開けた軽自動車のドアを閉めるのに苦労した――。
男性が意識不明の重体
この日、春の暴風に見舞われたのは八幡平だけではない。千葉県木更津市と神奈川県川崎市を結ぶ東京湾アクアラインは、風速20mを超えたため通行禁止に。千葉市の蘇我スポーツ公園で行われる予定だった野外音楽フェスティバルは急きょ公演中止となった。
「神奈川県内を走る小田急線は、最大瞬間風速26m超の暴風で吹き飛ばされた約7m四方の金属板が架線に引っかかり一部区間で運転を見合わせました。和歌山県白浜町では突風による倒木が、民家の屋根を突き破り寝室を直撃。幸いケガ人はいませんでした。兵庫県の淡路島では走行中の自転車が転倒し、乗っていた50代の男性が頭を強打し意識不明の重体です」(全国紙社会部記者)
「メイストーム」は一過性のものではない。今後も警戒が必要なようだ。気象予報士の森田正光氏が解説する。
「季節の変わり目に暖かい空気と冷たい空気がぶつかることで、低気圧が発達し風が強まります。春から夏に移る5月は、こうした強風が吹きやすいんです。気象庁が暴風警報を出していたら、なるべく外出を控えてください。
外で『春の嵐』に遭った場合は、すぐに頑丈な建物内に避難する必要があります。とくに登山にいく時は、必ず気象情報を事前に確認しましょう。5月いっぱいは、強い台風並みの暴風への警戒が必要です」
記者が八幡平で遭遇した爆風がようやく弱まったのは、駐車場に避難してから1時間以上たってから。身の危険を強く感じた恐怖体験だった。
