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千葉・市原市と大多喜町(おおたきまち)を走るローカル線『小湊鉄道』。赤字経営を立て直すため2025年に始まったのが、千葉の地酒などの飲み放題が楽しめる「ビール列車 夜キハ」です。

“ローカル線に揺られながら飲む”、その非日常感がSNSで話題となり、今ではキャンセル待ちの日もでるほどの人気ぶり。途中下車する駅では地元の店などが行う、まんじゅうやおつまみの出張販売も。幅広い年齢層でにぎわう列車の魅力を取材しました。

■毎週土曜日限定“飲み放題列車”

東京駅からおよそ1時間、千葉県市原市と大多喜町を走る小湊鉄道は、地域住民の暮らしを支えるローカル線です。

夕暮れ時、始発駅のホームでカメラを向ける人たちのその先に、「ビール列車 夜キハ」と書かれたヘッドマークをつけた列車が入ってきます。毎週土曜日限定の“飲み放題列車”です。日々、お客さんを乗せて走っている車両が“宴会場”になるのです。

並べられた机の上には、地元の仕出し料理店のこだわりのお弁当。千葉で取れたコメを使ったちらし寿司など、この列車だけの特別メニューです。

■6種類の千葉の地酒も楽しめる!

乗客
「乾杯〜!」

乗り込んだらすぐ、飲み放題がスタートします。

千葉からの2人組の30代女性は「こういうレトロな雰囲気とか大好きなのでひかれました」と話します。

飲み放題はビールやハイボールはもちろん、6種類の千葉の地酒も楽しめます。

「フォン!」と警笛が鳴り、早くも盛り上がるお客さんを乗せていよいよ出発です。

■車窓からはのどかな田園風景と夕日の眺望

五井駅と上総牛久(かずさうしく)駅を往復する2時間ほどの列車旅。1両に40人ほどが乗れて、料金は乗車券込みで1人8000円です。

初参加の3人組の女性たちは地酒で乾杯。「いけるこれ!」「おいしい」「全部網羅する」「飲み尽くしたい」と口々に言います。

旅の醍醐味(だいごみ)は他にもあり、車窓からはのどかな田園風景と夕日を眺めることができるのです。先ほどとは別の3人組の女性たちも「めっちゃいい!」と興奮します。

「景色もいいし」「風も気持ちいいし。いつもよりお酒とご飯がおいしく感じます」と話してくれました。

■初回は運休…その後SNSで話題に!

赤字経営を立て直すため、2025年6月に始めた飲み放題列車ですが、初回の運行は申し込みが“ほぼゼロ”で運休でした。

ところが、“ローカル線に揺られながら飲む”、その非日常感がSNSで話題に!

2人組の20代女性
「インスタで見つけてなんですけど、そこからずっと予約が取れなくてやっと来られた」

いまではキャンセル待ちの日もあるといいます。

千葉からの30代男性は開始30分ほどで、「日本酒8杯9杯飲んだんで、腹がパンパンになってきました」とおなかをさすっています。

■途中駅ではつまみになる総菜などの出張販売も!

出発からおよそ50分。乗客が車窓から手を振っています。折り返し地点の上総牛久駅のホームで手を振り返しながら待っていたのは、駅周辺の店による出張販売です。

乗客
「ハムカツいただいてもいいですか」

この日、並んでいたのはイチゴ大福(250円)やトロッコどらやき(200円)。さらに、から揚げやたけのこの煮物などつまみにもなるお総菜がありました。

2人組の20代大学生
「まんじゅうと、うずらの卵と、炊き込みご飯と、コロッケ買いました」
「帰りの電車で食べます」

150円のコロッケを購入した30代女性は「おいしい! 日本酒とコロッケ、おいしい!」と、その場で食べながら笑顔を見せました。

■イベント列車のにぎわいが地域の活性化にも

このイベント列車のにぎわいが、地域の活性化にもつながっているといいます。

牛久商店会 会長 串田浩一さん
「駅前がにぎやかになっていいこと。小湊鉄道も盛り上がるし、牛久の商店街も盛り上がる」

商店街の人たちに別れを告げて、再び出発。

■年代を超えて隣同士で意気投合

「日本酒13杯くらい飲みましたね」と言う30代男性。

お酒が進むと、隣同士で意気投合することもしばしば。

社会人1年目の男性は、「こうやって年代違う方と話せるのがうれしいので。何かのご縁かなって」と話します。

■地酒をかけたじゃんけん大会まで!

旅の最後にもお楽しみが!

駅員さんが「日本酒持って帰りたい人!」と声をかけ、始まったのは千葉の地酒をかけたじゃんけん大会! 初参加の大学生が一升瓶の地酒をゲットしました。

地酒をゲットした大学生
「おいしかったのでうれしいです。家族と飲みます!」

■「ビール列車 夜キハ」予約受け付け中

酔いも回ってきた頃、スタートした駅に到着しました。

乗客
「もう着いちゃったの? 悲しい〜。悲しいけど楽しかった」

50代夫婦は「楽しかったです。また来たいなと思いました」「またエントリーします」と話してくれました。

   ◇

「ビール列車 夜キハ」の"飲み放題列車"は5月以降も、キャンセル待ちを含め予約を受け付けています。

(4月30日『news every.』より)